トロントと言えば、NYやロンドンに続いてミュージカルなどが良く上演されている街。ブロードウェイにかける前に試験的にトロントやアメリカの地方都市で公演することも多いと聞く。
せっかくだからと、NYのブロードウェイでやっていない「ダーティ・ダンシング Dirty Dancing」を観に行くことにした。
せっかくだからと、NYのブロードウェイでやっていない「ダーティ・ダンシング Dirty Dancing」を観に行くことにした。
NYでは、マチネ公演は子供連れが多くなる上、水曜マチネの場合にはダブルキャストの2番手が出て来ることが多いので、めったと行ったことがない。しかしトロント滞在の日程からすると水曜マチネしか観に行く機会がないので、そうこう言っておられずに行ってみたところ、うるさくするような年齢の子供はいないが、とにかくおばさまが多いのには驚いた。
曲調の1960年代を青春時代としていた世代か、あるいは1987年に公開された映画の時期に青春時代を迎えていたママさん世代が若い娘と一緒に来ていると言ったところか。
2004年にシドニーで初演され、ニュージーランド、そして2006年10月からはロンドン、ドイツはハンブルグで上演され、トロントで11月初旬までの期間限定で現在公演されており、9月末から12月までアメリカはシカゴで公演予定となっているとか。
1987年に公開された青春映画をもとにした作品で、1960年代のアメリカを舞台にしているので、開幕前には「舞台は1960年代なので、携帯電話はない時代だから鳴ることはないでしょう」と放送が入り、観客の携帯電話の電源を笑わせながら切らせていた。
曲調の1960年代を青春時代としていた世代か、あるいは1987年に公開された映画の時期に青春時代を迎えていたママさん世代が若い娘と一緒に来ていると言ったところか。
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2004年にシドニーで初演され、ニュージーランド、そして2006年10月からはロンドン、ドイツはハンブルグで上演され、トロントで11月初旬までの期間限定で現在公演されており、9月末から12月までアメリカはシカゴで公演予定となっているとか。
1987年に公開された青春映画をもとにした作品で、1960年代のアメリカを舞台にしているので、開幕前には「舞台は1960年代なので、携帯電話はない時代だから鳴ることはないでしょう」と放送が入り、観客の携帯電話の電源を笑わせながら切らせていた。
演出:James Powell
ベイビー Frances "Baby" Houseman : Ashley Leggat
ジョニー Johnny Castle : Jake Simons
ドクター・ジェイク・ハウスマン Dr. Jake Houseman : Al Sapienza
ヴィヴィアン(プレスマン夫人) Vivian Pressman : Adele Gigantes
シュマッカー氏 Mr. Schumacher : Eric Fink
リサ・ハウスマン Lisa Houseman : Natalie Krill
ペニー・ジョンソン Penny Johnson : Julie Hay
プレスマン氏 Moe Pressman : Kent Sheridan
ロビー Robbie Gould : Jeffrey Wetsch
ティト Tito Suarez : Rudy Webb
ビリー Billy Kostecki : Storm Newton
ハウスマン夫人 Marjorie Houseman : Victoria Adilman
シュマッカー夫人 Mrs. Aschumacher : Joyce Krenz
エリザベス Elizabeth : Melissa O'Neil
ベイビー Frances "Baby" Houseman : Ashley Leggat
ジョニー Johnny Castle : Jake Simons
ドクター・ジェイク・ハウスマン Dr. Jake Houseman : Al Sapienza
ヴィヴィアン(プレスマン夫人) Vivian Pressman : Adele Gigantes
シュマッカー氏 Mr. Schumacher : Eric Fink
リサ・ハウスマン Lisa Houseman : Natalie Krill
ペニー・ジョンソン Penny Johnson : Julie Hay
プレスマン氏 Moe Pressman : Kent Sheridan
ロビー Robbie Gould : Jeffrey Wetsch
ティト Tito Suarez : Rudy Webb
ビリー Billy Kostecki : Storm Newton
ハウスマン夫人 Marjorie Houseman : Victoria Adilman
シュマッカー夫人 Mrs. Aschumacher : Joyce Krenz
エリザベス Elizabeth : Melissa O'Neil
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主人公のベイビー役のアシュレー・レガットが見た目が映画で主演したジェニファー・グレイにとても似ていてビックリ。ジョニー役は、さすがにパトリック・スウェイズのようにはいかないが、二人の会話や動きは映画を十分に意識したものとなっていた。
全体を通して映画の焼き直しだが、舞台用に要所要所の伏線部分は誇張してある。ミュージカルの「レント RENT」の場合、舞台が最初にあってそれを後から映画にしたが、舞台そっくりに映画を作るとしつこ過ぎると製作者が言っていたが、今回はその逆のパターン。カメラのアングルなどによる効果がない舞台となると、なるほど誇張したり大袈裟にして初めて観客に伏線を示すことが出来るんだと納得。
映画では、1960年代のお金持ちのニューヨーカーがキャッツキルという避暑地にやってくる設定になっているので、従業員はラテン系や(少ないが)アフリカ系などの人も居るが、宿泊客は全て白人だったのに対し、今回の舞台では宿泊客側にもアフリカ系の人達が居た。今の舞台では、時代考証よりも、やはりそうした方が良いということなのだろうか。
映画では、1960年代のお金持ちのニューヨーカーがキャッツキルという避暑地にやってくる設定になっているので、従業員はラテン系や(少ないが)アフリカ系などの人も居るが、宿泊客は全て白人だったのに対し、今回の舞台では宿泊客側にもアフリカ系の人達が居た。今の舞台では、時代考証よりも、やはりそうした方が良いということなのだろうか。
後半になると映画では充分に説明されていなかった部分がより膨らませてあり良かった。
ベイビーの母親と父親との関係や、父親に治療を受けたお礼をペニーが母親にも言うシーンや、ジョニーに色目を使う中年夫人のヴィヴィアンはより若く綺麗で不仲の夫との結末があったり、バンドリーダーのティトがジョニーに今のままじゃ単なる普通レベルのダンサーだと彼の生き方に釘をさしたり、ベイビーの姉もより見た目も歌も上手かったり。
映画での父親役は人気テレビドラマの「Law and Order」に長く出演した故ジェリー・オーバックだったが、さすがに彼のような存在感はなかったが、致し方ないか。。。
ペニー役には、カナダ国立バレエのセカンドソリストのジュリー・ヘイを登用していて、流石にとてもダンスシーンは素晴らしいが、ほんの少し歌があってみたりセリフがあるのだが、そのセリフが普通の会話のペースで、舞台俳優達のはっきりとした発声ではない。が、これも致し方ないか。。。
映画通りの展開なので、場面場面の切り替えが多く、その度に忙しく回転舞台や扉、階段などを多様した他、バックにビデオも流しての工夫が見られるが、普通のミュージカルやお芝居に比べて細切れでバタバタしてしまった印象が。
ベイビーの母親と父親との関係や、父親に治療を受けたお礼をペニーが母親にも言うシーンや、ジョニーに色目を使う中年夫人のヴィヴィアンはより若く綺麗で不仲の夫との結末があったり、バンドリーダーのティトがジョニーに今のままじゃ単なる普通レベルのダンサーだと彼の生き方に釘をさしたり、ベイビーの姉もより見た目も歌も上手かったり。
映画での父親役は人気テレビドラマの「Law and Order」に長く出演した故ジェリー・オーバックだったが、さすがに彼のような存在感はなかったが、致し方ないか。。。
ペニー役には、カナダ国立バレエのセカンドソリストのジュリー・ヘイを登用していて、流石にとてもダンスシーンは素晴らしいが、ほんの少し歌があってみたりセリフがあるのだが、そのセリフが普通の会話のペースで、舞台俳優達のはっきりとした発声ではない。が、これも致し方ないか。。。
映画通りの展開なので、場面場面の切り替えが多く、その度に忙しく回転舞台や扉、階段などを多様した他、バックにビデオも流しての工夫が見られるが、普通のミュージカルやお芝居に比べて細切れでバタバタしてしまった印象が。
しかし、しかし、主役の二人が一切歌わない。全て普通のセリフかダンスシーンとなり、これはミュージカルだったっけ?と疑問に思うぐらい。前半など申し訳程度にアンサンブルの人が生歌を披露するだけで、後はサントラのように歌のついた音楽が流れるだけ。
最後に、映画の主題歌で、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の最優秀歌曲賞の「タイム・オブ・マイ・ライフ (I've Had) The Time of My Life」は、生でビリー役のストーム・ニュートンとエリザベス役で2005年のカナディアンアイドル優勝者であるメリッサ・オニールが歌ったのはとても良かった。
アンコールに応えたフィナーレではダンサー達がクルクル踊り、コーラスが歌い、主役二人や準主役は笑顔で手拍子。
主役二人のダンスも悪くないし、歌を担当した人達の歌も良い。笑うシーンもあれば男女の所属する階層の違いでの葛藤、父と娘の本音と建前の葛藤などがあり良いのだが、主役二人が歌わないだけに、その二人に良くからむ両親やペニーなども歌わない。となると、より出番の少ないアンサンブルの人がコーラス的に歌うだけとなってしまって、BGMを数曲生歌に変えたと言った印象なのが勿体ない。
非常に贅沢な要求なのかも知れないが、歌って踊って芝居も出来る男優と女優、、、というのはなかなか難しいものなのだろうか。
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主役二人のダンスも悪くないし、歌を担当した人達の歌も良い。笑うシーンもあれば男女の所属する階層の違いでの葛藤、父と娘の本音と建前の葛藤などがあり良いのだが、主役二人が歌わないだけに、その二人に良くからむ両親やペニーなども歌わない。となると、より出番の少ないアンサンブルの人がコーラス的に歌うだけとなってしまって、BGMを数曲生歌に変えたと言った印象なのが勿体ない。
非常に贅沢な要求なのかも知れないが、歌って踊って芝居も出来る男優と女優、、、というのはなかなか難しいものなのだろうか。
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