今回の旅行の大きな目的のひとつである氷河観光。
降水量と風の影響で、その植生が変わるらしく、荒野のような風景から徐々に木々が増えて来る。
エル・カラファテ El Calafate から、ロス・グラシアレス国立公園 Parque Nacional Los Glaciares にアクセスした。そこには47もの氷河があり、ユネスコの世界自然遺産にも登録されている。南極、グリーンランドに次ぐ氷河面積をほこりブエノスアイレス市の6倍の広さ。冬の最低気温が他に比べると未だ高いため氷の溶融と再氷結が短期間に行われることから、氷河の最先端部の崩落を観ることが出来る。
パタゴニアの荒涼とした地を行くこと車で約1時間半程度、徐々にペリト・モレノ氷河が観えて来た。
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ペリト・モレノ氷河
47ある氷河のうち13が有名だが、ペリト・モレノ氷河には車でアクセス出来ることから一番有名。一日に2メートルも動く氷河だが、その移動は前後することから位置は変わらない。
因みに、ウプサラ氷河は20年で6キロメートルも進んでいる。
モレノ港よりクルーズ船にて、リコ水道からペリト・モレノ氷河を観に行った。
ペリト・モレノ氷河は全長約35キロメートル、先端部の幅5キロメートル、高さ約60メートル、最も深い氷河部分で700メートル。
リコ水道からだと向かってその左側を観ることとなる。

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氷河はとにかく青い。話には聞いていたが、本当に青い。
その理由は、氷河は雪が大量に降り積もり、自らの重さで圧力がかかり、雪内部の気泡がほとんど抜けてしまい、純粋に透明度の高い水の部分が残る。そこに光が射すと、赤や黄色の波長の長い色は目には見えず、波長の短い青い色だけが残って反射される、とのこと。

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いかに大きいかは、氷河のほんの端をトレッキングしている人達のサイズを見れば良くわかるかと(画像右)

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氷河クルーズ船では、氷河を使ったオンザロックが売っていると某ガイドブックにあったので楽しみにしていたが、販売しておらず、偶然乗り合わせたブラジルからの観光客のオジサマが、ブラジルのラム酒とブラジルのカシューナッツを手にしており、飲まないか?とそのラム酒を飲ませてくれた。美味しかった。


展望台へ。
5つの展望スポットがあるが、最初の展望台からは、全長35キロのうち14キロが望める。この南側あたりで底から110メートルの高さがある。

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崩落はいつ何処で起きるかわからないが、我々が居た数時間の間だけでも何度も起き、音が凄い。パン!とまるでピストルか何かの発砲音のようなものもあれば、ドーン!という大きな低い音もあり、見た目にはほんのちょっと氷が落ちたように見えても大きな音がしている。
展望台の陸地にまで氷河は押し迫っており、上から盛り上がって丁度氷河が陸地との間にトンネルを作っているようになっているが、我々からは見えないトンネルの内側屋根部分の崩落が結構何度もあり、鈍い轟音と共にトンネル内の水が大きく揺れ動いてその規模を感じさせられたりもした。
それほど大きくはないが、崩落した瞬間。

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展望台から観た全景の様子:


いつまでもずっと観ていたい光景で、後ろ髪を引かれるような思いをしつつエル・カラファテに戻った。

続きは その2