「日本三大稲荷」というと、京都の伏見稲荷神社は必須でも、後の2つには色々と諸説あるのだそう。
その一説に、京都の伏見稲荷神社、愛知の豊川稲荷神社、岐阜の千代保稲荷神社があるそうなので、千代保稲荷神社へ行ってみた。豊川稲荷の様子は
こちら
不勉強にもこの神社の名前すら知らなかったのだが、1月最初の週末に岐阜へ行く際に出くわした物凄い車の渋滞の原因がこの神社だったことから興味を持った次第。
通称おちょぼさんとも呼ばれているこの神社は、室町時代の文明年間に祀られた。
商売繁盛や家内安全の神様として知られているが、特にお正月の三が日と月末月始の月並祭などに混雑するとのことだったが、昨日は31日で日曜が重なっていたことから、大型バスなどが乗りつけるなど大勢の人達で賑わっていたのには驚いた。
月末の夜から翌日の月始めにかけて夜通しお参りするのが良いそうで、近くの道路標識にも、月の末日19時~翌日8時までという但し書きが書かれているぐらい。
お供えには、稲藁で結んだ油揚げと蝋燭が使われる。1セットで30円。蝋燭を献灯した後は自宅に持って帰っても良いことになっており、稲藁で結んだ油揚げはお賽銭と共に投げ込まれていた。
狐の好物が油揚げだからと思っていたが、この神社のパンフレットによると、実はお供えの油揚げとお狐さんとは関係がなく、「稲荷のナリとは、物や生命を生み出す神」のことで、農業や商売繁盛に関係し、油揚げにはたんぱく質や脂質が含まれていて身体に良いという理由からなのだとか。
本殿の横には「重軽石(おもかるいし)」と言う石が2つ。石をまず両手で持ってみてから、願い事が叶うなら軽く、あるいは重く上がって下さいと念じて、再び石を持ち上げてその重さで願い事がかなうかどうかを占うのだとか。
すぐそばには、
温故集成館 と言う千代保稲荷神社が収蔵している作品を展示している小さな小さな美術館がある。橋本関雪の絵画や北大路魯山人の茶器、中国などの古陶器などが展示されていた。(画像は海津市HPより)
参道には、約110軒ものお店が立ち並び、商売繁盛を願うクマデを売っているお店が多い。
名物は鰻やナマズ料理やモロコの甘露煮や鮒味噌と言われるものなど川魚料理、草餅、串カツと土手煮やお漬物など。神社の参道とは言え、地元で採れた野菜などを多く売っていて、ローカル色が強い庶民派と言ったイメージ。
土手煮は人気のようでどのお店にも多くの人が年齢や性別に関係なく立ち食いしている。勝手がわからない我々も土手煮と串カツを食べてみた。串カツは好みで土手煮のタレに自分でどぼっと浸けて食べるようで、恐る恐る先だけ浸けてみたら、隣で食べていたおばちゃんにもっとしっかり浸けるようにと教えてもらった。いずれも1本80円。食べた串は目の前に置き、その数で最後に会計をする。
大勢お参りをする人達、そして我々にとって珍しい食べ物を参道で見てはつまんだりするのは、勿論規模や雰囲気など諸々が異なるが、ミャンマーのゴールデンロックに行った時を思い出した。
帰りには、モロコの甘露煮を買った。モロコと言えば琵琶湖のものが有名だが、最後にほろっと苦味も残る佃煮は美味しかった。
大周屋 海津市平田町三郷1833 0584-66-2172
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