雲南省で一番大きな市である開遠市。
中国では、省>市>県と規模が小さくなり日本とは異なるしくみだが、この開遠市は、哈尼(ハニ)族・彝(イ)族の自治となっている。元陽に向かう途中、哈尼(ハニ)族の小さな村を訪れたが(その様子は<3>で)、そこから車でわずか15分程度の場所に、いきなり巨大なモスクが。

イメージ 1沙甸鎮(サーティエンティン)という町で人口2万人。
イスラム教徒である回(カイ)族は、雲南では一番多い少数民族で、とても豊かな生活をしている。
国境沿いのこの町では、かつて武器の売り買いを行い、雲南でも一番危ない町と言われていたのだそうだが、今はとても綺麗で整然としていた。
このモスクは2010年に出来たばかり。
30年前には漢人と戦った民族なだけに、政府も彼らにはおおらかな政策をとっているのだそう。

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中国では、新疆ウイグル自治区で多くの回教の人達を見たが
いきなりこのエリアだけなので、妙な違和感があってしまった。


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この町も建築ラッシュとなっていて、
高層マンションらしきものを建てていたが
建築中の左側の建物の上にはモスクの
ようなタマネギ型のドームが乗っている。





この町のエリアを出ると、また普通の中国の風景が続く。
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道端で売っていたみかんを。

1.5キロ(だいたい12個程度)で6元(=約84円)。
昆明だと1キロ6元が相場とのこと。






元陽 に到着。
この日は大晦日の一日前だったが、ホテルでは大きなパーティがあリレストラン業務はやらないとのことだったので、運転手さんお勧めの地元のお店で夕食を。
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トウモロコシのお酒に果物を漬け込んだ
地酒の橄欖酒を。

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冬瓜のスープ
冬瓜がまるでジャガイモのような食感で美味しい。

イメージ 20雲南では、松茸を始め、非常に多くの
キノコが採れる。
松茸のシーズンは終わっているが、
椎茸のようなキノコが美味しかった。


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紅焼肉(ホンシャオロー)
毛沢東が大好きで、何か祝い事の時などには
必ず食べたものなのだそう。



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干した豚肉のスライスと韮の炒め物は
豚肉のスライスがスモークベーコンの
ようで美味しかった。

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レタスとトマトが入ったうどん風の麺とスープ。
案外あっさり。



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この日が宿六の誕生日だったので
ケーキを用意して下さっていた。
スポンジケーキの間には
杏のジャム、そしてバタークリームに
よるデコレーション。





ホテルに戻ると、ホテルの前の広場で大勢の人達が哈尼(ハニ)族の民族衣装を着て色々な踊りを踊っていた。最後には、たき火の周りを観客も交えて皆で踊る。
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さまざまな哈尼族の衣装を見る
ことが出来て面白かった。



パーティが終わってホテルの部屋に戻ってテレビをつけると、CCCVのスポーツチャンネルで、中国バスケットボールリーグについて放送していた。
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北京の北京ダックスというチームに、ステファン・マルベリが今季から参加しているようで、彼の特集として彼が地下鉄で移動している様子や練習風景などが紹介されていた。

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マルベリは、2008年シーズンまでNYニックスに所属していて、良く彼の活躍はスタジアムで観ており、一度は偶然にも同じエレベーターに乗り合わせたので一緒に写真を撮ってもらった選手。その当時の円換算で年俸19億円をもらい、2007-2008年シーズンでは名だたるNBAプレーヤーの中でランキング7位の年俸というスター選手だったのだが、怪我やフロントとの確執などで2009年以降はあまりその活躍がわからなかっただけに、嬉しいような、でも何故北京なの?というやや複雑な気持ちになってしまった。

翌日は早起きをして、今回の旅行の目的のひとつでもある元陽の棚田を見に。その様子は<5>で。
この日に教えてもらったことの備忘録:

・雲南も四川も辛いお料理が多いが、四川の方がより 山椒 花椒を使い、雲南は唐辛子を多用する。

・物価は毎年10%ずつ程度上がっているので、給与をせめて5%は上げなくてはクレームが来る状況にある。

・旧正月(春節)を一番に祝い2週間お休みとなるが、西暦でのお正月も1月1日~3日はお休みとなっている。政府が年休を決め、連休を作る代わりに土曜も働くようなカレンダーを設定される時もあり、一般企業もそれに準じる。

・日本人観光客は、JASが昆明まで直行便があった時には非常に多かった。その後、SAAS問題が発生し、以降関西便がなくなるなどして減ってしまい、尚且つ昨年の震災以降、前年の約半分程度と減ってしまった。現在は韓国人観光客数が伸びている。

・元陽は現在、世界遺産に申請中で、一説によれば2013年に認可されるとか?
水をはった水田を見るべく冬にのみ観光客に人気があり、その時期にはホテルは倍額になる。三ツ星ホテルは一軒しかないが、冬にしかお客さんが来ないこともあり、他にホテルを町に造る予定はない。

・昆明のガソリン代は1リットルあたり7元(=約68円)程度だが、石油は広州から運ばれてくるのでやや高い。

・30~40年前までは、文革の影響で山の木を切って燃料として来ていたが、現在は木を切ることは禁止されている。

・雲南地方は山が非常に多く、キノコが豊富で、7~10月は松茸が採れ、日本に輸出されている。

・雲南はプーアル茶の故郷でもあり、樹齢400~500年のお茶の古木もある。木も、プーアルに関しては茶葉も、古ければ古いほど価値があるとされている。
お茶と塩がかつての非常に重要な交易品で、「茶馬古道」として、シーサンパンナ、大理、昆明、チベット、ネパール、インドなどが結ばれていた。

・次期最高指導者は習近平氏と予想されている。夫人は有名な歌手だったが、夫の立場上、最近はあまり表に出て来ずに、ボランティア活動などに専念している。

・ゴルフ場は特権階級がするスポーツで、中国で一番高いゴルフ場は2万円ほど。予約するにもそこに宿泊しなければならないなど大変。

・お肉は牛肉が一番高価で、ついで山羊肉、羊肉や犬肉など、お安いものとして豚肉、鶏肉、川の魚など。

・学校のお休みは春休みはなく、夏に2か月、冬に1ヶ月。

・雲南の国境線は4000キロ。ミャンマー、ベトナム、ラオス、タイに接している。

・1903年に、昆明から上海や北京まで未だ鉄道は通っていない時期でも、ベトナムまでは開通していた。狭軌での列車運行で、現在はベトナムまでは廃線となり、昆明⇔開遠の貨物輸送のみ。

・日本への中国人観光客が行きたがるのは北海道と東京。映画の「非城勿扰」という映画で、北海道や東京がロケされたことから。

・現在の中国ではあまりにモラルがなくなって来てしまっており、一人っ子政策による一人っ子の精神的な面を今こそ教育せねばということで、知識層は「儒教」の教えを再び重んじるようにという動きがある。温家宝氏のスピーチなどでも、儒教に根差した言葉を良く使っている。

・哈尼(ハニ)族は、約2000年前にチベット(西海)から遊牧民としてやってきて、一部は現在のミャンマー、ベトナム、ラオスにも居る。200万人と言われていて、そのうちの145万人が中国国内にいる。