昨年ABT(アメリカンバレエシアター)でのフェリの相手役を務めたミラノスカラ座の ロベルト・ボッレ に魅了されたのだが、今回 YAGP の為にアメリカに来るとのことだったので観に行くことにした。
YAGP とは、Youth America Grand Prix の略で、1999年にボリショイバレエ団のダンサーだった Gennadi & Larissa Saveliev によって創設されたもので、北アメリカでは初めての若いバレエ学生達の為の競技会。
毎年、アメリカ以外では日本、メキシコ、ブラジル、イタリアでの予選会が行われ、約360名のソリストと480名のアンサンブルメンバーが本戦の為に選抜され、20万ドル以上の奨学金が秀でたダンス学校に支給されるというもの。
競技会は9歳~19歳のバレエ学生が参加し、水曜から日曜まで行われ、グランプリの受賞者、そしてシニア・ジュニアの男女に分かれての金・銀・銅の賞が与えられる。
毎年、アメリカ以外では日本、メキシコ、ブラジル、イタリアでの予選会が行われ、約360名のソリストと480名のアンサンブルメンバーが本戦の為に選抜され、20万ドル以上の奨学金が秀でたダンス学校に支給されるというもの。
競技会は9歳~19歳のバレエ学生が参加し、水曜から日曜まで行われ、グランプリの受賞者、そしてシニア・ジュニアの男女に分かれての金・銀・銅の賞が与えられる。
今回の司会は俳優の アラン・カミング が務めていたが、若い観客が奇声ともとれるような黄色い声をあげて応援したり拍手したりする際には、彼の次のプログラム紹介の声がかぶってしまって、アメリカ人ですら次の演目が何か聞き取れていなかった模様。
★前半は STARS OF TOMORROW と題し、今回のグランプリでの受賞者達やバレエ団による演技が行われた。
シニアの男性の金賞を取ったロイヤルバレエの付属スクールの学生はドン・キホーテの一場面を踊っていたが、それは高いジャンプや、あえてバランスを見せる為のゆっくりしたフェッテ(回転)などプロ顔負けの演技。
シニアの女性の金賞はメキシコの女の子で、やはりとても上手だったが、インターミッションの時に観客席に居た両親の所に金の像のトロフィーを見せに来ていた時は本当に可愛い少女だった。
グランプリはドイツの男性で、フランスの音楽に合わせて酔いどれた人を好演。
団体としていくつかのバレエ団も登場したが、そのうち、脇から手や頭の上までをすっぽりスカートを逆にしたようなコスチュームで隠してその部分を頭にみなし、胴体部分に大きな顔を描いたコスチュームをつけたグループが会場の笑いをさらっていた。
最後には個人で踊らなかった参加者全員?によるフィナーレ。
★後半は STARS OF TODAY
プログラムには11演目あったが、いささか変更があった。
Greta Hodgkinson (カナダ国立バレエ), Roberto Bolle (スカラ座バレエ)
"Petite Mort"
振付:Jiri Kylian 音楽:Wolfgang Amadeus Mozart
男女二人とも肌色のコスチュームをつけただけのシンプルなもので、ボッレにリフトしてもらう女性の位置が 色々と変わるなど、非常に素晴らしかった。
(画像 一番右の男性がボッレ、Kylian はその右だが画像から切れている)
シニアの男性の金賞を取ったロイヤルバレエの付属スクールの学生はドン・キホーテの一場面を踊っていたが、それは高いジャンプや、あえてバランスを見せる為のゆっくりしたフェッテ(回転)などプロ顔負けの演技。
シニアの女性の金賞はメキシコの女の子で、やはりとても上手だったが、インターミッションの時に観客席に居た両親の所に金の像のトロフィーを見せに来ていた時は本当に可愛い少女だった。
グランプリはドイツの男性で、フランスの音楽に合わせて酔いどれた人を好演。
団体としていくつかのバレエ団も登場したが、そのうち、脇から手や頭の上までをすっぽりスカートを逆にしたようなコスチュームで隠してその部分を頭にみなし、胴体部分に大きな顔を描いたコスチュームをつけたグループが会場の笑いをさらっていた。
最後には個人で踊らなかった参加者全員?によるフィナーレ。
★後半は STARS OF TODAY
プログラムには11演目あったが、いささか変更があった。
"Petite Mort"
振付:Jiri Kylian 音楽:Wolfgang Amadeus Mozart
男女二人とも肌色のコスチュームをつけただけのシンプルなもので、ボッレにリフトしてもらう女性の位置が 色々と変わるなど、非常に素晴らしかった。
(画像 一番右の男性がボッレ、Kylian はその右だが画像から切れている)
Sarawanee Tanatanit, Blaine Hoven (ABT)
"Tacaca" World Premiere
振付:Marcelo Gomes, 音楽:Batucada Brasileira
ABTでは私は一番好きな ゴメスが振り付け、今回が世界初披露の演目。
斬新でいて、エネルギッシュでとても良かった。
(画像 一番左のペア 男性はピンク、女性は黒のレオタード)
"Tacaca" World Premiere
振付:Marcelo Gomes, 音楽:Batucada Brasileira
ABTでは私は一番好きな ゴメスが振り付け、今回が世界初披露の演目。
斬新でいて、エネルギッシュでとても良かった。
(画像 一番左のペア 男性はピンク、女性は黒のレオタード)
Jin Yao, Huang Zhen (香港バレエ)
"Grand Pas Classique"
振付:Daniel Auber, 音楽:Victor Gsovsky
香港のバレエ団がこのYAGPに登場するのは初めてとのこと。
男性は細い線ながら、ジャンプやフェッテも良く決めていて、女性も頑張っていたが、最後のフェッテでバランスを崩しかけていた。 (画像 右から2組目のペア)
"Grand Pas Classique"
振付:Daniel Auber, 音楽:Victor Gsovsky
香港のバレエ団がこのYAGPに登場するのは初めてとのこと。
男性は細い線ながら、ジャンプやフェッテも良く決めていて、女性も頑張っていたが、最後のフェッテでバランスを崩しかけていた。 (画像 右から2組目のペア)
Drew Jacoby Rubinald Pronk (Morphoses/The Wheeldon Compnay)
"Alloy" World Premiere
振付:Adam Hugland, 音楽:Schlagwerk Nordwest Percussion Ensemble
コンテンポラリー。男性がアフリカ系でとても良い動きをしていて、人気のようで非常に多い拍手や歓声。(画像 右から3組目の男女とも黒いコスチューム)
"Alloy" World Premiere
振付:Adam Hugland, 音楽:Schlagwerk Nordwest Percussion Ensemble
コンテンポラリー。男性がアフリカ系でとても良い動きをしていて、人気のようで非常に多い拍手や歓声。(画像 右から3組目の男女とも黒いコスチューム)
Wendy Whelan, Philip Neal (NYシティバレエ)
"Chaconne"
振付:George Balanchine, 音楽:Christoph Willibald Gluck
シティバレエのプリンシパル二人によるバランシンの作品。そつなく終わったという印象。
(画像 左から2組目)
"Chaconne"
振付:George Balanchine, 音楽:Christoph Willibald Gluck
シティバレエのプリンシパル二人によるバランシンの作品。そつなく終わったという印象。
(画像 左から2組目)
Nicole Loizides, Steven Marshall (MOMIX)
"Millennium Skiva"
振付:Moses Pendleton and Company, 音楽:Brainbug
司会のアラン・カミングが紹介していたのだが、Steven Marshall はかつてはこのグランプリの ACT ONE つまりユースの競技者として参加していたが、今回は ACT TWO に出演したとのこと。男女それぞれ足から頭の先まで銀色のスケート選手のようなウェアを身にまとい、柔らかいスキー板を履いて
スキー板をしならせるなどして不思議なポジションを取ったコンテンポラリーで面白かった。
(画像 左から3組目)
Natalia Osipova, Ivan Vasiliev (ボリショイバレエ団)
"Flames of Paris" Pas de Deux
振付:Marius Petipa, 音楽:Ludwig Minkus
とにかく男性のイワン・ヴァジリエフ(ワシーリエフ)の跳躍が凄い。会場の若いダンサー達からは悲鳴にも似た感嘆の声が 起こり、通常なら拍手に対して片手ずつ広げて礼をして終わるところだが、3回やっても未だ拍手がおさまらないぐらいだった。 女性のナタリア・オシポヴァもそのヴァジリエフ(ワシーリエフ)に負けじと連続のフェッテをばっちり決め、中には3回転も交えていて、こちらも大喝采。 最後二人が踊り終えるといきなりのスタンディングオベーションとなって会場からは割れんばかりの拍手。 この二人は未だソリストとは信じられない。
(画像 前列手前の白いチュチュの女性と、その背後の赤と白と青のベルトの男性)
Polina Semionova (Berlin State Opear Ballet), Roberto Bolle (スカラ座)
"Carmen"
振付:Roland Petit, 音楽:George Bizet
この前の組が物凄い拍手だったので、さぞや次の組は不利で、やりにくいことだろうと思っていたが
ボッレ組はジャンプやフェッテで見せるのではなく、妖艶なカルメンや翻弄される男性でストーリー性のあるものだった。とても良かったが、ボッレだけは2度出演しているので、一番最初の演目の方がより良かったかと。(画像 一番右の黒い衣装のペア)
"Millennium Skiva"
振付:Moses Pendleton and Company, 音楽:Brainbug
司会のアラン・カミングが紹介していたのだが、Steven Marshall はかつてはこのグランプリの ACT ONE つまりユースの競技者として参加していたが、今回は ACT TWO に出演したとのこと。男女それぞれ足から頭の先まで銀色のスケート選手のようなウェアを身にまとい、柔らかいスキー板を履いて
スキー板をしならせるなどして不思議なポジションを取ったコンテンポラリーで面白かった。
(画像 左から3組目)
Natalia Osipova, Ivan Vasiliev (ボリショイバレエ団)
"Flames of Paris" Pas de Deux
振付:Marius Petipa, 音楽:Ludwig Minkus
とにかく男性のイワン・ヴァジリエフ(ワシーリエフ)の跳躍が凄い。会場の若いダンサー達からは悲鳴にも似た感嘆の声が 起こり、通常なら拍手に対して片手ずつ広げて礼をして終わるところだが、3回やっても未だ拍手がおさまらないぐらいだった。 女性のナタリア・オシポヴァもそのヴァジリエフ(ワシーリエフ)に負けじと連続のフェッテをばっちり決め、中には3回転も交えていて、こちらも大喝采。 最後二人が踊り終えるといきなりのスタンディングオベーションとなって会場からは割れんばかりの拍手。 この二人は未だソリストとは信じられない。
(画像 前列手前の白いチュチュの女性と、その背後の赤と白と青のベルトの男性)
Polina Semionova (Berlin State Opear Ballet), Roberto Bolle (スカラ座)
"Carmen"
振付:Roland Petit, 音楽:George Bizet
この前の組が物凄い拍手だったので、さぞや次の組は不利で、やりにくいことだろうと思っていたが
ボッレ組はジャンプやフェッテで見せるのではなく、妖艶なカルメンや翻弄される男性でストーリー性のあるものだった。とても良かったが、ボッレだけは2度出演しているので、一番最初の演目の方がより良かったかと。(画像 一番右の黒い衣装のペア)
Mizuka Ueno (東京バレエ), Jose Manuel Carreno, David Hallberg (ABT)
"Le Corsaire" Pas de Trois
振付:Marius Petipa, 音楽:Richard Drigo
ABTのプリンシパル2人と共に日本人バレリーナの上野さん達がトリを務めた。
上野さんはとても丁寧に一生懸命踊っておられるのが感じ取れたが、少々慎重になり過ぎたのかフェッテが遅めで音楽にあっていなかった時があったような。カレーニョは ABT では安心感のあるダイナミックなジャンプが出来る人だと思っていたが、今回のように ボリショイの若いヴァシリエフが凄いジャンプを先に見せてしまうと、40歳のカレーニョには少々厳しいかと。ホールバーグも大きな優雅なジャンプを見せていたが、彼の良さを見せるほどの時間はなかった。
(画像 前列青いチュチュの上野さん、後列赤いベルトがホールバーグ、青い衣装がカレーニョ)
"Le Corsaire" Pas de Trois
振付:Marius Petipa, 音楽:Richard Drigo
ABTのプリンシパル2人と共に日本人バレリーナの上野さん達がトリを務めた。
上野さんはとても丁寧に一生懸命踊っておられるのが感じ取れたが、少々慎重になり過ぎたのかフェッテが遅めで音楽にあっていなかった時があったような。カレーニョは ABT では安心感のあるダイナミックなジャンプが出来る人だと思っていたが、今回のように ボリショイの若いヴァシリエフが凄いジャンプを先に見せてしまうと、40歳のカレーニョには少々厳しいかと。ホールバーグも大きな優雅なジャンプを見せていたが、彼の良さを見せるほどの時間はなかった。
(画像 前列青いチュチュの上野さん、後列赤いベルトがホールバーグ、青い衣装がカレーニョ)
前半だけでも1時間、後半は1時間20分程度と盛りだくさんで見ごたえ十分。前半は学芸会の雰囲気があることは否めないまでも、後半の出演者だけで十分なだけに、一夜だけというのが勿体ないぐらい。
会場には、ABTのプリンシパルで今回は振付をしたゴメスや、ABTのコールドのダンサーなどが来ていた。
会場には、ABTのプリンシパルで今回は振付をしたゴメスや、ABTのコールドのダンサーなどが来ていた。
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