カヴァレリア・ルスティカーナ CAVALLERIA RUSTICANA
by Pietro Mascagni
libretto by Giovanni Targioni-Tozzetti and Guido Menasci
指揮 : Pietro Rizzo
トゥリッドゥ(テノール)兵役から戻ると恋人のローラはアルフィオと結婚しているがローラと不倫、サントゥッツァと婚約中 Turiddu :Robert Alagna
サントゥッツァ(ソプラノ) 村娘でトゥリッドゥの婚約者 Santuzza :Waltraud Meier
ママ・ルチア(メゾソプラノ)トゥリッドゥの母 Mamma Lucia :Jane Bunnell
アルフィオ(バリトン)ローラの夫で馬車屋 Alfio :Alberto Mastromarino
ローラ(メゾソプラノ)アルフィオの妻でトゥリッドゥと不倫 Lola :Ginger Costa Jackson
アルフィオ役は本来チャールズ・テイラー Charles Taylor が演じるところ、後半の道化師(パリアッチ)に出演するアルベルト・マストロマリノ Alberto Mastromarino が代役になってかけ持つことに。彼は今回がメトデビュー。
ローラ役のジンジャー・コスタ・ジャクソン Ginger Costa Jackson の歌声が良く聞こえない。あまりにサントゥッツァ役のワルトルード・メイヤー Waltraud Meier の声量も情感もたっぷりな歌声とは対照的となり、ただ若くて綺麗なので、トゥリッドゥが軽薄にも見た目だけで惹かれてサントゥッツァを捨てたのでは?と思えるぐらい。
アラーニャ扮するトゥリッドゥにしつこく愛を告げるサントゥッツァを、アラーニャが邪険に捨てようとする二人の掛け合い時に、アラーニャは悲しそうな表情を浮かべつつ、一度は彼の方から彼女の手を握り締めていた。のちにすぐにその手を振りほどくが。
libretto by Giovanni Targioni-Tozzetti and Guido Menasci
指揮 : Pietro Rizzo
トゥリッドゥ(テノール)兵役から戻ると恋人のローラはアルフィオと結婚しているがローラと不倫、サントゥッツァと婚約中 Turiddu :Robert Alagna
サントゥッツァ(ソプラノ) 村娘でトゥリッドゥの婚約者 Santuzza :Waltraud Meier
ママ・ルチア(メゾソプラノ)トゥリッドゥの母 Mamma Lucia :Jane Bunnell
アルフィオ(バリトン)ローラの夫で馬車屋 Alfio :Alberto Mastromarino
ローラ(メゾソプラノ)アルフィオの妻でトゥリッドゥと不倫 Lola :Ginger Costa Jackson
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ローラ役のジンジャー・コスタ・ジャクソン Ginger Costa Jackson の歌声が良く聞こえない。あまりにサントゥッツァ役のワルトルード・メイヤー Waltraud Meier の声量も情感もたっぷりな歌声とは対照的となり、ただ若くて綺麗なので、トゥリッドゥが軽薄にも見た目だけで惹かれてサントゥッツァを捨てたのでは?と思えるぐらい。
アラーニャ扮するトゥリッドゥにしつこく愛を告げるサントゥッツァを、アラーニャが邪険に捨てようとする二人の掛け合い時に、アラーニャは悲しそうな表情を浮かべつつ、一度は彼の方から彼女の手を握り締めていた。のちにすぐにその手を振りほどくが。
道化師 パリアッチ PAGLIACCI
by Ruggero Leoncavallo (libretto by him)
指揮 : Pietro Rizzo
トニオ(劇中ではタッデーオ)道化役者(バリトン) Tonio :Alberto Mastromarino
カニオ(パリアッチョ)旅回り一座の座長でネッダの夫(テノール) Canio :Roberto Alagna
ベッペ(アルレッキーノ)色男役者(テノール) Beppe :Tony Stevenson
ネッダ(コロンビーナ)女優でカニオの妻(ソプラノ) Nedda :Nuccia Focile
シルヴィオ 村の青年(バリトン) Silvio :Christopher Maltman
以前にも書いたが、このオペラを観たいと思った最初の動機は、映画「アンタッチャブル」を観て。この映画でロバート・デ・ニーロ扮するアル・カポネが、この「道化師」の「衣装をつけろ」を歌う場面をオペラハウスで観ていて、感動のあまりおいおいと泣くシーンがあり、その最中に部下が彼の命令通りショーン・コネリー扮するジム・マローンを殺害したと報告をすると、カポネの泣き顔がいきなりニヤリと笑い顔に変わる場面がある。舞台のオペラ歌手の複雑な表情とは全く逆のその表情と曲が、頭から離れなかった。
今期のメトでも、「衣装をつけろ」のアリアが聴きたくて、わざわざこの演目が入ったサブスクライブ(いくつかの演目をあらかじめセットで買う先行予約方法)をしたぐらいだったが、、、
あまりに有名な曲だけに、何度もパバロッティやドミンゴが歌っているのを何かしらで耳馴染んでいた為か、アラーニャは確かに同じ音程と歌詞を歌ってはいるのだが、歌手が違うとこうも違うのかと驚かされた。歌の解釈の違いからなのか、自分の声質では先人達のようにはいかないので、歌い方を変えたのか。
アラーニャファンも多いと聞くので、あくまでも私個人の印象に過ぎないのだが、一緒に行った宿六も私も家に帰りついたとたん「あの歌は一体何だったのか?」と、すぐに Youtube でパバロッティやドミンゴの歌を聴き直してようやく口直しならぬ耳直しをしてしまった。
アラーニャの歌っている表情は泣き声に近い悲しみを表現しつつ、ふと怖い復讐を臭わせる表情になるなど、良かったと思うのだが、メトのフランコ・ゼフィレッリ演出のこの演目はずっと変更されていないこともあって、パバロッティやドミンゴのメトでの舞台と比較がしやすく、両者は歌の途中や終わってからなど、苦悶の表情を浮かべつつ顔に道化師の化粧をすべく白塗りを自ら施しており、2006年シーズンのリチトラですらそうしているが、アラーニャは全く化粧は自分ではしていなかった点も異なっていた。
指揮 : Pietro Rizzo
トニオ(劇中ではタッデーオ)道化役者(バリトン) Tonio :Alberto Mastromarino
カニオ(パリアッチョ)旅回り一座の座長でネッダの夫(テノール) Canio :Roberto Alagna
ベッペ(アルレッキーノ)色男役者(テノール) Beppe :Tony Stevenson
ネッダ(コロンビーナ)女優でカニオの妻(ソプラノ) Nedda :Nuccia Focile
シルヴィオ 村の青年(バリトン) Silvio :Christopher Maltman
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今期のメトでも、「衣装をつけろ」のアリアが聴きたくて、わざわざこの演目が入ったサブスクライブ(いくつかの演目をあらかじめセットで買う先行予約方法)をしたぐらいだったが、、、
あまりに有名な曲だけに、何度もパバロッティやドミンゴが歌っているのを何かしらで耳馴染んでいた為か、アラーニャは確かに同じ音程と歌詞を歌ってはいるのだが、歌手が違うとこうも違うのかと驚かされた。歌の解釈の違いからなのか、自分の声質では先人達のようにはいかないので、歌い方を変えたのか。
アラーニャファンも多いと聞くので、あくまでも私個人の印象に過ぎないのだが、一緒に行った宿六も私も家に帰りついたとたん「あの歌は一体何だったのか?」と、すぐに Youtube でパバロッティやドミンゴの歌を聴き直してようやく口直しならぬ耳直しをしてしまった。
アラーニャの歌っている表情は泣き声に近い悲しみを表現しつつ、ふと怖い復讐を臭わせる表情になるなど、良かったと思うのだが、メトのフランコ・ゼフィレッリ演出のこの演目はずっと変更されていないこともあって、パバロッティやドミンゴのメトでの舞台と比較がしやすく、両者は歌の途中や終わってからなど、苦悶の表情を浮かべつつ顔に道化師の化粧をすべく白塗りを自ら施しており、2006年シーズンのリチトラですらそうしているが、アラーニャは全く化粧は自分ではしていなかった点も異なっていた。
ネッダ役のヌチア・フォチレ Nuccia Focile は、中低音が全く聞こえず。ネッダに気があるトニオ役のアルベルト・マストロマリノが彼女に迫るシーンで、彼女が猛獣使いが持つような長い鞭を持って彼を追い払おうとする場面で、高く振り上げた鞭の先が洗濯物などを干す?為の紐にひっかかり、会場からも、あー!という声があがっていた。歌い続けながらも慌ててそれをはずして、鞭を使ったもともとの振りが出来たのは良かったが。
シルヴィオ役のクリストファー・マルトマン Christopher Maltman や、アラーニャ同様ダブルヘッダーとなったアルベルト・マストロマリノのバリトン勢が良いように思えた。
シルヴィオ役のクリストファー・マルトマン Christopher Maltman や、アラーニャ同様ダブルヘッダーとなったアルベルト・マストロマリノのバリトン勢が良いように思えた。
すでにこの演目を観に行っていた友人二人が、私が未だ観ていないというと「アラーニャがねぇ」と言った後は口を閉ざしてしまった意味がわかったような気がした。
以前に友人が偶然メトの外を歩いていたアラーニャと遭遇。握手をしてもらったそうだが、その際には手にキスをしてくれるなど、もともとその容姿でも多くの女性ファンを持つ人なだけに、普段も色男ぶりを発揮していたそうなので、声質はもとより本人のキャラからも、やはりカヴァレリア・ルスティカーナのトゥリッドゥの方が似合っているのかも。
全くの余談だが、前半のカヴァレリア・ルスティカーナでは白馬とロバが登場、後半のパリアッチでも馬が一頭登場するが、前半の白馬ではなく白地に黒のぶちの馬。馬の出演料もお安くはなさそうなので、経費節減と言っている昨今のメト、わざわざ別の馬を出さなくても、、、などと老婆心。
受け売りの備忘録
ヴェリズモオペラなどについては、wikipedia抜粋の こちら を。
カヴァレリア・ルスティカーナ
イタリアの楽譜出版社であるソンツオーニョ社が、ライバル会社を意識してオペラの1幕ものを公募し懸賞をつけ、1889年の2回目の大会でマスカーニのこの作品が受賞した。彼がわずか26歳の時のこと。しかし、その後のマスカーニは、オペラを作れどこの作品を超える作品は生み出せず。
イタリアの楽譜出版社であるソンツオーニョ社が、ライバル会社を意識してオペラの1幕ものを公募し懸賞をつけ、1889年の2回目の大会でマスカーニのこの作品が受賞した。彼がわずか26歳の時のこと。しかし、その後のマスカーニは、オペラを作れどこの作品を超える作品は生み出せず。
この作品の原作には後編が実はあった。サントゥッツァはトゥリッドゥと結婚はしていないものの、すでに彼の息子を生んでおり、その息子が後日、ローラの娘と恋愛関係に。トゥリッドゥと浮気をして娘を身ごもったローラは、アルフィオとの子供としてその娘を育てていたが、娘に実の父はアルフィオではなくトゥリッドゥだから、彼の息子とは結婚してはならないと真実を告げる。しかしその告白を聞いていたアルフィオは怒りのあまりローラを刺そうとするものの、反対にローラが自分の夫であるアルフィオをトゥリッドゥの仇として殺し、追って彼女も自害するのだそう。
道化師 パリアッチ
上記カヴァレリア・ルスティカーナが成功したことで、レオンカヴァレッロも5か月という短い期間でこのオペラを書きあげて懸賞に応募。しかし2幕のこの作品は、1幕ものとの懸賞の規定から、選ばれなかった。
しかし、出版社の目にとまり初演され成功することになった。
上記カヴァレリア・ルスティカーナが成功したことで、レオンカヴァレッロも5か月という短い期間でこのオペラを書きあげて懸賞に応募。しかし2幕のこの作品は、1幕ものとの懸賞の規定から、選ばれなかった。
しかし、出版社の目にとまり初演され成功することになった。
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