もともと昨年10月にマイアミでトライアウトとして公演され、8月19日からブロードウェイにかかったチャールズ・ディケンズの「二都物語」をもとにしたミュージカル。
7月末にあった、ブライアントパークでの無料ミュージカルダイジェストの時に聴いていたが、(その様子は こちら )まるで「レ・ミゼラブル」を髣髴とさせる印象。その時に配られた宣伝の紙にも、「レ・ミゼラブルのような心理描写、オペラ座の怪人のような神秘性、キャッツのようなカリスマ性」とあったが、確かに非常にレ・ミゼと雰囲気が似ていた。

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Based on the Novel by Charles Dickens
Book, Music and Lyrics by Jill Santoriello
アレグザンドル・マネット医師 Dr. Alexandre Manette : Gregg Edelman
ルーシー・マネット Lucie Manette : Brandi Burkhardt
チャールズ・ダーニー Charles Darnay : Aaron Lazar
シドニー・カートン Sydney Carton : James Barbour
ジェリー・クランチャー Jerry Cruncher : Craig Bennett
ジョン・バーサド John Barsad : Nick Wyman
エルネスト・デファルジ Ernest Defarge : Kevin Earley
デファルジ夫人 Madame Therese Defarge : Natalie Toro

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この画像はマイアミ公演時のもの

主人公のシドニー・カートン役の James Barbour はもともとマイアミ公演からのオリジナルメンバーだが、とても声が良い。

アレグザンドル・マネット医師は非常に情感豊かで良いのだが、前半彼のソロでファルセットボイスの聴かせどころの最後の音をややはずしていたのが気になった。
が、それ以外はいずれも実力がある人達が歌っているので、安心感がある。

同じくマイアミ公演からのデファルジ夫人を演じた Natalie Toro が役者としても歌い手としても貫禄。

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ルーシー役とチャールズ・ダーニー役はマイアミとは異なるが、チャールズ役の Aaron Lazar を観たことがあると思っていたところ、なんと彼はリバイバル時の レ・ミゼラブル で Enjolras を演じて非常に良いと感じていた人、その人だった。

ルーシー役の Brandi Burkhardt もその美貌に加え綺麗な高音が出ていたが、デュエットはあったが、ソロがわずか一曲というのは気の毒なぐらい。

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シドニー・カートンが、最後にギロチン台に23番目として上がる際に、22番の若い女性がギロチン台に行く前まで手を握っていてほしいというシーンがある。その女性の声が少し鼻声に感じたのだが、良く見ると本当に泣いていた。その様子を観て、隣に座っていたアメリカ人の若い女性も思わずもらい泣き。
その若い女優、これまた何処かで観たと思いきや、お昼にやっているロングランソープドラマの「The Bold and the Beautiful」にフィービー役として出ていた Mackenzie Mauzy だった。歌は非常に短くとても上手とまでは言えないが、役者だったかと。

「オペラ座の怪人」派か、「レ・ミゼラブル」派か、などと言われるが、私は完全にレ・ミゼ派なので、ついつい比較して観てしまっていた。
物語はビクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」もチャールズ・ディケンズの「二都物語」も、フランス革命前のイギリスとフランスが舞台となって酷似しているが、徐々に話が進むに従って、レ・ミゼとの比較も何処へやら、すっかり引き込まれていた。