2泊3日で東京に行くことにした。
友人とのランチを青山ですることにしたが、いつもブログでお世話になっている NAOさん が行かれていたのが記憶にあったので、ランチの前にちょっと寄ってみようと根津美術館へ足を伸ばしてみた。

根津美術館は、東武鉄道の社長などを務めた実業家・初代根津嘉一郎(1860~1940)が蒐集した日本・東洋の古美術品コレクションを保存し、展示するためにつくられ昭和16年にオープンした美術館。戦災などにも遭っているが、昭和29年には再建され、平成18年からは3年半をかけて新たにリニューアルされたのだそう。現在6874件もの所蔵品があるが、国宝7件、重要文化財87件、重要美術品96件が含まれている。

そして今回の会期のメインは尾形光琳の「国宝 燕子花図屏風」。
尾形光琳は、「伊勢物語」第9段の東下り、燕子花の名所である八橋で詠じられた在原業平の和歌を題材にしたそうだが、おりしも1週間前にそのまさしく八橋の無量寿寺でそのカキツバタを観たところだったので、興味があった。(八橋の無量寿寺の様子は こちらイメージ 4
国宝 燕子花(かきつばた)図屏風 尾形光琳筆 江戸時代18世紀
尾形光琳は京都の高級呉服商に生まれ俵屋宗達に私淑していた。一部に型紙が反復して使われるなど意匠性があるそうだが、やはり圧巻だった。今回は4年ぶりの公開となった。

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重要美術品 桜下蹴鞠(おうかけまり)図屏風 桃山時代17世紀
右側に蹴鞠を楽しむ公卿や僧侶、左に彼らを待つ従者。画面右上に水平に邸の縁を配したうえで、桜の幹と人物が上下方向の運動感を生んでいる右隻と、垣根の斜線や水際の曲線で画面を大胆に画し、下辺に静的な人物を集めた左隻。巧妙に図られた構図の対照がみごとで、俵屋宗達の工房制作と考えられ、燕子花図屏風にも影響を与えたとのこと。(画像および解説はHPより抜粋)

そう言えば、燕子花を同じくモチーフにした尾形光琳の「八橋図屏風」は、NYのメトロポリタン美術館にもあった。3回ほどメトロポリタン美術館の日本コレクションのセクションに観に行ったが、いずれも貸し出し中だったり、鈴木其一(すずききいつ)の朝顔図屏風だったりと、結局お目にかかれずじまいだったが、ようやく日本で今回お目にかかれた次第。イメージ 6
八橋とカキツバタをモチーフにしたメトロポリタン美術館のものも、在原業平の歌のエピソードなどがあるだけに、日本で観たかったかも。。。画像は参考までにメトロポリタン美術館収蔵のもの。

他にも「誰が袖図屏風」などがあり、私としてはその斬新で色鮮やかな着物と、それらの配置がとても興味深かった。

根津美術館は収蔵品も凄いが、青山にあってその広大な庭園も素晴らしい。広さ2万平米に、茶室が4つもあり、そこが都心だということを忘れさせてくれる空間となっている。イメージ 8

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弘仁亭(こうにんてい)の前にはカキツバタも見頃は終わってはいたが、咲いていた。
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閑中庵(かんちゅうあん)は新緑に包まれていた。

庭園のカキツバタと尾形光琳のものとを思わず見比べたくて、再度館内の図屏風を観に戻ってしまった。
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平日の朝10時ぐらいに行ったところ、それでもチケットを購入するのに少し列になったが、観終わった11時半頃には、すでに美術館入口から建物の外のアプローチ、そして交差点の歩道までも入場希望者の列となっていた。会期が週末で終わるということもあったのだろうが、それにしても人の多さにはビックリだった。因みに、この会期中では8万人を動員したのだそう。