原案ジェローム・ロビンス、脚本アーサー・ローレンツ、音楽レナード・バーンスタイン、歌詞スティーヴン・ソンドハイムとして、1957年に初めてブロードウェイで演じられたミュージカルで、後に映画にもなったが、その作品が今年になってリバイバル公演を始めた。
話題に昇ったのとは逆にプレビュー時に無料券が出たりもしたが、オープンして間もないこともあって、なかなかの人気となっているので行ってみた。
今回の公演ではよりプエルトリコ系移民グループを現実に近づける為、未だ91歳で健在のもともとの脚本家のアーサー・ローレンツ氏が、本来の英語の歌詞やセリフの一部を英語からスペイン語にした。スペイン語で話されていたプエルトリコ系グループ内の会話を、作られた当時の1957年には英語にせざるを得ず、スペイン語訛りの英語を話させただけでも革新的な作品だったが、ローレンツ氏はそれは本当の彼らの姿ではなく白人側から見た偏見によると批判も受けていたとか。今回スペイン語を多様することで、ようやくローレンツ氏がやりたかったことが今回実現したとのこと。そのスペイン語版の翻訳には、イン・ザ・ハイツ IN THE HEIGHTS の生みの親であるリン=マニュエル・ミランダが参加したという。
しかしそのスペイン語の多様については、賛否両論。「シカゴトリビューン」誌は良い意味でとてもインパクトがあったと評し、「NYタイムス」はスペイン語の一部分は成功したと書き、「ニュースデイ」や「ウオールストリートジャーナル」はスペイン語のわからない観客にとっては感情移入が出来ないとスペイン語の多様を酷評。
私としては、英語が全てわかるわけではないので、スペイン語であってもわからないことに変わりはなく、スペイン語を使うことで雰囲気がより伝わって良いのではないかと感じた。というか、話されている言語を完璧にわからない外国人の立場に初めて置かれてしまったアメリカ人の観客としては、スペイン語の会話に字幕がつくわけでもなく、不快感を感じたと言ったところかも。へそ曲がりの私としては、外国人の苦労がわかったか!とでも負け惜しみのように言いたい気分になってみたり(苦笑)
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今回の公演ではよりプエルトリコ系移民グループを現実に近づける為、未だ91歳で健在のもともとの脚本家のアーサー・ローレンツ氏が、本来の英語の歌詞やセリフの一部を英語からスペイン語にした。スペイン語で話されていたプエルトリコ系グループ内の会話を、作られた当時の1957年には英語にせざるを得ず、スペイン語訛りの英語を話させただけでも革新的な作品だったが、ローレンツ氏はそれは本当の彼らの姿ではなく白人側から見た偏見によると批判も受けていたとか。今回スペイン語を多様することで、ようやくローレンツ氏がやりたかったことが今回実現したとのこと。そのスペイン語版の翻訳には、イン・ザ・ハイツ IN THE HEIGHTS の生みの親であるリン=マニュエル・ミランダが参加したという。
しかしそのスペイン語の多様については、賛否両論。「シカゴトリビューン」誌は良い意味でとてもインパクトがあったと評し、「NYタイムス」はスペイン語の一部分は成功したと書き、「ニュースデイ」や「ウオールストリートジャーナル」はスペイン語のわからない観客にとっては感情移入が出来ないとスペイン語の多様を酷評。
私としては、英語が全てわかるわけではないので、スペイン語であってもわからないことに変わりはなく、スペイン語を使うことで雰囲気がより伝わって良いのではないかと感じた。というか、話されている言語を完璧にわからない外国人の立場に初めて置かれてしまったアメリカ人の観客としては、スペイン語の会話に字幕がつくわけでもなく、不快感を感じたと言ったところかも。へそ曲がりの私としては、外国人の苦労がわかったか!とでも負け惜しみのように言いたい気分になってみたり(苦笑)
(以下画像はHPより)
今回のマリア役は、本来の Josefina Scaglione ではなく、スタンバイでブロードウェイデビューを果たした Haley Carlucci だった。高音も良く出ていてなかなか良いとは思うのだが、もともとの Josefina Scaglione がこの為にアルゼンチンのオペラ界からやって来たと聞けば、彼女の歌声が聴きたかったかと。(画像では花束を持って投げキスをしようとしている右側の女性)
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アニータ役は「イン・ザ・ハイツ」のオリジナルメンバーである Karen Olivo で、なかなかの存在感だったが、低音がやや厳しい部分があったかも。(画像では花束を持っている左側の女性)
映画を観るなどしてどの曲も耳馴染んでいることもあって、一幕目は1時間20分程度と長いのだが、その長さを感じさせられなかった。
1幕目6場の "Cool" では、画像のように激しく踊ったりしつつ歌っており、なかなか凄い。
ただ、日程の都合から、最悪かと思える水曜マチネにわかってはいたが行ってしまったこともあるが、やはり高校生などが非常に多く、私語のみならず四六時中お菓子の袋を開けたり飴の包みをガサゴソといじったりと非常にうるさく、周りから「シーッ」と注意は受けるものの変わらない。引率の先生が2名も居たのにも驚いたが、2幕目には劇場のアッシャー(席などを案内してくれる人)が引率の先生を注意しに行く始末。
面白いなと思ったのは、一幕目7場にマリアとトニーが恋に落ちて二人で静かにデュエットする "One Hand, One Heart" を歌うシーンでは、かつての映画ファンと思われる50~60歳代の客層は聞き惚れているのに反し、その高校生達はキスシーンがあると声があがったり、静かな曲などムードのある部分では照れもあってかちゃかすようにしゃべったり笑ったりの反応。
私の席の隣の夫婦も、何処か地方から来て劇場は映画館しか知らないのか、楽しんでいるようではあるが、歌っている最中でもまるでテレビを観ている時に感想を言い合っているような普通の声で話していて劇場のマナーというものを全く把握していない。
今回の観客層は今まででも最悪と言った状況だったが、それでも楽しめたのは、ひとえにこの素晴らしい楽曲やダンスなど、これぞミュージカルと言った様相の演目だからかと、改めて感じた次第。
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ただ、日程の都合から、最悪かと思える水曜マチネにわかってはいたが行ってしまったこともあるが、やはり高校生などが非常に多く、私語のみならず四六時中お菓子の袋を開けたり飴の包みをガサゴソといじったりと非常にうるさく、周りから「シーッ」と注意は受けるものの変わらない。引率の先生が2名も居たのにも驚いたが、2幕目には劇場のアッシャー(席などを案内してくれる人)が引率の先生を注意しに行く始末。
面白いなと思ったのは、一幕目7場にマリアとトニーが恋に落ちて二人で静かにデュエットする "One Hand, One Heart" を歌うシーンでは、かつての映画ファンと思われる50~60歳代の客層は聞き惚れているのに反し、その高校生達はキスシーンがあると声があがったり、静かな曲などムードのある部分では照れもあってかちゃかすようにしゃべったり笑ったりの反応。
私の席の隣の夫婦も、何処か地方から来て劇場は映画館しか知らないのか、楽しんでいるようではあるが、歌っている最中でもまるでテレビを観ている時に感想を言い合っているような普通の声で話していて劇場のマナーというものを全く把握していない。
今回の観客層は今まででも最悪と言った状況だったが、それでも楽しめたのは、ひとえにこの素晴らしい楽曲やダンスなど、これぞミュージカルと言った様相の演目だからかと、改めて感じた次第。
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