毎年恒例で、シティセンターで開催されるダンスフェスティバル。
10日間に28のカンパニーが1回もしくは2回公演を行うもので、全席10ドルという破格値。このチケットはお値段も非常に手頃で、世界各地のダンスカンパニーが観られることもあって、なかなかの争奪戦となる。
会期は17日~27日までで、まずは初日に行ってみた。これらの演目は2日目にも演じられる。

SHEN WEI DANCE ARTS
1
MAPS (excerpts)
振付:Shen Wei
音楽:Steve Reich
ダンサー:Reid Bartelme, Brooke Broussard, Cecily Campbell, Andrew Cowan, Dai Jian, Jenna Fakhoury, Jessica Harris, James Healey, Roche Janken, Logan Kruger, Amber Parker, Sara Procopio, Joan Wadopian, Jesse Zarritt
男女14名による群舞で、男性女性とも同じ動きをするが、一切リフトなどがなくお互いの接触はないダンス。柔軟な関節の動きなどを見せているが、ダンサー全員がスリムでも筋肉質でもなく中肉中背と言った感じなので、運動の出来るダンス好きの隣のお兄さん・お姉さんと言う印象だった。


PICHET KLUNFCHUN DANCE COMPANY
1
CHUI CHAI '''
振付:Pichet Klunchun
音楽:Sinnapa Sarasas
ダンサー:Warunya Janmee, Angkana Kasuwan, Kornkarn Rungsawang, Pannika Kangthan, Pattama Wattanapanich, Chayaporn Kosalwat, Pichet Klunchun
タイの民族舞踏団。
最初の数分は全く音楽もなく、静寂の中で非常にゆっくりと登場。途中歌詞付きの音楽も流れるが、全くの無音での動きの部分も多い。いかに携帯電話を切り忘れている人が多いか、それをまた「シーッ」と静止しようという声がうるさいかなど、長い静寂を保つことが得意でないアメリカ人の観客にとっては、彼ら自身が試されているかのようで可笑しかった。
女性ダンサー6名の、とりわけメインで踊っていた女性1名の指先の曲がり方が凄い。指の第二関節あたりが更に反るような形となっていて、足を動かす時も足の指先もぎゅっと上がっていて、手足の末端まで神経が行き渡って静かなゆったりした動きの中にも凛とした力みたいなものを感じる。
我々はラッキーなことにオーケストラ席の割と前列だったので良く観えたが、ホールの上階からでは、そのような細かい指先や足先までもが観えないだろうと思われたのが残念。


KEIGWIN + COMPANY
1
FIRE '''
振付:Larry Keigwin with the compnay
Flicker : 音楽 G.F.Handel, Aria Al lampo dell'armi
     ダンサー Jenn Freeman, Nicole Wolcott, Julian Barnett
Simmer : 音楽 Frederic Chopin, Nocturne in F Sharp OP 15/2
     ダンサー Jenn Freeman, Nicole Wolcott, Julian Barnett
Burn : 音楽 Willie Nelson, Crazy
     ダンサー Nicole Wolcott
Flame : 音楽 Humphrey, Platt, Roberson, Simmons, Walk it Out
     ダンサー Jenn Freeman, Nicole Wolcott, Julian Barnett
女性2名、男性1名による。
耳馴染んだ曲が多いこともあるが、コミカルな、かと言って完全な道化でもない2と3の線の間を行くような動きだったりで場内爆笑。
最後の曲に至っては、ヒップホップ系だったので会場のノリも最高潮となり、拍手喝采。
舞台袖から次の出番を待つカナダ国立バレエのメンバーも最初は余裕で彼ら3名の踊りを観ていたのが客席からちらっと見えたが、最後の拍手喝采には舞台袖から我々客席を驚いて見ていると言った感じだった。
友人いわく、陽気なアメリカ人受けする内容だったのではと。


THE NATIONAL BALLET OF CANADA
1
''SOLDIERS' MASS '
振付:Jiri Kylian
音楽:Bahuslav Martinu
ダンサー:
プリンシパル Zdenek Konvalina, Piotr Stanczyk, Aleksandar Antonijevic
プリンシパルキャラクター Kevin D. Bowles
ファーストソリスト Etienne Lavigne, Richard Landry, Keiichi Hirano
セカンドソリスト Jonathan Renna
コールド Brett van Sickle, Noah Long, James Leja, Christopher Stalzer
カナダ国立バレエの男性12名による軍隊をテーマにした群舞。
力強い男性達の動きでとても迫力があり、男性どうしのリフトなどもあった。ABTなどと違って総じて男性の背が大きく白人ばかりの中にあって、日本人の平野啓一氏が頑張っていた。
結構長い演目で全員が休みなく動くので汗ダク。本当にダンスはアスリート的な部分も必要だと感じさせる演目で見ごたえがあった。
前半の最初に演じたダンサー達が一般客に混ざって観ていたが、彼らの目にはどうこのバレエのプロ集団が映っただろうかと。