岐阜で、手力の火祭なるものがあるとのことで行ってみた。
300年以上続く4月に手力雄神社(てぢからおじんじゃ)で行われる本祭を、長良川河畔で毎年夏に再演するもので、今回で23回目。今年の春の本祭は、震災の影響から開催されなかったので、今年はこの夏祭だけ。

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まず、長良川の河畔、金華山をバックに、高さ13メートルほどの支柱が立てられ、そこに御神燈が灯される。夏は11の町内が参加しているが、本祭では狭い境内にこの倍ほどの町内からの参加となり、立ててある支柱も杉の木などが使われ、より高い23メートルほどになるのだそう。

まず、各町内のお神輿が大音量の半鐘と爆竹と共に登場。イメージ 13
そして 御神燈 に点火
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爆竹音の後、導火線から御神燈に点火されるのだが、各町内ごとに趣向がこらされ、それぞれの色が異なり、時間がたつとそれぞれは全てロウソクの灯りの色に統一される。本祭では24時間、絶やすことなく灯りがつけられているので、夏よりもより太いロウソクが使われるのだそう。


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金華山の山頂には、岐阜城がライトアップされており、ちょうど満月だったので、非常に綺麗な月が見下ろしていた。

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この日は、一宮市と羽島市が行う濃尾の花火大会も行われていた為、はるか彼方の花火も見えた。

打ち上げ花火の後、滝花火 と、花火神輿 に点火される。これはとにかく凄い。
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滝花火は、御神燈の高さの辺りから文字通り滝のように火の粉が落ちてくる。
そこに半鐘を鳴らす人達や神輿をかついだ人達が滝に打たれるように火の粉を浴びる。

そして、それぞれの神輿からも仕掛けられた花火が火の粉を散らしていく。
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お神輿は9つあるが、オーソドックスなものは1基で、寅年ということで寅のはりぼてだったり、電飾のついた火の鳥だったり。
ミッフィー(ナインチェ)やガンダムまでもがお神輿のはりぼてになっていたのにはさすがにビックリ。だが、そんなお神輿の形云々を言っていられないぐらいお神輿の担ぎ手や半鐘の人達が、頭にはタオル、上半身はさらしだけで滝のような火の粉を浴びており、とにかく凄い迫力となる。



その後、本祭では行われない 地割れ花火 が行われた。船から水中に花火を順次落として行って爆発させる水中スターマインなどは良くあるが、これはその地上版。
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そして 手筒花火。手筒花火は、豊川手筒花火大会を観に行ったが(その様子は こちら)、ここの手筒花火は約350本もの手筒花火をひたすら火の粉のシャワーのように点火し、その下では半鐘の鳴らし手の人達が片足を上げた独特の恰好で半鐘を鳴らし、他の人達も火の粉を浴びながら踊っていた。
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山焼き花火 に続き、最後の打ち上げ花火。

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なかなか盛りだくさんな火祭りは、和太鼓の演奏などの余興も含め、2時間半程度。
観客は昨年は3万2000人で、同じ場所で毎年行われる2つの花火大会(今年はいずれも中止)はそれぞれ観客動員が40万人と言われているだけに(その花火大会の様子はこちら)、このお祭りでの河畔の場所取りもいたってのんびり。
司会の女性と解説のおじさまが色々と説明してくれる中、そのおじさまが、エキサイトしたお神輿の担ぎ手達によってお神輿が観客席の方に近づこうとすると 「危ないから観客席には行くな!」 だったり、手筒花火がまっすぐ上に揚がっていない場合、「怖がらずにまっすぐ揚げろ!」 だったり、予定よりもスケジュールがおして来ていると 「さっさと走れ!」 などとマイクを通して指示がとび、観客席からはその指示ぶりに笑いが起こるなど、ほのぼのした手作り感があり、ゆるい雰囲気のお祭りで面白かった。