刈谷市の小堤西池 という所に、国指定となった天然記念物のカキツバタの群落があるので観に行ってみた。
カキツバタは今月中旬が見頃とのことだったので、終盤に近い状態だったが、ボランティアの方々が色々と説明して下さった。
約1200年前からこの場所に自生しているこのカキツバタのエリアは20300平米(ほぼ名古屋ドーム一個分の大きさ)で、その東側にはその約2倍の丘陵がある。40年ほど前に32名の丘陵の地主が会社に売却する話が出たが、その丘陵を売却してビルを建てることはこのカキツバタの群生地の生態系を崩すことになるとのことで待ったがかかり、結局、国・県・刈谷市がそれぞれ1億円ずつを出し合って買収し保護することとなった。
このカキツバタの群生地は、当時からのそのままを保持するようにし、ボランティアの人達がカキツバタの自生を妨害するヨシやアンぺライ(井草?)を抜いて守っておられる。
人工的に、より多くの水を引くなどすれば、もっと多くのカキツバタが咲くであろうが、雑草を抜く以外はあくまでも人の手を加えないように自然のまま、昔のままにしておられるとのこと。
カキツバタの花が綺麗な期間はだいたい3日程度で、一本に2輪、多くて3輪の花がつく。
人工的に作った植物園ではないのでそのままで、行った時にはほとんどが淡い紫色だったが一株だけ赤紫色の物があったり(画像右)、突然変異から生まれた四英の花の物が咲いていた(画像左)。四英の物は昨年と同じ所に咲いていたので、おそらく株がそのような遺伝子になっているんだろうと。ほかにも二つだけの物もあったりするとのこと。
カキツバタ、アヤメ、ショウブとあるが、その見分け方について教えてもらった。
カキツバタとアヤメはほぼ同じ5月頃(厳密にはカキツバタは5月中旬から下旬、アヤメは5月じゅう)に咲くが、ショウブは6月が最盛期。そしてカキツバタは湿地や浅い水辺に咲き、アヤメは乾いた土地に咲く。ショウブは乾いた土地でも湿地のいずれでも大丈夫だそう。
咲く時期が同じカキツバタとアヤメの見分け方として、咲く前には華道などでも指導されるようにそれぞれの葉で区別するが、咲いてからの一番の違いは、大きな花弁の外花被の中央に線のように白い模様があるのがカキツバタで、その白い部分がより丸みを帯びて大きなものがアヤメとのこと。
(詳しくは、
wikipedia のアヤメ項 を)
テントウムシがカキツバタの葉を行き来していたり、群生地そばには、黄色いキショウブも咲いていたり。
近くには同じくカキツバタで有名な
知立市の無量寿寺 があるので寄ってみたが、残念ながらもう花は終わりかけだったが、人工的に植えられ手入れされたカキツバタの色は統一されており、小堤西池の自生のカキツバタとはまた違うもののように見えた。
花より団子ということで、ここでは知立名物のあん巻きと言われる和菓子を。小豆あんもあったが、白あんを頂いた。
道端には、アヤメ(?と思われる)が植わっていて、濃い紫、淡い紫、青が丁度綺麗で、白はこれから咲くところだった。
その後、未だ時期としてはやや早いがそばなのでショウブで有名な
知立市の知立神社 に寄ってみたところ、「青柳」と言われる種類(画像左)や「蛍舟」と言われる種類(画像右)などがもうすでに咲いていた。
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