メナード化粧品の創業者である野々川大介・美寿子夫妻が中心となって収集したコレクションをもとに建設された美術館に行ってみた。
約1400点を収蔵しているのだそうだが、今回はそのうちの92点を公開しており、後期公開分を観に行った。
(画像はHP等より)

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フィンセント・ファン・ゴッホ Vincent van GOGH
「一日の終わり(ミレーによる)」
End of the Day (after Millet) 1889-90
ミレーの「一日の四つの時」のうちの「一日の終わり」を模写したものだが、
主題・構図は借りてはいるものの、独自の色彩表現を追求している。

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オディロン・ルドン Odilon REDON
「夢想」 Reflections 1900-05頃
19世紀末の象徴主義の画家だったルドンが50歳を過ぎた新世紀前から、
パステル画を主体とした画風へと変わったのだそう。

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ジェームズ・アンソール James ENSOR
「仮面の中の自画像」 Self-Portrait with Masks 1899
絶頂期であった39歳の時の自画像。周りにはアンソールの才能を認めずに彼を疎外したベルギーの美術界や世間を象徴した仮面の群れが取り囲んでいる。20世紀絵画の先駆。

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アンリ・マティス Henri MATISSE
「ヴェールをかぶった女」Woman with a Veil1942

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モーリス・ドニ Maurice DENIS
「ダンス」 Dance 1905頃
アール・ヌーボーなど世紀末芸術に影響を与えた作品。

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ライオネル・ファイニンガーLyonel FEININGER
「プロポーズ」 The Proposal 1907
風刺画

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パブロ・ピカソ Pablo PICASSO
「オルガ・ピカソの像」Portrait of Olga Picasso 1918
ロシアバレエ団(バレエリュス)のバレリーナでピカソ夫人となったオルガ。

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パブロ・ピカソ Pablo PICASSO
「静物=ローソク・パレットと牡牛の頭」Still Life: Candle, Palette, Bull's Head 1938
黒い牛や静物は、不安や死のイメージとのこと。

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ジョルジュ・ブラック Georges BRAQUE
「青いテーブルクロス」The Blue Tablecloth 1938
油絵具に砂を混ぜてあるので近づいて観るとザラザラ凹凸があった。

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ルネ・マグリット Rene MAGRITTE
「星座」 Constellation 1942

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東洲斎写楽 TOSHUSAI Sharaku
「市川男女蔵の奴一平」Ichikawa Omezo in the Role of Yakko Ippei 1794
「赤じゅばん」との愛称もついている。

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中村彝 NAKAMURA Tsune
「婦人像」 Portrait of a Woman 1913頃
当時、新宿中村屋は、パン屋さん業以外に、若い芸術家を庇護しており、
多くの画家や文学者が集った為に「中村屋サロン」と呼ばれていた。
この絵は、中村屋主人の相馬夫婦の長女である俊子がモデルで、中村彝が求婚したが、肺結核だった為に両親に反対され、彼はアトリエを出て、大正13年末に喀血して37歳で亡くなった。

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国吉康雄 KUNIYOSHI Yasuo
「女は廃墟を歩く」 She Walks among the Ruins 1945-46
戦争中にアメリカに住んでおり、反日活動に協力をしたが
それでも敵国人として扱われ苦悩したのだそう。

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岸田劉生 KISHIDA Ryusei
「笑ふ麗子」 Smiling Reiko 1922
「デロリとした味」に系統した時代の作品
(「デロリ」は、風俗を描いた浮世絵独特の表現に使った岸田劉生の造語。)

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佐伯祐三 SAEKI Yuzo
「街角の広告」 Advertisements on a Street Corner 1927
2度に渡って渡仏したが、これは2度目の時の作品。
その後、身体を病み、精神錯乱となって、翌年30歳で客死した。

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マリノ・マリーニ Marino MARINI
  「馬と騎手(街の守護神)」 Rider (the Town'sGuardian Angel) 木彫 1949
戦争体験とイタリア敗戦による価値観の崩壊、絶望や不安を表現しているのだそう。

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高村光太郎 TAKAMURA Kotaro
「栄螺」 Turban Shell 1930
詩人の高村光太郎が彫刻もやっていたとは不勉強な為、全く知らなかった。。。
1930年にデパートの展覧会に出して行方不明になってしまったが、73年後に発見された作品。
高村光太郎は、この木彫製作で、その基本を発見したのだとか。
この彫刻を入れていた袋は、智恵子が作り、彼自筆の短歌も書かれていたのだそう。

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織部亀甲文州浜形手鉢 17世紀

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舟越桂 FUNAKOSHI Katsura
「長い休止符」 Extended Caesura 1993


決して大きくない美術館だが、洋画、日本画、日本洋画、数は少ないが彫刻や工芸品もあり、楽しめた。