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以前に宵山や山鉾巡行は観に行ったことがあるのだが、今年は久しぶりに宵山と山鉾巡行の両方を観に行くことにした。

祇園祭の日程は昔から決まっており、今年は宵山が土曜日、山鉾巡行が日曜に当たった上、梅雨明けが早かったお蔭で珍しく連続で晴天に恵まれた為、観光客の数がとても多かった。
宵山が金曜にあたった昨年は30万人だったが、今年は土曜だったので45万人、山鉾巡行は土曜だった昨年と同様の20万人の人出だったとのこと。

古来、日没とともに一日が始まると考えられていたので、祭の一日は前日の夜から始まっており、それが宵山ということになるのだそう。
近年、宵山(16日夜)が宵々山など14日、15日と拡大した。

通行規制が始まる前の四条通。
鉾が立っているので、車はそれを避ける
ように走らなければならず大渋滞。


歩行者天国となった夜には駒形提灯が灯され、とても綺麗だが、四条通は人・人・人・・・
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祇園祭とは:
貞観11年(869年)悪疫を鎮める為に、全国の国の数である66本の鉾を神泉苑に立てて祇園社から神輿を送ったことが始まり。
応仁元年(1467年)に応仁の乱で祇園祭が中止となるが、明応9年(1500年)に復興し、山鉾36基が出る。
その後、何度も大火によって(天明の大火など)焼失するがその度に復興。太平洋戦争時に4年間、昭和37年(1962年)には阪急電鉄の地下工事により山鉾巡行が中止される。
平成21年(2009年) 「京都祇園祭の山鉾行事」 がユネスコ世界遺産の無形文化遺産に登録される。

山鉾巡行の前夜を宵山、前々日を宵々山と言って、巡行に出るまでの鉾や山の飾りつけを各町の町会所が色々な宝物と共に一般に展示したり、鉾や山のいくつかは、一般客を内部の上まで上がらせてくれたり(鉾や山によっては男性のみの場所もある)、色々な儀礼を行っている所もあるので、行ってみることにした。
町会所は、一般の町家と同じ形式のものと、広間座敷からなる特有の形式とがある。
山鉾巡行には32基が出る。
鉾と山の区別は、大きければ鉾で小さければ山というわけではなく、囃子方が乗ろうが乗るまいが、屋根の上に金属製の物が乗っていれば鉾、スギや松の木が乗っていると山。

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役行者山(えんのぎょうじゃやま)
行者さん達の儀が行われているところだった。
修験道の祖である役行者が葛城と大峰の間に石橋をかけたという伝承による。

町内で鉾や山を持っていて、それぞれの会所では厄除けのちまきや蝋燭などが売っている。
祇園祭は男性のお祭りで、一切、鉾や山には女性はかかわることが出来ないが、護符(山鉾のご神体をにまつわる守り符)を売る時の蝋燭売りのわらべ歌などは可愛い女の子達が歌ってくれていた。


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黒主山(くろぬしやま)
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歌人の大伴黒主が桜の花を仰ぎ見ている姿となっている。人形の衣装は、江戸時代初期の貴重なものなのだそう。

浄妙山
宇治川の合戦で、三井寺の僧兵である筒井浄妙と一来法師の奮戦を表す人形。横の胴懸けには、ピラミッドが描かれていた。
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八幡山
金色の小祠(画像右の奥)は、江戸時代の天明年間政策の総金箔。
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光琳百花図屏風
天明2年(1782年)に、円山応挙がある人の求めに応じて尾形光琳の屏風絵を写したもの。今回、久しぶりの公開なのだそう。

北観音山
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まるで鉾のようだが、山。屋根の上には松の木。
内部を観覧できるように横の会所の2階から橋が渡されている。
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南観音山
これも大きいが、屋根の上に木がある山。32基あるうち、8つの鉾や山が籤とらずで順番が決まっているが、この南観音山はいつも巡行は最後と決まっている。

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昭和4年から本当の子供ではなく、人形の稚児が使われていて、唯一、この人形だけはからくりとなっていて舞う。

放下鉾 (ほうかほこ)
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今年新調された天井幕の「四季草花図」
図柄は後で描かれたものではなく、とても細かいつづれ織になっていて、242色が使われている。これだけで千数百万円。織物はだいたいもって300年なので、順次入れ替えていくが、天井幕は雨漏りなどから痛みやすいのだそう。

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ここの上には男性だけがあがることが出来た。右は山のお囃子の人達が乗る所からの眺め。

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船鉾
神功皇后の説話によって、鉾全体が船の形となっている。
傘鉾と同じぐらい古い型の鉾。
この鉾には男女とも上がれるのだが、なんと1時間待ちの長蛇の列だったのには驚いた。

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岩戸山
天照大神の岩戸隠れの神話に基づく山。こちらは女性もOKだったので、上がらせてもらった。さすがに高く景色が良い。

その2 に続く。