フェズ市街の観光へ。

まずはフェズの全体を見ようと北側にあるかつての砦へ。
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手前に大きく広がる街が、ユネスコの世界遺産にもなっている8世紀に造られた旧市街のフェズ・エル・バリ。そこから少し左斜めに広がる街は同じく旧市街ではあるが14世紀に造られたフェル・エル・ジェジドで、世界遺産ではない。さらに、左上の小高い丘の上の街が新市街

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北側のかつての砦


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南にもある、8世紀と14世紀の旧市街の
間に建てられた城壁の上の南側の砦。
北側と南側を結ぶトンネルが
旧市街の下にあるとされる。

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14世紀の街であるフェズ・エル・ジェジドにある緑の三角屋根の王宮。
王宮やモスクや神学校などイスラム教に関係するものの屋根は全部緑色。





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北側や南側の山の斜面には白いお墓の墓石が見える。
ここでは、土葬とのこと。



非常に大まかだが、歴史を教えてもらった。
  • ベルベル人が紀元前から山の方で住んでいた。
  • ローマ人やカルタゴ人が侵入。
  • 7世紀になって、イスラム教布教の為、アラブ人がやって来て、アラビア語を広め、街づくりを行う。
  • 8世紀~10世紀 モロッコのイスラム教の国家として最古のイドリス朝がフェズを統治。         30キロメートルに及ぶ城壁が出来る。
  • 10世紀 セネガルからのベルベル人によるモラビト朝がマラケシュで。
  • 11世紀 アトラスからのベルベル人によりモアヘド朝がマラケシュで。
  • 13世紀~14世紀 ベルベル人により、マリニード朝が。
  • 15世紀 アラビア人により、サード朝がおこり、モロッコが最盛期に入る。
  • 17世紀 アラブ時代
  • 20世紀 フランスやスペインによる植民地となり、プチ・パリ Petit Paris (新市街)が建設される。

王宮
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かつてはスルタンが住んでいて、現在は王宮となっている。
14世紀に造られ、広さは10ヘクタールにも及ぶ。
目の前にはアラウイート広場が広がる。

現在、王様は首都のラバトで公務を行っておられるそうだが、各地に王宮がある。
夏は避暑を兼ねて山の王宮、冬は暖かい土地での王宮へと
移動されるのだそう。

ブロンズ、しっくい、モザイクからなる装飾は非常に綺麗。
そんな各地にある王宮だが、どれも内部は一般には公開されていない。さぞや内部は美しいんだろうなと。

上には赤地に緑で★を描いた国旗。
赤はモロッコの土の色から、★はイスラム教で重要とされる緑で描かれている。





ユダヤ人街 メッラハイメージ 22
11~15世紀ににスペインで迫害されたユダヤ人達がモロッコに移住して造ったユダヤ人居住区。
当時から、ユダヤ人達はお金持ちだったので、一番安全とされる王宮のそばにその場所を構えた。
フェズのユダヤ人街は最古。
イスラムでは女性は肌を見せてはいけないので、彼らの建築に外から見えるベランダなどは造らないが、ここの通りは右側はスペインから亡命したユダヤ風、左側はスペインのアンダルシア風のベランダがある。
イスラエルが建国された時に大半のユダヤ人達がイスラエルに引っ越して行ったそうだが、現在も未だ一部ではユダヤ人が住んでいるのだそう。

イメージ 3界隈にお店屋さんがあったので散策。

ディーツ(ナツメヤシ)を多く売っている。
王様が来られた時に、迎える歓迎の品としてもディーツが使われるぐらいで、棚の奥にラッピングされたものは、結婚式用のディーツの贈答品。


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黒い塊はガスール。
現在日本でも売られているが、モロッコだけで産出される
洗浄力と保湿力をそなえた粘土で、古来より洗顔、
洗髪、全身パックと、美容のために使われていた。



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右側の茶色く練ったようものは
ハマム(モロッコのスチームバス)での
石鹸なのだそう。

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イスラム圏の女性の手や足に装飾として描く
ヘナだが、その染料となるヘナの葉。


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パーキングメーター

時間帯と車種によって
払う金額が違うのだが
アラビア語は全くわからず・・・




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お店の前のスタンドで売っていたスペインの
チュロのミニチュア版のようなイスフェンジと
いうお菓子。(イス=スペイン)
カラッと揚がっていて、上に粉砂糖が
ふってありとても美味しい。
この一袋分で3ディルハム(=30円)




そしていよいよ一番古い旧市街のフェズ・エル・バリの迷路へ~

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敵の侵入を容易にさせない為に造られた迷宮都市。



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少し広い通りの両側にはお店が立ち並び、多くの人が往来している。









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狭い道には車は入れないので、ロバが荷物運びとしてこの街では必要不可欠。
自転車やスクーターに乗っている人も、たまにはいるが、やはりここではロバが主流。
街の入り口には、貸ロバ屋さんまであり、ロバが待機している。







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そういうロバなどに立ち入ってほしくない
狭い道の入り口には、このような棒が
渡してあり、歩行者は身を低くして通らないと
いけない。


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ロバが来ようものなら、歩行者は壁にべたっと
くっついて避けてあげないといけない。





しかし、それにしても狭い。
この身をかがめていく所もれっきとした通路。

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フェズの街は面白く、ついつい写真を撮り過ぎてしまったので、画像の容量の関係から、追って別記事として:
迷路を巡りながら、神学校やイスラム建築の様子や、昼食の様子は で。
フェズと言えば職人の街、その職人達やお店の様子は で。
夕食の様子や、ご近所さんにお邪魔した様子は で。