東部時間の正午に、オバマ新大統領が誕生した。

すでに朝からテレビ各局でワシントンＤＣの興奮ぶりを、ＮＹ地元局ではマンハッタンのタイムズスクウェアやハーレムの様子を中継していた。

宣誓後にオバマ大統領の演説が始まった時は、テレビ放送をしている本屋さん（画像左）や、普段はガラガラでお客さんの入っているのを見たことがない投資信託会社のオフィスのテレビの前にも人だかり（画像右）。

そして、タイムズスクウェアでは、あちこちの巨大スクリーンから就任演説が報じられ、大勢の人達が集まっていたが、静かに聞き入っていたのが印象的だった。
地元局のＮＹ１などでは、ワシントンＤＣに見に行きたかったが、それはかなわなかったので、就任の瞬間を誰かと共有したいとわざわざ昨晩はマンハッタンのホテルに泊まりタイムズスクウェアにやってきたアフリカ系の女性のインタビューを流すなどしていた。
因みに、就任式のワシントンＤＣは終日零下だったが、２７０万人が詰めかけた。警察官８０００人、軍からは３万人が動員され、１３か所に検問、前日午後３時から一般車両の立ち入り禁止、会場に詰めかけた人達には一辺が２０センチ以上の物は持ち込めずベビーカーや傘も不可だったとのこと。

勿論、便乗商法もつきもの。
タイムズスクウェアでは、オバマ大統領や夫人などのバッジを売っていたり、パン屋さんではオバマ大統領クッキーが売っていたり。
レジ待ちをしつつ、思わず面白がってそのオバマクッキーの写真を撮っていた私に、先に並んでいた女性は一緒に面白がって「タイムリーなお菓子ね」と。「でもどうやって食べるべきか、頭から食べるべきかわからないね」と私が返すと、これまた爆笑して列の後ろの男性も交えてオバマクッキー談義となった。

お昼を超えてから、デパートのバーニーズＮＹ BARNEYS NEWYORK のウインドーでは、いきなり模様替えを始めていた。
今日のオバマ夫人の黄色いスーツがキューバ生まれのアメリカ人デザイナーであるイザベル・トレド Isabel Toledo がデザインした物だったこともあって、このウインドーのデザインとなったよう。
すでに、ＣＮＮでは、新しいファーストレディのファッションについて昼間からドレッシー過ぎないかどうか、二人のお嬢さんの青と赤の服は J.CREW の服だったなどと報道していた。

演説の内容は結構厳しいものだったようだが、オバマ支持派のアメリカ人の６０代の知人曰く、現在の経済問題や世界情勢へのアプローチの軌道修正には時間がかかるのが当たり前だが、あまりに彗星のごとく現れた彼なら何でも出来る、という民衆の期待が大き過ぎて、民衆が待ち続けることが出来るかが不安材料だ、また彼の出現はケネディ大統領を彷彿とさせ、ケネディ大統領の最期と同じ筋書きにならないかが不安であるとも言っていたのが印象的。
就任当日、４．１％もの株価の下落をみたが、果たして彼はスーパーマンになり得るのかどうか。
いずれにせよ、この閉塞感から何かが変わりそうな潮流を感じられることは嬉しい限りかと。