春に沖縄に来た時に首里城の中の鎖之間(さすのま)で食べた伝統菓子のお茶菓子セットは(その様子は こちら)、ここのお店のものと聞いたので買いに行ったのだがあいにくの定休日。すぐそばの 新垣菓子店 はオープンしていたので、そちらでチンスコウなどを買った。
今回は是非、新垣カミ菓子店で買いたいと行ってみた。
 
イメージ 1くんぺん(薫餅)
琉球王朝内でよく食されていたお菓子で冊封史の歓待料理や祭祀に用いられており、中国皇帝に献上品として納められていた。卵黄と小麦をこね合せた生地に胡麻餡を包んで扁平な円形に焼いたお菓子。琉球国王の位牌をまつる殿に使われていたことから、現在では冠婚葬祭等の儀式によく使われる。
トレーに入れられたくんぺんを見ていると、おばさん?おばあ?が食べてみろと。思わずええっ?と躊躇していると、「いいさぁー」と試食するよう促してくれた。
 
イメージ 2花ボール
琉球王朝内の日用茶菓子。鶏卵と砂糖と小麦粉をこね合わせた生地を手のひら大の長方形にし、ひとつひとつ切り込みを入れ、いくつかの小さな花模様をつくり焼き上げる。
丁度、それを作っておられるところだったので、見て行きなさいと入れてくださった。
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そして焼きたての花ぼうるをまた試食するようにと。
もう食べられないと言うと、持ち帰り用にと包んで下さった。
卵の味がしっかりしていて素朴だが美味しい。



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ちんすこう(金楚[食羔])
言わずと知れた沖縄土産の代表格。砂糖、ナチュラルショートニング、小麦粉をこね合わして木型にて抜き取り、焼き上げたもの。昔は丸い花型だったが、戦後に食べやすい今の形になった。
ここのちんすこうが今まで食べた中では一番美味しかった。
 


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ちぃるんこう(鶏卵[食羔])
琉球王朝内でも高位の人にしか口にできなかったもので、当時貴重だった卵黄をふんだんに使う格調高いお菓子。 油を一切使用しない生地を型に流しこみ、赤く染めた落花生や桔餅(きっぱん:みかんの皮の砂糖漬け)を表面に飾り付け蒸しあげた唐風蒸し菓子。
スライスしてさっと焼いても良いが、最近の人はこれにバターを塗って食べたりもするよ、とのこと。
確かにこのままだとやや硬い甘めの蒸しパンと言ったところなので、温めてバターを塗った方が良いかと。
 
 

約200年前の琉球王朝時代に、王府の包丁役(料理方)を拝命されていた五代前の父祖、新垣親雲上淑規(あらかきぺーちんしゅくき)が開祖。当時の琉球王朝は、日本と中国との両属関係にあり、中国とは主従関係を保ちながら大貿易時代を築いており、中国からは冊封使(使節団)が来琉し、中国菓子の製法を伝授。また、琉球王族が日本へ渡ったときに随行した父祖は、石原嘉右衛門や柳屋善太郎の両氏により日本菓子の製法を教わった。日中両国の菓子製法の技術を取り入れて琉球独特のお菓子を作り上げたのが、琉球王朝伝来のお菓子で、当時は琉球王家御用達で貴重なお菓子だった。一般に普及し始めたのは廃藩置県後とのこと。
新垣親雲上淑規(あらかきぺーちんしゅくき)の曾孫の奥さんが新垣カミ夫人(昭和56年没)で、現在のお店を作り、今に伝えているとのこと。(HPより)

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お店はまるで古い団地のような建物の1階部分で、入口はブロックが無造作に置かれた所を上がって押戸を押して入る。システマティックな工場では全くなく、奥で製造しているのには驚いた。
因みに、上記の隣接する新垣菓子店とは親戚だが、製法などは全く別とのこと。

 
 
那覇市首里赤平町1-3-2
098-886-3081