わずか5泊7日のかけ足でのネパール旅行となったが、その間に教えてもらったことなどの受け売りと、見た物の備忘録として:
 
イメージ 1首都カトマンズは、とにかく人・車・バイク・自転車が多く、道はいつも渋滞している。
カトマンズの人口だが、2001年に国勢調査を行った時には、100万人と言われていたが、その後マオイスト達がやってきたり、出生率が2.24から2.04人に下がったとは言え、400~500万人が職を求めて首都カトマンズに流入してきているので、爆発的にここ10年で人口が膨れ上がっているだろうと。
国勢調査は10年ごとに行われるので、今年、2011年に調査される。
 
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ライトのついていない信号機
 
その右には手信号の警察官

 
イメージ 13日本のジャイカJAICAが、カトマンズの11か所に信号機を作ったが、信号に慣れていないこともあるが、国民性として全く信号を守らなかったのだそう。だったらと、結局信号はやめて交通警察官が主だった交差点に立ち、手信号で車などを処理している。もしその指示を守らなければ100~500ネパールルピーの罰金。(1ネパールルピー=約1.1円)
しかし、交差点では大渋滞に変わりはなく、一人の自転車のおじいさんに警官が注意を与えに行く為、交差点中央の位置から動いてしまうとたちまち車が右から左からと詰め寄ってきてまたまた混沌状態になることもあった。
 
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車の教習所はない。
この車は武装警察の車だが、白地に赤い文字のナンバープレートは政府関係車両を示し、右下の「 L 」マークと赤い旗は訓練中という意味なのだそう。
 
 
 
 
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バイクタクシーはない。バイクの後ろの人はヘルメットの着用はいらない。バイクは16~17万ネパールルピーと高額。家の中にバイクや自転車を停めるので、入口にはバイクや自転車用のスロープがある。
 
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トロリーバスがかつてはあったが、現在はバスに。
電力事情が悪いこともあってか?なくなった。
バスは乗る距離にもよるが、12ネパールルピー程度。バクタプルからカトマンズまでだと25ネパールルピー。
バスの扉は開けっぱなしでそこに車掌さんが立っている。
 
 
 
 
 
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3輪の乗合タクシーが多いが、ガソリン車、ガス車、電池式など。ディーゼルは禁止されている。
 
ナンバープレートは右には「553」とあるが、左はデヴァナーガリー文字(インドと同じ)のナンバープレート。 
 
 
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おびただしい数の車とバイク、また建物が煉瓦造りで土煙りが立ちやすいことなどから、警官はもとより、道行く普通のネパール人でもマスクやバンダナなどで口元をカバーしている人が結構いる。移動は車に乗って観光名所だけを巡っていても、鼻をかんでみるとビックリの空気の汚れだった。(雨季はこのようなことはないのだそう)
 
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町のあちこちで見かけたお肉屋さんのほとんどが扱っていた水牛。画像は手前が鶏で、奥の赤い方が水牛の肉。 
 
 
 
 
 
 
ヒンズー教では、シヴァ神の聖なる乗り物である牛は、ミルクは飲んでも絶対に殺したり食べたりはしない。一方、水牛は鬼の化身とされ、食べて良いことになっている。水牛が一番リーズナブルで、1キロ当たり約220ネパールルピー。続いて、鶏肉、豚肉や羊、山羊肉(1キロ当たり550ルピー程度)、猪が一番高価で1キロ当たり800ルピー。
海のないネパールでは川魚など限られているが、値段はそれほど高くない。僧侶などが魚や山羊を食べることが多い。
 
ネパールには36の民族、72の言語がある。
それぞれの民族の言語は方言というものではなく全く別のものなので、会話が出来ない。学校ではネパール語と英語を教えるが、顔だけではどこの民族かわからないので、まずネパール語で話し、相手が自分と同じ民族だとわかればお互いの言葉で話す。
表記はインドから入って来たヒンディー語と同様のデーヴァナーガリー文字。  
ネパール語が共通語だが、お坊さんの階級であるブラフマンの人達が話していた言語がもととなっている。
 
通常税金はほとんどかからないのだが、日本車など高級なものには200%の課税。
所得税は一定の所得以上の人にだけかけられている。因みに、日本語ガイドさんレベルでは、所得税を支払わなくて良い層になるとのこと。消費税はほとんどない。
年金は政府関係者や軍人などだけ。
学校の先生などの公務員の給与は月給が1万ルピー、おまわりさんなどはそれよりも低賃金なので、賄賂が横行しているのだそう。
軍隊は希望すれば入れるが海軍はない。最近は女性兵士もいる。
 
イメージ 10カトマンズ市内の家は1000万ネパールルピー、郊外の家だと500万ネパールルピー。
ペルーのプーノに行った時に、建築中の家だと税金が優遇されるとのことで、あえて建築途中のようにしてそのまま住んでいる家があったが、ネパールではそういう税制はなく、お金が貯まったらまた上階を増築していく方式なので、屋上に柱だけが立っている家を多く目にした。
 
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また、建築中の場合、天井などを竹でつっかえ棒にしている工法にいささかビックリ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
多くのお寺はヒンズー教徒のみ入れるというふうになっているが、仏教徒であっても他の宗教であってもネパール人であれば入ることができる。ただ、イスラム教徒やキリスト教徒がヒンズー教のお寺に行きたがらないだけとのこと。ヒンズー教徒と仏教徒との争いはない。
 
基本的に土曜が休みなので、公立の学校では土曜のみ休み、私立の学校は土日が休み。
学費は、公立はただと言うことになっているが、寄付がオブリゲーションだったりする。
義務教育がないというのは驚き。地方では幼い頃から家の手伝いをさせている所も多々。
 
ホームレスはいるが、シェルターが政府によって用意されているので、日本のようなブルーテントの路上生活者はあまりいない。
 
ブラジルに次いでネパールは水力発電で電気を生んでいるが、それでも1日に5時間程度は計画停電をするなど電力不足。ただ、雨季には停電は少ないのだそう。
 
2001年6月にビレンドラ国王一家を含んだ王族10人が射殺され、皇太子が犯人で最後に自殺したとされた。事件発生当時、その話はネパール人の間でタブーだったそうだが、今は普通に話せる風潮となった。実際の犯人は、亡くなった国王の弟で現職の王の画策だろうと皆思っているのだそう。しかし、2008年に王制がなくなり、未だ憲法が作られていない現在は混沌期になっており、王妃や子供達はシンガポールに逃れている。
選挙に負けたはずの人が首相になっていたり、予算を組んでも実行されず、また王制に戻した方がましではないかという意見すらあるのだそう。
 
産業はかつては絨毯だったが、今は観光業。ただし、日本人の観光客は2年前から直行便がなくなったことにより減っている。
 
治安は悪くなっていて、殺人事件なども多く、子供の誘拐などもある。銃は1丁2~5万ネパールルピーで、インドから購入することができる。
 
出稼ぎに行くネパール人も多く、マレーシア、サウジアラビア、カタールなどが出稼ぎ先。シンガポールはかつては多かったがビザ発給が厳しく現在は少なくなったのだそう。
 
多くの人が携帯電話を持っているが、電話会社を政府はやっておらず民間3社がある。携帯本体は2000~2万ネパールルピーで、通話代は安いが、電波の状況があまり良くない。iPhone もあるのだそう!!
 
スポーツはサッカーなども好まれるが、空手が強い。プロスポーツはない。
 
買い物は、ネパール人相手の店でも値札はなく、あくまでも値段交渉性。
 
昔の日本だとテレビ、洗濯機、冷蔵庫が憧れの家電だったようだが、ネパールではテレビが25~30年前に入って来た。洗濯機は、まず各戸に水道がひかれていない所が多い為に使用不可。その為、多くの人が井戸や川などで洗濯をしている姿を多く見かけた。
冷蔵庫はまず停電が当たり前に起こるので無理。
 
男性の結婚の年齢は25~30歳、女性は25歳ぐらいまで。離婚はあまりしない。
ただ、子供は男子が好まれるので、男子が生めない場合や子供がない場合などは、奥さん公認で愛人に生んでもらうケースがあるのだそう。

 
 
1月3日 カトマンズ23:25発 CX6731便  香港に翌日05:45着
 
香港の空港で、軽く朝ごはんを。ワンタン入りラーメンと、五目入りお粥。
お粥には、豚肉のみならず、貝の紐まで入っていて複雑な味で美味しかった。 
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1月4日 香港09:20発 CX530便 台北経由 中部国際空港15:30着
 

インドのシッキムをはさんだ隣はブータン。昨年ブータンに行ったのだが、ネパールのようなヒマラヤという観光資源がなく、近年まで鎖国状態だった国だが、王制をやめて現在は議会制なのはネパールと同様。
ブータンのインフラ整備では、インドに水力発電をブータン内でしてもらい、そこで生み出された電気をブータンの人達が使い、余った電力をインドに売るなど非常い賢い政策をとっている。
一方ネパールは、水力発電がブラジルに次いで2位と言っても、首都ですら計画停電をせざるを得ない状況。
2年前に王制が廃止されたにもかかわらず、未だ憲法も出来ていない。早く政治の混沌から抜け出てほしいものだと感じた。