友人との待ち合わせ時間までの間、キムチ博物館なる所があったので立ち寄ってみた。

1986年に開館し、2000年に現在の場所であるソウルは江南の COEX MALL へ拡張移転したのだそうだが、それほど広くはなく、日本語の解説もあり、さらっと見ることが出来る。

歴史

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古代のキムチ
(AD918年前まで)

かぶ、なすび、ひょうたん、韮、ぜんまい、タケノコなどを塩、味噌、酢、穀物の粥や酒粕などに漬けていた。
定着生活が普遍化して野菜類の貯蔵性を高める為に塩漬けや粕漬けが多かったと考えられている。



イメージ 2高麗時代のキムチ
(918年~1392年)

上記の野菜類に加え、大根、きゅうり、わらび、タロイモ、ニンニク、冬瓜、カラシ菜、葱、生姜などが使われるようになる。
水分の多い水キムチも広まり、漬物タイプの物にニンニクや生姜や密柑の皮などを入れた薬味入りキムチが作られるようになる。


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朝鮮時代のキムチ
(1392年~)

外来の野菜が導入され、唐辛子が入ってからは韓国の食生活が大きく変わった。
唐辛子は1613年に書かれた書物に登場するが、唐辛子がキムチに使われたという記述は1766年の書物から。
また、唐辛子と同時に塩辛も使われるようなった。


色々なキムチ

季節によって色々なものが漬け込まれる。(画像はどれも精巧に造られた模型)
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左 : 白菜
上 : 葱
中央 : 山野草のドルナムル
右 : 冬に植えた蔬菜白菜
下 : にんにくの茎








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左下 :
キュウリの中に葱・ニンニク・生姜・唐辛子粉などを混ぜた薬味のあんを入れたキムチのオイソバギ
左上 : えごまの葉
中央 : きゅうり
右上 : 韮
右下 : 
青唐辛子のキムチであるコチュソバギ


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左 : 唐辛子の塩漬け
上 : 茄子のガジキムチ
中央 : 柿のカムキムチ
右 : 
牡蠣と大根のグルカクテキ
下 :
長さ10センチ程度の小さな大根を丸ごと漬けたチョンガクキムチ





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左 :
長さ10センチ程度の大根を丸ごと漬けたアルタリムドンチミ
上 : ?
中央 : 
大根の塩漬けであるドンチミ
右 :
白菜・大根・キュウリに魚介のスープを加えたソクバックジ
下 :
イヌヤクシソウ(?)のゴドルペギキムチ



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約80種類のキムチの
模型も展示されていた。











イメージ 9キムチを漬け込む陶器も、地域の環境や気候条件によって異なる。
北部は全般的に口が大きく胴がすっきりしていて背が高い。
中部は日照量が少なく気温が高くないことから、醤油を寝かせる時の紫外線が十分にあたるようにと口が広めで、底と口の大きさが同じぐらい。
南部は中部よりも気温が高く日照量も多いので口が広いと水分蒸発が多くなる為、口を狭くして肩を広くし、陶器の表面から熱を多く受けられるように作られている。

また、江原道という場所では、山岳地帯であり、土壌が焼き物作りには適さない為、木製の瓶としてカメが発達した。毒性のない柳の木が使われ、汁がもれないように油塗りの和紙を内側に貼ったりした。陶器よりも軽く持ち運びが簡単で壊れにくいという利点があったのだそう。

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模型ばかりではなかった。試食のコーナーも。

左上 : 白菜キムチ
右上 : カクテギ
左下 : 突山芥子菜(からし菜)キムチ
右下 : エゴマの油で炒めたキムチ

エゴマの油で炒めたキムチは変わっていて
面白かった。




キムチと言うとまず思い浮かべるのは白菜、大根、葱、エゴマの葉ぐらいだったが、本当に多岐に渡った野菜を使ったものを言うのだと今更ながら知ることとなった。

 
ソウル特別市 江南区 三成洞 159 COEX MALL B2F
서울특별시 강남구 삼성동 159 코엑스몰B2