今年で27回を迎える名古屋クラシックフェスティバル。クラシック音楽やオペラやバレエなど7つの公演が含まれているのだが、そのうちのひとつであるロシアのマリインスキー・バレエ(=キーロフ・バレエ)の「眠れる森の美女」を観に行った。
1 2

イメージ 1
音楽:チャイコフスキー
振付 : マリウス・プティパ
改訂振付 : コンスタンチン・セルゲーエフ
指揮 : ボリス・グルージン
演奏 : ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
オーロラ : ディアナ・ヴィシニョーワ
デジレ王子 : イーゴリ・コールプ
リラの精 : エカテリーナ・コンダウーロワ


ヴィシニョーワの全幕物には本当に縁がなかった。
彼女とウラジミール・マラーホフ共演のABT2007年春公演の「マノン」のチケットを取ったら、マラーホフがアメリカに来なかった為に彼女も降板。
そのシーズンは小作品の THE DREAM を観たに過ぎず。
2008年2月の彼女の BEAUTY IN MOTION は彼女の為の舞台だったが、コンテンポラリーな物の3作品。
そして、ABT2008年春シーズンでははりきって彼女の「白鳥の湖」や「ドン・キホーテ」のチケットを取ったが、怪我の為に降板し、ことごとくニーナ・アナニアシヴィリが彼女の代役を務めていた。ヴィシニョーワの代わりにニーナ・アナニアシヴィリが観られることはラッキーではあったが、オープニングのガラでの瀕死の白鳥(その様子は こちらこちら)と、客席で彼女を見かけただけだったので、久しぶりに踊っている姿を、そして初めて全幕ものに出演する彼女を観ることが出来たのは良かった。
プロローグ後の1幕目に4人の求婚者達がかわるがわる彼女の手を取り、彼女がバランスを見せる場面では、全く男性の手の介添えなど不要なほど、バランスが取れて揺れることがなく、拍手喝采。
1幕目にピルエットをみせてポーズを取る時に一度だけぴたっと静止することが出来ず、少し動いてしまったが、それ以外ではいつでもぴたっ、ぱちっとポーズが決まり、指先まで神経が行き届いていて、とても良かった。

イーゴリー・コールプは、昨年4月のマリインスキーの NY公演で観て以来。その時はコンテンポラリーなもので、今日のリラの精を務めたエカテリーナ・コンダウーロワ等と出演していた。
彼は、NHKでも放送されていたが、草刈民代さんの引退公演時に相手役を務めた人で、片手でのリフトなども全くバランスを崩すことがなく良かった。

リラの精のエカテリーナ・コンダウーロワは最近になってファーストソリストに昇格したとのことだが、今回の日本ツアーでは神奈川で公演される「白鳥の湖」の主役に抜擢されている。大柄で迫力があり、踊りは丁寧な印象でとても綺麗だった。

マリインスキーと言えば、ロパートキナやサラファーノフも挙げられる。
昨年4月のNY公演で ロパートキナの瀕死の白鳥やサラファーノフのエチュードを観たが、彼らは東京などの公演には出演するが、名古屋での公演は今日の1日だけで彼らは出ず。またまた東京との格差を実感。。。

ABTでの公演時には、プロローグ、1幕、2幕と3幕の連続という構成で休憩が2度だけだったが、今回の公演では2幕と3幕の間にも休憩が入ったので休憩が合計3回。2幕と3幕を合わせると1時間半ほどになるので長過ぎる為だろうが、3回ものインターミッションはいささか多過ぎて、プツプツ途切れ感が否めない。

ひとつ非常に残念だったのは演奏。
正直言って誰が演奏しているのか幕が開くまで注意を払っていなかったのだが、その音ときたら。。。
ABTのオーケストラも、メトロポリタンオペラのオーケストラに比べれば酷いと良く言われていたが、その比ではなかった。
先週観たキエフ・バレエはちゃんと自国のウクライナ国立歌劇場管弦楽団を連れて来ていたが、今回は日本人の管弦楽団。舞台の完成度の高さから比べてもダンサーに気の毒な状況が多々あったかと。

余談だが、開演よりも2時間半前ぐらいに劇場界隈を通ったところ、劇場やオアシス21の建物をバックに、片足を180度顔の横まで挙げたポーズで写真を撮っている若いロシア人っぽい男性ダンサー達を偶然見かけた。おそらくマリインスキーの団員と思われるが、何だか微笑ましかった。


その他の出演者:
国王 : ウラジミール・ポノマリョーフ
王妃 : エレーナ・バジェーノワ
求婚者達 : コンスタンチン・ズヴェレフ、マクシム・ジュージン、アレクセイ・チモフェーエフ、デニス・フィルソーフ
優しさの精 : マリーヤ・シリンキナ
元気の精 : アンナ・ラヴリネンコ
鷹揚さの精 : エレーナ・ユシコーフスカヤ
勇気の精 : ヤナ・セーリナ
呑気の精 : ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク
ダイヤモンドの精 : アナスターシャ・ペツシュコヴァ
サファイアの精 : ヤナ・セーリナ
金の精 : アンナ・ラヴリネンコ
銀の精 : エリザヴェータ・チェプラソワ
悪の精カラボス : イスロム・バイムラードフ
ガリフロン(デジレ王子の家庭教師) : ソスラン・クラーエフ
家来 : アナトーリー・マルチェンコ
フロリナ王女 : マリーヤ・シリンキナ
青い鳥 : マクシム・ジュージン
白い猫 : ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク
長靴をはいた猫 : フョードル・ムラショーフ
赤頭巾 : エレーナ・ユシコーフスカヤ
狼 : アナトーリー・マルチェンコ
子供達 : バレエ シャンブルウエスト