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第14回のチャイコフスキー国際コンクールで
優勝した人達によるガラ・コンサートがあったので
行ってみた。
モスクワ交響楽団と共に。
(於:愛知県芸術劇場コンサートホール)












オール・チャイコフスキー・プログラム

All Tchaikovsky Program

★歌劇「エフゲニー・オネーギン」 
作品24よりポロネーズ  Polonaise from Opera "Evgeny Onegin"
モスクワ交響楽団

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★ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
Violin Concerto in D major op.35
アンコール : パガニーニ ヴァイオリンソロのための「ラ・モリナーラ」

セルゲイ・ドガージン【ヴァイオリン部門第2位(1位なし)・聴衆賞】
Violin: Sergey Dogadin

最初の方の高音の部分がほんの少し低いような所が2度ほどあったように感じたが、とても聴きごたえがあった。


 
イメージ 3★ロココの主題による変奏曲 イ長調 作品33
Rococo Variations in A major op.33
アンコール : ツィンツァーゼ リョングリ
(グルジアの作曲家のフォークソング)

ナレク・アフナジャリャン【チェロ部門第1位・聴衆賞】
Cello: Narek Hakhnazaryan

演奏中は目をつぶって感情表現豊かな演奏方法で、彼の世界観だった。一瞬、琵琶法師のような印象?(たとえが悪くてゴメンナサイ)
アンコール曲は弓を使わずに指で弾いていて、また違う楽器のような音色だった。


イメージ 4★ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23
Piano Concerto No.1 in B-flat minor op.23
アンコール :
ムソルグスキー 歌劇「」ソロチンスクの定期市」より陽気な若者達のゴパーク
J.S.バッハ、ラフマニノフ編曲 パルティータ第3番よりガヴォット

ダニール・トリフォノフ【グランプリ・ピアノ部門第1位・聴衆賞】
Piano: Daniil Trifonov

若干21歳の顔は可愛く見えるが、とても大柄なので演奏中はブーニンのように猫背な感じ。大きくて長い指は滑らかでまるで鍵盤を前後になでているように見えるのだが、途中は椅子からお尻を浮かせるぐらいの迫力もあり、さすがにグランプリ受賞者なだけある。
ただ、彼のソロ部分の時に長く携帯電話が鳴り、オーケストラの人ですら顔を思わず動かしていた。また、後からは今度は携帯のアラーム音のような物が鳴り、それが奇しくも曲のテンポとも合うようなもので、演奏中の彼がちらっと顔をあげるしぐさをするぐらいで、とても気の毒だった。
彼の演奏の前に一旦休憩があったので、前半では携帯のスイッチを切っていた人が休憩中に携帯を使ってうっかり電源を切り忘れてしまったのかも知れないが、特にクラシックのコンサートではあってはならないかと。。。
NYのメトロポリタン歌劇場ではオペラ中に携帯が鳴ることもしばしばで、一度などはファミリーサークル(20ドル程度で見られる最上階)の男性の携帯が鳴ったので男性が止めようとしたが、奥さんが止める行為でその持ち主が周りからわかるからとご主人を静止し、さも別の人の携帯電話が鳴っているかのように鳴り止むまで素知らぬ顔で居た観客も居たと聞いたことがある。
それに比べ、NYフィルのクラシックコンサートともなると、観光客が旅行の話のタネとしてオペラ鑑賞をするという客層よりもコアなファンが多い為か、さすがに携帯が鳴る頻度はずっと少なく、飴の袋をバサバサ開けたりすることもなくマナーも未だ良い。
一方、日本ではどのようなコンサートでも非常にマナーが良く、ストレスなく観て聴いていられることが多いだけに、今回のことは非常に残念だったし、演奏者には気の毒で非常に失礼だったなぁと。
劇場関係者に以前に聞いた時には、劇場内では携帯電話の騒音を防ぐ為に電波を演奏中のみつながらないようにすることも出来るが、そうするかどうかはコンサートなどの主催者が決めることで、最近は緊急事態発生時の必要性から携帯電話の電波を遮蔽することはあまりしないのだそう。
ただ、そのような2度にわたる携帯の邪魔以降も、トリフォノフは徐々にのってきて良い演奏をしてくれたのが良かった。
演奏が終わると、演奏中とは全く別人のように可愛い笑顔を見せてあっちにもこっちにもと360度の観客に対しペコリペコリと頭を下げる様子が可愛いぐらい。

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指揮者
アンドレイ・ヤコヴレフ
Conductor: Andrey Yakovlev

風貌からは非常にいかめしい印象だが、指揮はエネルギッシュで右足などは指揮台から半分はみ出ていたりと、台から落ちてしまわないかと思うぐらい。
台を踏み鳴らす音が響いたり、彼の息づかいまで聞こえてくる。最後の一番力の入る所では、思わず「ン~!」と声がもれていた。


それぞれの演奏者がアンコールもしてくれるので、休憩を入れて2時間20分ほどになっていたが、最後の演奏者の2度のアンコール演奏の後も、コンマスの方が弓を使って拍手を送り続ける中、劇場内のライトが明るくなって無理無理終わらせたのは何とも・・・ 
23日に東京でリサイタル形式、24日福岡、26日名古屋、27日再び東京、28日大阪、30日札幌という強行軍の全国公演。今回の名古屋の演目は、昨秋東京で行われたガラコンサートの時の歌手は出演しなかったが、それ以外は同様の演目だった。(画像は全てHPより)