パロ観光の続き。

西岡チョルテン
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日本人の西岡京治さんという方が、JICAから派遣され28年間ブータンで農業振興に努められ、1992年にブータンで亡くなられたのだそう。
不勉強にも我々はガイドブックを読むまでは全くこの方の存在を知らなかったのだが、我々日本人が彼のことを知らなかったことにブータン人が驚くぐらい、ブータン人には親しみのある日本人だったそう。彼の功績を讃え、ダショーという爵位が与えられ、亡くなってからは彼の偉業を記念してチョルテンが建立された。チョルテンの横には、そのチョルテンの守をする人が住んでおり、生活費用は政府がみているとのこと。
建物を造ってもらっただけでも凄いと思ったが、わざわざずっとチョルテン管理者を横に住まわせ続けているというのには驚いた。

チョルテンからはなかなか良い景色が望めた。
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夕食はレストラン Red Rice で。
ビール、スジェと共に。あっさりしたかき玉汁のようなスープ。
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キノコのシャンテレルのチーズ炒め(手前中央)が非常に美味しかった。餃子のヒュンデには、チーズの青菜が入っていた。デザートはリンゴを生クリームで和えたもの。
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夜のパロは、ライトアップされている。
メインストリート、国立博物館のタゾン。
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パロゾン。
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パロから東のブムタンまでを往復したが、田舎に行こうが都会だろうが、伝統的な家屋のデザインは法律で決められており、統一感があって良い。
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通常は天上裏とは別に2階建てで、豪華だと3階建てぐらいになり、その壁には色々な吉祥が描かれていることが多い。
が、一方、チベット仏教には歓喜仏の信仰や、豊穣を願う信仰もあり、民家の壁や玄関などにポーと言われる物があったり描かれていたりする。(画像はクリックすると大きくなります。)ヒンズー教のリンガ信仰や日本でも例えば奈良の飛鳥坐神社に見られるようなもののよう。
お祭りの時の天狗に似たアツァラも手に持っていた。
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この日教えてもらった諸々

貧しい家の子供が仏門に入ってお寺が面倒を見る場合もあるが、勿論孤児院もある。第4代王妃が基金を作り、教育を無料で行っている。

チベットでは、今でも鳥葬をしているが、ブータンでも20世紀前半までは土葬や鳥葬をしていた。ティンプーではターキンの放牧地のずっと上の山で鳥葬をしていたが、今は火葬をして灰は川に流している。
一説には、鳥葬の鳥が今では飛来して来ないこともあるとか。

パロでは、日本のジャポニカ米も栽培している。

パロ国際空港。
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1974年の開国から、国際線に当初は30人乗り程度の小さな飛行機が就航していたが、2004年から3機種目の大きな物となり、バンコク便は毎日、インドのカルカッタとネパールのカトマンズには週に2便が運航。山間にある滑走路なので、離発着のほとんどは風の穏やかな午前中で、夕方に一便程度。夏季のモンスーン時期には、フライトキャンセルになることもあるが、今まで一度も事故はなし。
東ブータンのトラシガンに国内2つ目の飛行場を造るよう計画されているところ。

国際空港のあるパロの人口は約4万人程度。しかし、殺人事件云々は今まであまり聞いたことがなく、失恋から自殺した人が相当前にあったぐらい、というぐらいの治安の良さ。

一般商店は通常朝8時半か9時~夜10時までオープン。10時以降の営業は法律で禁止されており、警察が閉店したかどうか10時以降にチェックしに来る。
水曜・土曜は午後7時~翌1時までディスコなどの営業は可。けんかなどが発生する場合に備え、この2日間は警察が厳重に警戒をする。

飲酒率は男性が9割、女性が6割ぐらいか。喫煙は法律で全面禁止だが、インドから煙草が密輸されて来る場合がある。外国人旅行者に関しては、持ち込みのタバコに200%の関税をかけるがホテルの部屋内のみ喫煙可能。ブータン人の喫煙が見つかった場合、罰金だけでなく、収監される。

GNH(Gross National Happiness)という言葉は、第4代国王が1976年に発表し掲げた。
文化の保護、環境保護、政府、経済の4つの観点から、国別にランキングがされているが、ブータンは8位。因みに日本は先進国で最下位の90位。
国民の8割が農業従事者でのブータンでは、経済の部分が弱いので、農民達は4つのうちの1つが「経済」という定義には落胆したとも聞くが。
今後の取組みとしては、無料医療制度や無料の教育の必要性や、西ブータンの方が東ブータンよりも裕福という格差問題など。