この日は、ベトナムサパからラオカイを経て国境を越え、中国の河口蒙自で昼食を済ませ、昆明に到着(その様子は<15>)。走行距離は450キロほどとなった。

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雲南省のお茶と言えば、プーアル茶(普茶)。昆明の街のあちこちに専門店があるが、そのうちの一軒へ。







イメージ 2色々と試飲させてもらった。

イメージ 13日本でプーアル茶を飲む時の茶葉のお湯通しは1度で良いのだが、昆明は標高が高いので(1891メートル)、100度までお湯が沸かない為に茶葉のお湯通しを3度行う。
お湯の温度は高ければ高いほど良いのだそう。
また、プーアル茶(生茶に限る)の茶葉は、古ければ古いほど良く、2005年以降、生産日記をつけるようになったが、それよりも古いものはないことが多いのだそう。

プーアル茶(普洱茶)とは: wikipediaより抜粋

雲南省南部及び南西部を原産地とする中国茶(黒茶)の一種。生茶と熟茶の2種類ある。
加熱によって酸化発酵を止めた緑茶を、コウジカビで発酵させる熟茶と、経年により熟成させた生茶に大別される。但し、雲南省においてプーアル茶と言えば、1000年以上の歴史を持つ生茶を指し、熟茶は雲南省では殆ど飲まれることが無く、基本的には輸出用茶である。
経年熟成により香りが変化するのは生茶であり、それに対して熟茶は経年による香りの変化はあまりない。
生茶
緑茶を残存する酵素で発酵させた茶葉。生産されてまだ日が浅い茶葉は、極めて緑茶に近い。しかし、年代を経るほどに、白茶様、烏龍茶様、紅茶様の香りとなり、最終的にはプーアル熟茶に近い香りと味わいになる。数十年を超えるようなビンテージ品は、希少価値の高さもあり、高価で取引される。日本で上質な生茶を入手するのは、極めて難しいものの、プーアル茶の知名度が向上してきたこともあり、取り扱う業者が増えつつある。
熟茶
プーアル生茶を多湿状態に置くことで、カビによる発酵をさせて作られる。年代を経た茶葉の風味を短時間で量産できる方法として、1973年から作られるようになった。生茶に比べて色が濃く、暗褐色を呈す。一般的に販売されているプーアル茶は熟茶である。

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未だ若い1年物は美味しい緑茶、5年は深い味わいのプーアル茶、10年になるとまったりとしていて、今まで飲んでいたプーアル茶ではないまろみがとても美味しかった。

と言うわけで、結局3種類を購入。左から
箱入りは10年もの(800元)、5年のもの(300元)、1年の緑茶状態のもの(200元)。
1年物も良い状態で置いておけば、熟成していくとのこと。
(丸い形は餅茶と言うのだそう)
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10年物ですら、宮廷献上用となると1800元(=約25200円)はするのだとか。


だったら、、、とお店で一番お高いプーアル茶はどれ?と見せてもらった。

立派な箱に入りわざわざ手袋で扱っておられたこの茶葉は28年もの。
この大きさで250グラム。
9800元(=約137200円)。
熟成していくほどに硬くなるのかと思いきや、その逆で、とても柔らかい。



雲南での最後の晩御飯は、ガイドさん行きつけの女人街にあるお店へ連れて行ってもらった。
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とても人気店で、地元の人達で大混雑。
右の画像は帰る時に撮った物なので空席もあったが、行った時は待つほど。
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毎食飲んでいた薬草などの入ったトウモロコシ酒。



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突出しを色々と店員さんが持って
くるので好きなものを選ぶ。



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ガイドさんや運転手さんをも驚かせてしまった辛い物好きの我々仕様にと。唐辛子や花椒などで煮込まれた?豚肉や野菜。これは辛かった・・・
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細いセロリ


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ガイドさんの好物の空豆


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卵とトマトの炒め物は、シルクロードに行った時に嫌と言うほど食べたという話をしていたところ、だったら雲南でも食べてみろと。ええーっと思っていたのだが、食べてみると非常に美味。ウイグルで食べていた油ぎとぎとの物とは違って卵はふんわり&あっさりしていて美味しかった。


12月29日に昆明に到着し、30日からこの日までガイドさんと運転手さんとまるまる5日間一緒に旅行したが、一緒に食べる最後の食事となった。
翌日は、広州や上海で乗換ての帰国となった。その様子は<17>で。

この日に教えてもらったことの備忘録 PART3: PART1 は こちら、PART2 は こちら

・昆明は発展したが、街が小さすぎる為、昆明から25キロ離れた呈貢という所に新しく街を造って、市役所や大学などをすでに移転させている。

・雲南人気質は、気候が暖かいにもかかわらず外にあまり出たがらず、のんびりしていて、商売にはあまり向いていない。
文革の時に多くの上海人が雲南にやって来た。政府の方針として、各省の交流を図る為、30年前ぐらいから雲南の資源を上海に売るようになり、雲南の経済が向上。雲南地方の経済界や役人など偉い人に上海出身の人が多い。

・昔は各省に航空会社があったが、現在は中国国内には4つの航空会社のみ。
ツアーの場合を除くが、例えば上海⇔北京のフライトは片道2000元(=約28000円)と高額で割引などはなく、日本の方が割引制度などが多い為、国際線に関しては値段が安い。

・雲南には13カ所の飛行場があり、中国の中では一番多い。

・日本の高速道路では「登坂車線」となるところが、中国では「爬坡車道 climbing lane」と表示される。日本で使う「登る」は中国では階段などステップのある物を登る時に使う。 

・雲南はクルミやタバコの産地。その公営のタバコ会社の社長が、定年退職の3年ほど前に多額ではなかったが会社のお金を着服。発覚し投獄されたが、それまで社長などの恩給が非常に低かった制度の見直しになるきっかけとなった。その後、社長は出所してから弟と山を買ってオレンジ栽培で成功し、現在昆明などの多くのオレンジを売っている。

・銅や錫の産地でもあり、明や清の時代には、それらの鉱物を北京まで運んでいた。今でも、田舎では銅のお鍋を使い、それで炊いたご飯は美味しいのだそう。

・雲南地方の月餅は、ハムが入っている。

・雲南の発電は水力で、広東地方もその電力を使っている。

・「加油」は頑張れという意味にもなるが、ガソリンスタンドの意味でもある。一方、「加水」という表示が非常に一般道路沿いに多いが、それはトラックなどのブレーキを冷やす為の水があるという意味。本来、そのような水は必要ではないが、中国のトラックは過積載が当たり前の状態になっている為、坂道でのブレーキ使用時に負荷がかかり過ぎて事故が非常に多くなっているので、ブレーキを冷やす必要があるのだそう。

・車の信号無視は、罰金が200元(=約2800円)に改訂されてから、違反の数が減った。