その1 からの続き

前半
Chichester Psalms
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振付:Peter Martins
音楽:Leonard Bernstein
指揮:Faycal Karoui
ゲストアーティスト:NY City Opera Chorus
ソロ:Jonathan Makepeace
ダンサー:Sara Mearns, Jared Angle ほか
まるで古代ギリシャの円形劇場のように、周囲にコーラスが立ち、手前の階段状の部分にダンサーが座っていて始まる。
コーラスはシティオペラの人達と言うが、男性が特に音程もオーケストラとも合っていなかったが、10歳ぐらいのボーイソプラノの少年のソロは良かった。
今年6月にプリンシパルに昇格したばかりのサラ・マーンズとベテランのジャレッド・アングルのペア。サラ・マーンズはいささかがっしり見えてしまった。

演目ひとつを披露してから、振付家の Peter Martins 氏が登場し、会場全員に起立をうながして、1億ドル(約100億円)の寄付をしたコーク夫妻に乾杯と拍手を送った。

Barber Violin Concerto, 2nd movement
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振付:Peter Martins
音楽:Samuel Barber (Concerto for Violin and Orchestra, Opus 14)
指揮:Faycal Karoui
ダンサー:Darci Kistler, Albert Evans
ベテランの二人なので、安心感があった。

Ives, Songs (excerpt)
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振付:Jerome Robbins
音楽:Charles Ives
ゲストアーティスト(バリトン):John Hancock
ピアニスト:Cameron Grant
ダンサー:
In Summer Fields - Rachel Rutherford(ソリスト), Philip Neal
There Is A Lane (from the "Incantation" ) - Wendy Whelan, Charles Askegard

The Unanswered Question (from Ivesiana)
振付:George Balanchine
音楽:Charles Ives
ゲスト指揮者:George Manahan (シティオペラ音楽監督)
ダンサー:Janie Taylor, Daniel Ulbricht ほか
白のレオタードのジャニー・テイラーが黒子のような黒装束の男性4人の上に立ったり介添えを受けながら、肌色のレオタードのダニエル・ウルブリヒトと踊る。
背中合わせに四方を向いた男性4人の手から手にテイラーが横になったままリフトされるなど、なかなか面白かった。

Calcium Light Night
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振付:Peter Martins
音楽:Charles Ives
ゲスト指揮者:George Manahan
ダンサー:Sterling Hyltin, Sean Suozzi(ソリスト)

後半
Jazz (Six Syncopated Movements) (excerpt)
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振付:Peter Martins
音楽:Wynton Marsalis
ゲストアーティスト:Juilliard Jazz Orchestra
指揮:Ted Nash
ダンサー:Maria Kowroski, Sebastien Marcovici
オーケストラピットに誰もいないと思いきや、舞台上にジュリアード・ジャズ・オーケストラがおり、ウイントン・マルサリスのジャズを軽快に演奏。
ジャズとクラシックバレエとはいささか不思議な取り合わせに感じた。

A Fool For You (excerpts)
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振付:Peter Martins
ゲストアーティスト:Juilliard Jazz Orchestra
指揮:Ted Nash
ダンサー:
Ain't That Love by Ray Charles -
Yvonne Borree, Ashley Bouder, Megan Fairchild, Amar Ramasar,
Jonathan Stafford, Andrew Veyette
Hit the Road Jack by Percy Mayfield -
Yvonne Borree, Abi Stafford, Amar Ramasar(ソリスト)
It Should've Been Me by Memphis Curtis -
Tiler Peck(ソリスト), Ana Sophia Scheller(ソリスト), Andrew Veyette, Tyler Angle(ソリスト),
Ask la Cour(ソリスト)
Rockhouse by Ray Charles -
Ashley Bouder, Megan Fairchild, Gonzalo Garcia, Jonathan Stafford
最初、舞台上のジュリアード・ジャズ・オーケストラの前に垂れ幕が下りてそこにレイ・チャールズの顔が映し出され、録音による音楽がかかるが後に生演奏となるという進行で、なかなか面白い。
アンドリュー・ヴェイェットが、ひとつの椅子を使ってのアクロバティックな動きや、ブレイクダンスを思わせるような頭を床につけて肩から上を立てて回る動きなどもあった。

Blossom Got Kissed (from Duke!)
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振付:Susan Stroman
音楽:Duke Ellington and Billy Strayhorn
ゲストアーティスト:Juilliard Jazz Orchestra
指揮:Ted Nash
ダンサー:Savannnah Lowery(ソリスト), Robert Fairchild(ソリスト)
一人だけチュチュをつけたバレリーナがジャズの音楽に合わせた軽快な動きをするダンサー達についていけないというコメディータッチ。最後にそのチュチュなどを脱ぎ捨てると、下にはほかのダンサー同様の衣装をまとっていたのには驚いた。

Who Cares? (excerpts)
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振付:George Balanchine
音楽:George Gershwin
指揮:Faycal Karoui
The Man I Love -
ゲストアーティスト:Lauren Flanigan(ソプラノ)
ピアニスト:Nancy McDill
Jenifer Ringer, Nilas Martins
I Got Rhythm -
ピアニスト:Elaine Chelton
Rebecca Krohn(ソリスト), Teresa Reichlen(ソリスト), Jenifer Ringer, Nilas Martins ほか
最初はピアノとソプラノだけの音楽で、後からオーケストラも加わる。ソプラノの女性の最後の高音がいささか下がったままでいまひとつ。

ソリストと明記したダンサー以外は皆プリンシパルという布陣。ABTと異なり、プリンシパルが24名も居るということもあるが。
オーケストラあり、バリトンやソプラノのソロ、ジャズ演奏あり、録音による昔の歌ありと、色々と趣向が凝らされ飽きさせることがなく、非常に面白い公演だったかと。