アップステートNYにあるマイアナス川沿いの森林にトレイルに行ってみた。

今まで州立公園などのトレイルに良く行ったが、ここは州立公園ではなく、1953年に、アメリカ自然史博物館、NYボタニカルガーデン、エール大学、コネチカット大学らが古い森の成り立ちを保存すべく保護区としたもので、1964年に政府が自然歴史重要文化地区として初めて登録し、現在はNPO団体が管理している。
そのお陰で道しるべなども州立公園よりも非常に判り易くついており、往復5マイル(約8キロ)の道も全く迷うこともなく、トレイルとしては至って簡単。
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すでに8000年前(紀元前6000年頃)にこのマイアナス川が存在し、原始人がオハイオ川方面からシベリアタイガーやマンモスを追ってこの辺りにやって来た。後には、この川沿いの谷間の道を原住民であるインディアンが使っていたとか。1683年に、ヨーロッパから移民がやって来て、インディアンの土地を奪い、英国人が古代の森を一部一掃し農場を作ったと言う経緯があり、歴史の証人ともなっている森でもある。
しだの奥の石組は、植民地時代のなごり。
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木漏れ日はあるものの、空を見上げようにも、深い森が頭上を覆っている。
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現在は樹齢350年を越すカナダツガなどの針葉樹や、カエデなどの落葉樹があり、トレイルロードは整備されているが、ほかの部分は自然のままに森を残しているので、大木は自然と朽ちて倒れ、それに苔がむし、また下ばえが生え、しだ類も生えていく様子が良くわかる。
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片道4キロの終点はマイアナス川が注ぐ貯水池となっている。現在ははウェストチェスター群とフェアフィールド群の15万人の水瓶でもある。
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非常に静かな水面には、対岸の森や空が綺麗に映り込んでいて、水中から延びた枝の先には2種類のトンボがとまっていたが、その姿がまた水面に映っていた。
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古い森なので、樹木の背が高く、なかなか下ばえまで日光が届かないせいか、あまり草が生えているわけではないので、鹿などは居なさそうな様子。出会ったのは、シマリスや大きめのリスや鳥達ぐらい。飛ぶと羽の裏が綺麗な鳥が居て、我々の足音で逃げてしまったが、置き土産として羽が落ちていた。
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花なども全く咲いていないのだが、川沿いの日の当たる場所では、野イチゴが実をつけていた。
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途中には、以前水晶を採掘していた現場がある。水晶ではない何かはわからない鉱物が含まれた石や岩が多くあり、そこに至る道もキラキラ光っていた。
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植生が変化に富んでいるわけでもなく単調なので楽なはずのところ、川沿いで森が深く湿潤な上、蒸し暑い日に行ってしまったので結構疲れてしまったが、森そのものの成り立ちがわかったような気がして面白かった。