その1 からの続き

ベリーズシティ内にあるスイング橋という小さな橋を渡って、中心部へ。橋から河口を望む。
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ベリーズシティ内には3つ信号があるだけで、中心部の道路は舗装されておらず、車が通るともうもうと砂煙。
市民の交通はバスで、アメリカ合衆国で使用されていたスクールバス。
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道端では、自家製の料理を売るオバサマなど。
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商店の中には、鉄格子で囲われたお店があったり、一般の食料品店はほとんど鉄格子がはめられ、小さな窓口から買うことになる。どこも商店主は中国系(その理由は後述↓)
一般市民が買う地元ビール一本(240ミリリットル大)で2ベリーズドル以上。つまり、1本1米ドル以上し、アメリカ合衆国でのビールの値段よりもはるかに高い。
ペットボトルの水(500ミリリットル大)でも50米セントほどし、全然いけていないスニーカーでも10米ドル以上。街の雰囲気とは裏腹に物価の高さには驚いた。(その理由は後述↓)
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ベリーズで一番古いセント・ジョンズ・カテドラル。イギリス様式で、レンガは全てイギリス本国から運ばれたとか。
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地元の食堂風の Macy's Cafe で早めの夕食を。
伝統的な料理は?と聞いたところ、チキンの煮込み料理とのことだったので、それと、レッドスナッパー(鯛)を。
チキンは柔らかく、鯛も小さいが二匹ついてきて、いける。いずれも揚げたプランテーン(バナナのような野菜)、キャベツのコールスロー、赤い豆の入ったライスがつく。
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ミリキンビールと、フレッシュライムジュース。テーブルには、ベリーズ料理には欠かせない(右から)ハバネロペッパーソースや、ホットケチャップ、中華系醤油、タマネギ・ニンジン・ハバネロの酢漬け。
ついうっかり、酢漬けのハバネロを食べたところ、上顎や喉が辛さを通り越えて痛かった。。。
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驚いたのは、その食堂の扉にその夜はバラク・オバマ氏が大統領に選ばれたことを祝ってのダンスパーティを開催するとの案内が。
この中米の小国でも市民レベルで喜んでいるということで、改めてオバマ氏の当選の意味や事の重大さを実感した。

ベリーズについてのこぼれ話
案内してくれた運転手さん達から教えてもらった。
1日目のメソティーソのリカルドさん、2日目のクレオールのウインストンさん、3日目にメソティーソのイスラエルさん情報:

ベリーズ全体で人口は約30万人、ベリーズシティに現在約8万人がいる。
人種はマヤ系とスパニッシュ系の混血のメソティーソが約60~65%、そして植民地時代の1700年代にマホガニー交易の為に英国からジャマイカ経由で奴隷として連れて来られた人達の末裔であるクレオール(アフリカン・ヨーロピアン)、カリブ海にアフリカから連れて来られそこから入って来たガリフナ(アフリカン・カリビアン)、少数だがインディアンとミックススパニッシュとが混血し肌は黒いが髪はまっすぐのクリー、そして純血のマヤ系先住民の順となるが、ベリーズシティにはアフリカン・ヨーロピアンが多い。
公用語は英語だが、メソティーソはスペイン語、クレオールはクレオール語など、それぞれ異なる。

アメリカ合衆国に非常に依存した経済状態で、植民地時代は為替レートを1米ドル=1ベリーズドルとしていたが、1981年の独立後は1米ドル=2ベリーズドルと固定されている。

独立前と後ではどう変わったか?との我々の質問に対して:
植民地時代 
・税金がなく、貧困層には未だ暮らしやすかった。
・学校の数が限られていた。
・ハイウェイがなかった。
独立後
・税金が非常に高く、貧困層に厳しい。
・学校やハイウェイは出来たが、7大財閥が全て国の中枢をになっており、財閥内での同族結婚。
 政治家(財務省など)、警察、軍、輸出入会社、電話、国産唯一のビール会社、電力会社、水道、船会社 etc.
 資源が乏しいので全てほとんどの食品、ありとあらゆるプラスチック、鉄などの製品も輸入に頼らざるを
 得ず、必ず何かしらで7大財閥が私服をこやす縮図が出来ている。
 工場がないので、スプーン一本、缶詰1個も全て輸入とのこと。
 乳牛や食肉牛などはベリーズ国内で供給できるにもかかわらず、チーズやミルクなどはスイスやオランダから
 輸入品が入って来ている。
・独立後、二院制の立憲君主国となり英国系白人の首相ばかりだったが、今年の2月に初めてアフリカ系の
 首相が誕生。
 ただし、いずれの党が政治をになってもいずれにも同族財閥が牛耳っているので政治は変わらない。
 18歳から参政権。
・反政府的な運動が起こったりはしないのか?との質問には、そういう人達は軍に送られるとのこと。
・独立後は経済的に困窮していたので、ベリーズのパスポートを売り、それにより中国本土や台湾から人が
 流入して来た。
 スーパーマーケットやレストラン、ゲストハウスなど中国人経営が増加しているが、中国人とベリーズ人との
 人種の交わりはほとんどなく、住むエリアなどもそれぞれで固まっている。
・あまりに高い税金の為に、外国からの企業の投資が少なく、開発が難しい。
・主要産業はツーリズム。
 南部はバナナやオレンジ、北部はサトウキビを栽培して輸出。バナナやレモンは日本やイギリスにも輸出。
・アメリカ合衆国に住んでいる(不法滞在も含め)ベリーズ人口の方がベリーズ在住のベリーズ人口よりも
 実は多く、アメリカ合衆国からの仕送りに頼っている。
 マクドナルドもケンタッキーフライドチキンもなく、SUBWAYサンドイッチが唯一。
・ホームレスが少ないように感じるが?との我々の質問には、人口がNYよりも格段に少ないからだろうと。