4日、5日と行われたNY市の350か所以上にものぼる建物や場所のオープンハウス。2日目は、あまりにベタな観光名所で今更なのだが、1913年築のグランドセントラルステーション(通称グラセン)に行ってみた。現在は、1998年に2億ドルをかけて改修工事を済ませた状態。
今回の特別ツアーでは、大きな窓枠の外側の通称キャットウオークに行けるのではないか?と思って申し込んだのだが、あいにく911以降は観光客にキャットウオークは公開していないとのことだった。
ヴァンダービルト氏が、スタッテン島とマンハッタンを結ぶフェリーを10セントの料金で就航させ(現在は無料)身を起こし、汽車事業を展開して鉄道王になりグラセンを造った。
外観は古典様式でボザール流。アーチ窓と大オーダーの上から、古代ローマの神々と国鳥の鷲の彫刻がシンボルとなり、鉄とガラスを多様した建築。
窓枠の丸い形は船の操舵を象徴し、中央の時計は直径60フィート(約18.3メートル)。
設計はワレン&ウェットモアで、ニューヨーク市公立図書館をもデザインしている。図書館の画像は
こちら
クリスマス時期は一番綺麗に飾られるのでその画像を:
北側には現メトライフ(旧パンナム)ビル。この夏にパークアヴェニューが歩行者天国になった時の画像(画像左)
東隣にはハイアット、そしてクライスラービルが続き、地下でもつながっている(画像右)
ヴァンダービルト氏の像は、パークアヴェニューがグラセンを廻り込むように走る南側正面に、皆を迎えるように立っている。
メインコンコースは38メートルのヴォールトを架けて広い。
待ち合わせ場所のメッカとなるこの中央の時計のオリジナルは現在ブルックリンにある。第二次世界大戦時から1998年の修復終了時まで、一切洗浄されていなかったので、天井や窓は真っ黒で、天井は全て人間の手でケミカルを用いて洗われたとのこと。
ホリデーシーズンともなると、一昨年からカレイドスコープ(万華鏡)のライトショーもこの天井や柱に映し出すなどのイベントもある。
床はテネシーから切り出された大理石で、その上を1日に約70万人の人が歩く。
ヴァンダービルトアヴェニューやレキシントンアヴェニューに抜ける東西の階段を上がって出る出入り口は、修復時までは開けていなかった。というのも、建設された当時のグラセンから東側は貧民窟で決して環境の良い場所ではなかった為。階段のデザインは、パリのオペラ座を模し、その8分の5の大きさ。
良く映画の撮影などにも使われているこの駅。登場した映画名を挙げたらキリがない。今春にはジュリア・ロバーツとクライブ・オーウェン主演の「DUPLICITY」と言う映画が、グラセン内外で撮影され、ホールでは巨大なライトまで照らされていた。(その様子は
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ヴァンダービルトホールは、本来は待ち合い所として活用され、ジャクリーン・ケネディ・オナシスのネームプレートが飾ってある。
現在は多目的スペースとなっていて、ポリスアカデミーの卒業式なども行われ、昨年はNYを題材にした映画についての展覧会をやっていたり(その様子は
こちら )、クリスマス時期には色々なショップが立ち並んだりしていた。
地下に通じるスロープの上には橋がかかり天井は吹き抜け。昔はファッションショーなどもこの豪華なシャンデリアの下、二階のバルコニーで行われていたとか。
39番と40番のホームは、当時の所謂セレブが利用したホームだったので、赤い絨毯が敷かれ、パパラッチがいた。一方、別れの場所でもあるので、キッシングルームとも呼ばれていたとか。
地下のオイスターバー界隈や、天上のドームを伝って柱の反対側にささやきが聞こえるという場所や、キャンベルアパートメント界隈なども廻ったが、一階にあるたまに私も買うワインショップは、なんとそこが昔は劇場だったと聞いて驚いた。
豪華な南側の入り口とは異なり、レキシントンアヴェニュー(東側)の出入り口は大きなビルの谷間にひっそりとあり、何気に愛嬌があるかと。
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