ペンシルヴェニア州の西方に、建築家のフランク・ロイド・ライト氏が設計した Falling Water 落水荘と名付けられた個人の私邸があり、現在一般公開されている。また、その近くには Kentuck Knob という同じく彼が設計した私邸もあり観ることが出来るので、両方を訪れるべく、一泊二日で出かけることにした。

マンハッタンから車で片道6時間半ほどかかる。1日目は移動のみとなり、すぐにホテルにチェックイン。
ホテルは落水荘から車で30分ほどの位置にある Historic Summit Inn Resort。1907年開業のリゾートホテルで、ゴルフコースやプールなども併設され、ヘンリー・フォード、トーマス・エジソンなども泊ったことがある。
近くの Ohiopyle 州立公園では、ハイキングやバイクライド、ラフティングなどが出来るので、落水荘に訪れるだけが目的でない家族づれも多かった。
行った7月初旬のNYは摂氏30度ほどあり暑かったのでその感覚でうっかり行ったところ、高地で最低気温は摂氏10度にまで下がり、薪のくべられた暖炉にはお世話になった。
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メインダイニングでディナーを。
★前菜
海老のグリルと、クラブケーキを。
海老のグリルはハワイ風とでも言った感じだったが、この登場には笑ってしまった。
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クラブケーキは期待していなかったが、蟹の身がゴロンゴロンとなかなか美味しい。
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★主菜
盛り合わせプレートと、サーモンのポットパイを。
プレートは、ステーキ、ズッキーニなど野菜のグリル、マッシュポテト、そして美味しかったクラブケーキ。
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サーモンのポットパイはチキンのポットパイのようとのことだったが、中央にある四角いものがパイ生地で、その上にポットパイの中身のサーモン入りホワイトソースがかかっている。発想の逆転のよう。この方が確かに食べやすいかも。しかし、量が多過ぎだった。
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この辺りはレストランがあるでもない田舎。老舗のリゾートホテルで、お料理なども奇をてらった工夫をしているんだろうが、クラブケーキを除けばいささか大味な田舎風と言ったところか。

翌朝の朝食は、ビュッフェ形式もなく、個々に注文をちゃんと聞いてくれるのが良かった。
スクランブルエッグとパンケーキ、ベーコンの盛り合わせと、エッグベネディクトを。美味しいが、やはり量が多い。
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落水荘
普段は1時間のガイドツアーがあるが、あらかじめ予約をしておくと、一般観光客の来る前の早朝の何組かのツアーだけ2時間のツアーがあるので、そちらに参加。

フランク・ロイド・ライト氏が、今はデパートのメーシーズになっているがその前身のデパートのオーナーだったカウフマン家の為に設計した夏の家。全体で5000エーカー(約2023ha)ある。
母屋は1936年に、ゲストハウスは1939年に完成した。
1930年代、ピッツバーグの鉄鋼業で財をなしたカウフマン家だが、その時代のピッツバーグは公害が酷く空はいつもどんよりと曇り、視覚的にも身体的にも自然を求めてピッツバーグから車で2時間ほどのこの地に家を建てることにした。

遠くから見るといかに自然の木々や川の上に家があるかがわかる。
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我々の行った時期は少し早かった為シャクナゲが咲き始めた程度だったが、シャクナゲが非常に多く、ライト氏はそのシャクナゲの葉の裏側の色をもとに、家の壁などを配色したとのこと。
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橋を渡って見学することに。
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まずは手前勝手口から入って、台所へ。1950年代から食洗機が備わっている。
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台所の窓からは、ラウンジから出られるテラスを見ることが出来る。テラスには、仏像の頭部のオブジェが置かれていた。
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その横には、非常に狭い小部屋が。そこに行くにも二人が行き違うことは出来ないほど。壁面は自然な岩をも取り入れられ、部屋の角に柱がなくガラスからの景色でより広がりが感じられた。
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一番広いラウンジへ。このラウンジのみ、床暖房がされているとのこと。1800スクウェアフィート(約167㎡)の広さあり、間接照明となっている。一階のラウンジのみ石油による床暖房が入る。
滑らかな肌色の壁とゴツゴツした岩、光と影など、コントラストを多様しており、調和が取れている harmonius compositon とガイドの Katie さんは言っていた。
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ラウンジ内にはハッチがあり、このラウンジのシンボルともなっているが、真下を流れる水を感じることが出来る。
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暖炉には、食事を温める赤いボールのような物があり、使わない時には反転させてはめこむよう壁の一部が丸くへこんでいる。
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ダイニングの椅子などはライト氏の選択ではなく、カウフマン家が選んだもので、3本足の椅子はイタリア製。
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その2に続く。