ハーレムにあるアポロ劇場は、もともと「Ed Hurting and Seaman's New Burlesque Theatre」と言い、バーレスクハウスとして1914年にオープンした劇場で、当時、黒人は出入り禁止だったとか。
1934年、ラルフ・クーパー・シニア氏がラジオ番組として「アマチュアナイトアワー」のライブを始めて以来、毎週行われているアポロ劇場でのアマチュアナイト。数組の素人が登場し、会場の観客の反応如何で勝ち残って行く方式。
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丁度この土曜日に アマチュアナイト75周年を祝うオープンハウス が行われ、偶然にも観に行くことが出来、その場で「mock amateur night 擬似アマチュアナイト」として会場から3名が舞台に立ち、拍手やブーイングで登場した人達を観客が評価して結構盛り上がったのだが、今回その本番に行ってみた。

しかし、まるで様相が違うのに驚いた。
オーケストラの最前列だけは関係者っぽいアフリカ系の人達が座ってはいたものの、その真後ろからは日本から来た若い観光客の団体が数列の席を占め、日本人対象のNYで募るハーレムツアーに参加した日本人グループも。そして、ほかの観客も白人がほとんど。所謂観光客ということが一目瞭然。
2階席などでも白人が非常に多く、アフリカ系の人達は非常に少ない。
オープンハウス時はほとんどがアフリカ系の人達で白人やアジア人はとても少数派だったのとは全く違う。
勿論、司会者が会場から数名を舞台に上げて盛り上げたり、面白いトーク、この日のフォーカスはジェームズ・ブラウンだったので1956年にこのアポロに登場した彼についての短いフィルムや物マネなどもあり、観客を引き込んで行くのも面白い。
審査員はすべてその場にいる観客で、気に入れば拍手、気に入らなければブーイングの評価をくだす。最初にすでに一度は以前のアマチュアナイトで勝ち残った2人を評価。そして、この夜初めて出演する人達が順次登場、ブーイングでパフォーマンス途中で退場を余儀なくされた人は2~3名で、6名が残り、この日唯一の白人女性の出演者でベースの弾き語りの人が1位に。
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席でもドリンク可能。カクテルがあるというので、マティーニをお願いしたが出来ないとのことだったので、Sex on the Beach を。演奏途中などに席を離れて買いに行っても構わない方式はラジオシティホールと同様。

内容は十分楽しめたのだが、黒人音楽の殿堂と思っていたのだが、あまりに観光客が占めていることにびっくり。アッシャー(席を案内してくれる人)に聞いてもいつも日本人団体客が多いとのこと。
地元の人達がほとんどのように思えたオープンハウスを体験しておいて良かったと思ってしまった。