愛知の工作機械の会社であるヤマザキマザックが、この4月に新栄にオープンさせた美術館に行ってみた。
本社5階・4階が美術館となっており、5階にフランス絵画、4階にガラス作品や家具などが展示されている。

イメージ 1
5階
イメージ 7
ピエール・ボナール

「バラ色のローブを着た女」1918年
後にボナール夫人となるマルトを描いたもので、
コレクションの第一号になったのだそう。



イメージ 17







ジャン・アントワーヌ・ヴァトー
「夏の木陰」1712~1717年頃
雅びな男女が庭園で娯楽や恋愛を楽しむ場面を描いた雅宴画(フェート・ギャラント fete galante)という分野を作った画家で、中央の二人は大衆演劇の衣装を来ている。
左にはアモルと言われるキューピッドが配され、光と衣装の質感が特徴。

イメージ 18フラゴナール
「キューピットのささやき」1776~1777年
フラゴナールは、ロココ芸術の最後を飾った画家。
女流詩人のサフォーが天からやってきたキューピットに啓示を受ける瞬間を描いたもの。

イメージ 19











ウジェーヌ・ドラクロワ

「シビュラと黄金の小枝」1838年
後にローマを建国するトロイア王子のアエネイアスが、
冥界の父親に会う為にシビュラのお告げを聞きに
行った時のシビュラを描いたもの。ロマン主義。

イメージ 20





フランソワ・ブーシェ

「アウロラとケファロス」
1745年頃
左の男女が女神アウロラとケファロスで、その左からキューピットが押し上げて愛を成就させようとしているローマの神話を描いている。右側にはニンフ。
上品で感応的な絵は、王侯貴族や上流社会から好まれたもので、ロココの代表作。







イメージ 21ギュスターヴ・クールベ
「波、夕暮れにうねる海」1869年
アトリエの中で描くのが当たり前だった時代に、
外に出て描きだした社会的写実主義。
浮世絵の影響を受けているという見方もあるが、
パレットナイフを使った波の表現からはそうとは
思えないとのこと。

イメージ 22クロード・モネ
「アムステルダムの港」1874年
絵の具を混ぜると色が濁ってしまうので、純粋な色をそのままキャンバスにのせて観る側に色を想像させる色彩分割の技法をモネとルノワールが始めた。印象派。
イメージ 23


アメディオ・モディリアーニ
「ポール・アレクサンドル博士の肖像」1909年
モディリアーニを支援していた医師を描いたもので、
後ろにかかっている絵は、以前に彼が購入した
モディリアーニの「ユダヤの女」。初期の画風。

イメージ 2











シャイム・スーチン

「ふしのある木」1920~21年
リトアニア人のスーチンはユダヤ系で、同じくユダヤ人で貧しかったモディリアーニと親交が深かった。

イメージ 3




マルク・シャガール
「サン・ジャネの村、夜」1967年


イメージ 4













パブロ・ピカソ

「マタドール」1970年





4階
イメージ 5




ポール・アレクサンドル・デュマ
「ダイニングルームセット」1902年頃
1900年パリ万博に家具・書棚・暖炉のある
リビングルームなどを出品したデザイナーのデュマ作。
ななかまどの幹や実をあちこちに配している。




イメージ 6







ジャック・グリュベール

「食器棚」1904年頃
それまで教会でしか使われなかったステンドグラスを家具に取り入れた。ヤブガラシはエッチングによるもので、ガラス部分と木製部分とにあしらわれている。
イメージ 8











イメージ 9

ルイ・マジョレル
「飾り棚」1904~05年
自然とアール・ヌーボーを取り入れた。
象嵌による装飾家具で、扉の文様は
水を現している。


イメージ 10エミール・ガレ
「蜻蛉のテーブル」 1897年考案モデル
テーブルの足がトンボになっていて、天板にはカーネーションがデザインされた象嵌。

イメージ 11エミール・ガレ 「菫文花器」1889年
パリ万博への出品作。紫と透明のガラスを重ねている。
「謙譲はスミレの美徳 Ta modestie est une ame de violette, Rollinat」
という詩人の言葉が刻まれており、工芸作品から芸術作品へと転換させた。
エミール・ガレ
「ペン皿 緑色の善良な小市民」1900年
ジャポニズムの影響を受けている。裏側に、「緑色の善良な小市民
Le bon petit peuple vert Rollinat」と刻まれている。
イメージ 12













イメージ 13

イメージ 14
エミール・ガレ
「松文花器」1902~1904年


イメージ 15
エミール・ガレ

「海藻文花器」1900~1904年
晩年のガレの流動的な作風が良く現れている。
海に興味を持ち、ボードレールの詩からインスピレーションを受けたとされている。

イメージ 16











ドーム

「葡萄文花器」1920年頃
アールヌーボーとアールデコの2つの時代の
特徴を併せ持った作品。
ガレ個人によるガレ社の後、複数の
製作者によるドーム社が台頭した。



こじんまりしているが、混んでいないこともあってゆったりと鑑賞できた。
無料でイアフォンガイドが使えるのも良かった。