2004年に公開されたプロダクションのリバイバル。
タイトルロールのカリタ・マッティラが全裸になることで話題となった作品。1960年生まれの彼女は、当時ですら44歳、つまり今年は48歳。(画像HPより)
タイトルロールのカリタ・マッティラが全裸になることで話題となった作品。1960年生まれの彼女は、当時ですら44歳、つまり今年は48歳。(画像HPより)
![]() |
Based on Hedwig Lachmann's translation of Oscar Wilde's drama, adapted by the composer, Richard Strauss
指揮:Patrick Summers(メトデビューとなる Mikko Franck が予定されていたが病欠の為の代わりとして)
ナラボート Narraboth(テノール) ヘロデ王の衛兵隊長:Joseph Kaiser
ヘロディアス Herodias(メゾソプラノ)サロメの母:Ildiko Komlosi
ヨハナーン Jochanaan(バリトン)預言者ヨハネ:Juha Uusitalo
サロメ Salome(ソプラノ)王女:Karita Mattila
ヘロデ Herod(テノール)ユダヤの王、サロメの義父:Kim Begley
昨シーズンには マノン・レスコー の映像収録で、インターミッションにインタビューを受けた際に、身体の調整は怠らないと、得意の足の前後開脚をマノンの衣装のままカーテンの裏で見せていたが、同じような開脚を今回は舞台上にある井戸の上で行ったり、足を高々と上げたりしていた。
「7つのヴェールの踊り Dance of the Seven Veils」では全く歌はなく、10分もの長きに渡って、ポールダンスのような物まであるセクシーな踊りと共に7枚の衣服を順次脱いで行く。
確かに他のソプラノ歌手では見せるだけの肢体ではないのだろうが、イブニングドレスの背中の生地からは背中のお肉が少々はみ出ていたりと、本来サロメは17歳というのが疑われてしまうかも。
「7つのヴェールの踊り Dance of the Seven Veils」では全く歌はなく、10分もの長きに渡って、ポールダンスのような物まであるセクシーな踊りと共に7枚の衣服を順次脱いで行く。
確かに他のソプラノ歌手では見せるだけの肢体ではないのだろうが、イブニングドレスの背中の生地からは背中のお肉が少々はみ出ていたりと、本来サロメは17歳というのが疑われてしまうかも。
![]() |
2004年のことを当時の館長であるジョセフ・ヴォルピー氏の著書「史上最強のオペラ」でマッティラのことを以下のように記している。(抜粋)
もしメットの観客に、最近最も思い出に残った演技をしたのは誰かという投票を行ったら、一位は間違いなく「サロメ」で錯乱したタイトルロールを演じたカリタ・マッティラだろう。これほど大胆で激しい演技は他に見たことがない。(中略)
カリタに対する評論は、これまでのオペラの演技で見たことがないほどのベタ褒めだった。アメリカのメディアでは、裸になることは大した問題にはならなかった。しかし、フィンランドでは事情が違った。(注:カリタはフィンランド人)
カリタは苦悩した。「話題と言えば、私が服を脱ぐことばかりよ。家族も激怒しているの。」と彼女は言った。私は、テレビ用に「サロメ」を撮影した時は、さらに大きな問題になるだろうと覚悟していたが、カリタの度量の大きさを見抜いていなかった。
彼女が踊るシーンや、裸のシーンなど全てを撮影した。舞台裏で私が彼女に言った。「素晴らしい演技だったよ。ヌードの場面のことは心配しないでいいから。編集できるからね」カリタは「全裸を放送すればいいじゃない、理由もなく脱いだわけじゃないのよ!」私は言った「でもフィンランドの親戚のことは?」「フィンランドの親戚なんて関係ないわ!」と彼女は言った。
かつて太めで有名なデボラ・ヴォイトがサロメを演じた時には、7人のヴェールを着たダンサーが現れるという演出だったとか。他のソプラノ歌手がボディスーツのような物を下に着込んで遠目からは全裸に見えるような演出もあったらしい。かと思うと、今回のマッティラは全裸は3秒ほどですぐにローブを着て歌うが、他の演出ではその後の一曲をそのまま何も身につけずに歌ったものもあったとか。色々な演出があるんだろうが、ということは必ずしも全裸になる必要性はないんじゃないか、、、というのが私の素朴な疑問。
誰かが、「見たいのなら聴くな、聴きたいのなら見るな」と言っていたことを思い出しもしたが、マッティラの果敢な演技や顔をクシャクシャにしながらの歌は凄い。
古くから新約聖書で親しまれているサロメだが、この作品を1893年に作り上げたオスカー・ワイルドの戯曲は世紀末的退廃芸術とも言われ、1905年という時代にドレスデンでオペラとして上演されたことが凄いような気がする。
誰かが、「見たいのなら聴くな、聴きたいのなら見るな」と言っていたことを思い出しもしたが、マッティラの果敢な演技や顔をクシャクシャにしながらの歌は凄い。
古くから新約聖書で親しまれているサロメだが、この作品を1893年に作り上げたオスカー・ワイルドの戯曲は世紀末的退廃芸術とも言われ、1905年という時代にドレスデンでオペラとして上演されたことが凄いような気がする。
名誉の為に追記しておくと、偶然にも9月は ミュージカル ヘアー と ダニエル・ラドクリフのエクウス とこの演目の3つとも、役者が全裸になる物ばかり観に行ってしまったが、それはあくまでも偶然で私の趣味ということではない。
コメント