またまたしつこく、ABTの公演へ。
この日もチケットを持っている人だけ公演前の30分のレクチャーに参加が出来たので、行ってみた。
パネラーは、かつてABTのダンサーで現在アントニー・チューダー・トラストのエグゼクティブディレクターの Sally Bliss とNYタイムズ誌のダンス書評のチーフであった Anna Kisselgoff という女性二人。
サリーはアントニー・チューダーの経歴などをグーグルで検索して来たと言いつつ説明。アンナはジャーナリストという立場からのコメントで語り口もシャープで2人の話っぷりも対照的。
アントニー・チューダーは、父は肉屋を営み、労働者階級の家に1908年のイギリスに生まれ、父はバイオリン少々、母はピアノをたしなむも、芸術的な家柄とは決して言えなかった。
あまり知られていないところでは、1931~38年の間に「Cross Garter'd」など18ものバレエを作っているが、最初、彼はグランフィナーレなども知らなかった。
ABTは、イギリスの振付家であるフレデリック・アシュトン(1904~1988)を招きたかったが来なかったので、チューダーに依頼。チューダーの振付は心理的な要素が強く、「Pillar of Fire」などは役柄の内面と外面との両方を現わさねばならず、当時非常に驚かれた。
メトロポリタンオペラバレエのディレクターでもあり、1951年に併設の学校も指導。1年間オペラバレエでは「ファウスト」「ラ・トラビアータ」「ドン・ジョバンニ」などの振付を担当し、学校はそれ以降も続けた。
「Echoing of Trumpets」などでは、たった一つの動きにも必ず意味があり、ダンサー自身の感情を入れることはありえないこととされたが、サリー曰く、彼はいつもネクタイ姿でいるにもかかわらずダンサーよりも上手く、ステップなどが非常に難しい為何度も何度も練習しなければならなかった。古典的なステップでありつつ腕の動きはノンアカデミックだったりしたが、全てに意味があり、時には振付中にチューダー自身が苦悩して鏡の前で頭を何度も揺するなどフラストレーションがたまっている様子を見せることもあったとか。
彼はまず音楽を先に見つけてきて、それから振付を創造していくタイプ。
エピソードとしては、未だジュリアードの学生だったピナ・バウシュを見つけるやその腕を取って彼がいきなりメンターになったことも。
サリーを初めてNYタイムズの書評に書いたのがアンナで、悪く書かれなくて良かったとサリーは言っていた。アンナからサリーに質問として、チューダーの振付で踊った後の感想を聞いたところ、サリーは上手く踊れなかったのではないかと思うと同時に、自分が empty(空っぽ)になると感じたと。アンナが spent(使い尽くした)という言葉を使ったところ、サリーはその言葉が良いわねと言っていた。
この日も、ABTの芸術監督のケヴィン・マッケンジーが聞きに来ていた。
パネラーは、かつてABTのダンサーで現在アントニー・チューダー・トラストのエグゼクティブディレクターの Sally Bliss とNYタイムズ誌のダンス書評のチーフであった Anna Kisselgoff という女性二人。
サリーはアントニー・チューダーの経歴などをグーグルで検索して来たと言いつつ説明。アンナはジャーナリストという立場からのコメントで語り口もシャープで2人の話っぷりも対照的。
アントニー・チューダーは、父は肉屋を営み、労働者階級の家に1908年のイギリスに生まれ、父はバイオリン少々、母はピアノをたしなむも、芸術的な家柄とは決して言えなかった。
あまり知られていないところでは、1931~38年の間に「Cross Garter'd」など18ものバレエを作っているが、最初、彼はグランフィナーレなども知らなかった。
ABTは、イギリスの振付家であるフレデリック・アシュトン(1904~1988)を招きたかったが来なかったので、チューダーに依頼。チューダーの振付は心理的な要素が強く、「Pillar of Fire」などは役柄の内面と外面との両方を現わさねばならず、当時非常に驚かれた。
メトロポリタンオペラバレエのディレクターでもあり、1951年に併設の学校も指導。1年間オペラバレエでは「ファウスト」「ラ・トラビアータ」「ドン・ジョバンニ」などの振付を担当し、学校はそれ以降も続けた。
「Echoing of Trumpets」などでは、たった一つの動きにも必ず意味があり、ダンサー自身の感情を入れることはありえないこととされたが、サリー曰く、彼はいつもネクタイ姿でいるにもかかわらずダンサーよりも上手く、ステップなどが非常に難しい為何度も何度も練習しなければならなかった。古典的なステップでありつつ腕の動きはノンアカデミックだったりしたが、全てに意味があり、時には振付中にチューダー自身が苦悩して鏡の前で頭を何度も揺するなどフラストレーションがたまっている様子を見せることもあったとか。
彼はまず音楽を先に見つけてきて、それから振付を創造していくタイプ。
エピソードとしては、未だジュリアードの学生だったピナ・バウシュを見つけるやその腕を取って彼がいきなりメンターになったことも。
サリーを初めてNYタイムズの書評に書いたのがアンナで、悪く書かれなくて良かったとサリーは言っていた。アンナからサリーに質問として、チューダーの振付で踊った後の感想を聞いたところ、サリーは上手く踊れなかったのではないかと思うと同時に、自分が empty(空っぽ)になると感じたと。アンナが spent(使い尽くした)という言葉を使ったところ、サリーはその言葉が良いわねと言っていた。
この日も、ABTの芸術監督のケヴィン・マッケンジーが聞きに来ていた。
COMPANY B

振付:Paul Taylor
歌:The Andrews Sisters
ガラと、24日の公演ですでに観たので、今回で3回目となった。
Marian Riccetto, Gillian Murphy, Misty Copeland, Simone Messmer, Elizabeth Mertz, Nicole Graniero, Mary Mills Thomas, Arron Scott, Craig Salstein, Herman Cornejo, Tobin Eason, Grant DeLong, Isaac Stappas
Bei Mir Bist du Schon : Full Cast
Pennsylvania Polka : Maria Riccetto, Tobin Eason
Tico-Tico : Arron Scott
Oh Johnny, Oh Jlhnny, Oh! : Craig Salstein with cast women
I Can Dream, Can't I? : Gillian Murphy
前日は交代となったマーフィ登場
Joseph! Joseph! : Elizabeth Mertz, Mary Mills Thomas, Nicole Graniero, Isaac Stappas, Tobin Eason, Craig Salstein
メアリー・ミルズ・トーマスが、一旦サルスティンの背中におぶわれるような態勢から、男性の横側につかまり、男性正面に動く際、失敗して最後までおぶわれたまま。
観客からはあれ?みたいな声が起こっていた。
Boogie Woogie Bugle Boy (of company B) : Herman Cornejo
Rum and Coca-Cola : Misty Copeland with cast men
There Will Never Be Another You : Simone Messmer and Grant DeLong
Bei Mir Bist du Schon : Full Cast
前日は交代となったマーフィ登場
Joseph! Joseph! : Elizabeth Mertz, Mary Mills Thomas, Nicole Graniero, Isaac Stappas, Tobin Eason, Craig Salstein
メアリー・ミルズ・トーマスが、一旦サルスティンの背中におぶわれるような態勢から、男性の横側につかまり、男性正面に動く際、失敗して最後までおぶわれたまま。
観客からはあれ?みたいな声が起こっていた。
Boogie Woogie Bugle Boy (of company B) : Herman Cornejo
Rum and Coca-Cola : Misty Copeland with cast men
There Will Never Be Another You : Simone Messmer and Grant DeLong
Bei Mir Bist du Schon : Full Cast
JARDIN AUX LILAS (Lilac Garden)

振付: Antony Tudor
音楽: Ernest Chausson
Caroline, the Bride-to-be : Julie Kent
Her Lover : Cory Stearns
The Man She Must Marry : Roman Zhurbin
An Episode in His Past : Kristi Boone ほか

BRIEF FLING

音楽: Michael Colombier
Tattoo Izabella Boylston, Sarah Lane, Jeffrey Golladay, Arron Scott, Luciana Paris, Patrick Ogle, Craig Salstein, Roman Zhurbin
County Gardens Paloma Herrera, Marcelo Gomes
Trio Luciana Paris, Patrick Ogle, Roman Zhurbin
Quartet Isabella Boylston, Sarah Lane, Jeffrey Golladay, Arron Scott
Country Gardens Variations Paloma Herrera, Marcelo Gomes with Gemma Bond, Nicole Graniero, Leann Underwood, Katherine Williams, Grant DeLong, Kenneth Easter Daniel Mantei, Sean Stewart
Suite Sarah Lane, Carlos Lopez, Leann Underwood, Katherine Williams, Grant DeLong, Daniel Mantei, Isabella Boylston, Arron Scott, Gemma Bond, Nicole Graniero, Kenneth Easter, Sean Stewart, Luciana Paris, Craig Salstein, Patrick Ogle, Roman Zhurbin, Paloma Herrera, Marcelo Gomes
Double Quartet Luciana Paris, Patrick Ogle, Craig Salstein, Roman Zhurbin, Isabella Boylston, Sarah Lane, Jeffrey Golladay, Arron Scott
Fugue Company
Gigue Company
Epilogue Paloma Herrera, Marcelo Gomes, Company
24日に演じられた「Comapany B」では、ガラやこの日に演じたミスティ・コープランドの代わりをルチアナ・パリスが努めていて、それほど違いはわからなかった。この演目を前日に観た時にアクロバティックなリフトをこなしていたミスティ・コープランドの代わりに今回もルチアナ・パリスだったが、いかにミスティ・コープランドの身体能力が高いかがわかった。
男性の両肩に立って、後ろ向きに別の男性の肩へと一歩ずつ下がる際、介添えのサルスティンの背が低いので支える手の位置が低かったこともあるがへっぴり腰のような下がり方で観ていてあぶなっかしいだけで全く綺麗ではない。
女性の肩と足を二人の男性が頭上に仰向けに持ち上げて、くるりとうつ伏せに反転させる時なども、コープランドの時は彼女の身体が一直線だったが、パリスはお腹がだらんと反った状態で今にも落ちそう。
前日の男性とメンバーが違ったので、リフトの良し悪しにもよるだろうが、難易度が高くなるとこうも違うものかと観比べられて面白かった。
ゴメスとヘレーラはやはり貫禄。前日の切れ味の良いコルネホとはまた違う雄大さをゴメスにみてとれた。

正式にHPにはプリンシパルに名を連ねたミラノスカラ座のロベルト・ボッレは一昨年の春シーズンにアレッサンドラ・フェリと共にABTで公演していたので、ボッレの靴はもう残っていないかとも聞いてみたが、来春まで待てと。担当のボランティアのオジサマと少し話してみると、シムキンやボッレ好きとは趣味が合うねと言ってくれた。
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