シャネルCHANELがアート・プロジェクトの一貫として行っているモバイルアート。
香港で今年2月27日から開催され、続いて東京では5月31日~7月4日まで代々木で開催され、その後NYにやって来た。
NYの会期は東京に比べると短く10月20日~11月9日で、初日には、カール・ラガーフェルドを始め、サラ・ジェシカ・パーカーや有名モデルなどがシャネルに身を包んでレッドカーペットに登場していた。
NYの後には、ロンドン、モスクワ、パリと巡る2年もの企画。

展示する作品のみならず、パビリオンごと世界各国を巡る企画となっており、移動式パビリオンはセントラルパーク内に建設された。
イラク出身の建築家であるザハ・ハディド Zaha Hadid さんによるもので、アーチ型のパビリオンは約300もの部品からなるとか。
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1 出入り口付近

これは関係者しか立ち入ることが出来ない建物だったが、ゆがんだ表面が回りの木々を面白く映し出していた。
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入館者全員にMP3で19ヶ国語以上用意された言語解説と音楽を聞きながら、展示された作品を順次巡っていき、ほぼ35分ほどのツアーとなる。
日本語は高齢の女性の声で怪しげな日本語。非常にかつぜつが悪く、直訳を読まされている老齢なネーティブスピーカーのよう。(ジャンヌ・モローの声もミキシングされていると言う噂もあるが疑わしい)

NYの展示内容はほぼ東京と同じだが、いささか異なる作品も。
まずは綺麗なオブジェと床のタイルが出迎えてくれた。(作品の画像はプレス関連HPより)
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束芋さんによる「at the bottom」は羽根をむしられた蝶などの胴体を思わせる映像が多数あり、それが動くなど、なかなかおどろおどろしく、蟻地獄を覗くようなイメージだった。
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奥はアラーキーこと荒木経惟氏の映像作品「Arakinema: Kaori and Painting Flowers」鎖で巻かれた全裸女性の映像で、アラーキーさんらしいがなかなか強烈。
手前のダンボール内に天井からビデオが映写されるのは、ロシアのブルー・ノージズ Blue Noses の「Fifty Years After Our Common Era, or Handbags' Revolt」という作品で、巨大なシャネルのバッグの上に太めの全裸の女性がうつ伏せで乗っていたり、全裸の男女がシャネルのバッグを投げたり受け取ったり。
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ヨーコ・オノさんによる、来場者が銘々お願い事を書いて木の枝につるす「WISH TREE」。色々な言語で願い事が書かれていた。
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日本ではこのウイッシュツリーの横の壁面にはピンク色の物が展示されていたようだが、こちらでは、黒いシャネルの鞄のキルティングを思わせる写真をあえて大きく平面的に貼ったようなものが展示されていた。
また、日本には豚の剥製などがあったそうだが、こちらではなく、代わりに他の作品が展示されていたもよう。

スイスのシルヴィ・フルーリさんの作品は巨大なシャネルのバッグ。しかし中で映し出される映像は、銃で発砲するなどショッキング。
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ほかにも、バッグ製作時の皮のさまざまな色や形のキルティングを合わせ、それがあたかも動物か何かの形を表現しているようで、そこでの音声解説は動物の匂いを感じ取れというもの。
皮革を使ったシャネルのバッグなので、なかなか挑戦的な内容かと。

最後には、葉書3枚と大きな分厚いパンフレットのお土産付き。中には東京の開催時の様子なども載っていた。
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全て無料と言うのはとても有難いが、あらかじめ入場者制限を行う為に事前予約が必要であっという間に予約がいっぱいとなり、キャンセルの人達の分だけ当日並んだ人が入場できるようになっており、係の人いわく平均1時間半待ちで、長い時には2時間を超えるとのこと。
大勢のスタッフが配され、非常に経費のかかったイベントと見て取れる。なるほど、シャネルのバッグや洋服が高価なわけだ。