名古屋クラシックフェスティバルの一環として、バレエが必ず組み込まれているのだが、今年は マリインスキー・バレエの「白鳥の湖」 だった。


ディアナ・ヴィシニョーワの公演は、
彼女のリサイタルでコンテンポラリーばかりのNYはCITY CENTERで公演された「BEAUTY IN MOTION」、
ABTオープニングガラでの「瀕死の白鳥」、
マリインスキー来日公演での「眠れる森の美女」
であるが、2008年シーズンは、ヴィシニョーワは怪我の為、予定されていた白鳥、ドンキ、ジゼル全てをキャンセルして、ニーナ・アナニアシヴィリが代役に立っていたので、ヴィシニョーワの古典全幕ものを観たことがあるのは2つだけ。この日ようやく彼女のパワーあふれる(?)白鳥が観られると、楽しみに行ってみた。
管弦楽:マリインスキー劇場管弦楽団
指揮:アレクセイ・レプニコフ
オデット/オディール:ディアナ・ヴィシニョーワ
ジークフリート王子:イーゴリ・コールプ
王妃 (王子の母):エレーナ・バジェーノワ
王子の家庭教師:ソスラン・クラーエフ
道化:グリゴーリー・ポポフ
悪魔ロットバルト:コンスタンチン・ズヴェレフ
王子の友人たち:エカテリーナ・イワンニコワ、アナスタシア・ニキーチナ、アレクセイ・ティモフェーエフ
小さな白鳥:エレーナ・チミリ、スヴェトラーナ・イワーノワ、アンナ・ラヴリネンコ、エレーナ・フィルソーワ
大きな白鳥:アレクサンドラ・イオシフィディ、ヴィクトリア・ブリリョーワ、ダリア・ヴァスネツォーワ、アナスタシア・ペトゥシコーワ
2羽の白鳥:マリーヤ・シリンキナ、アナスタシア・ニキーチナ
スペインの踊り:アレクサンドラ・イオシフィディ、アナスタシア・ペトゥシコーワ、イスロム・バイムラードフ カミル・ヤングラゾフ
ナポリの踊り:アンナ・ラヴリネンコ、ワシーリ-・トカチェンコ
ハンガリーの踊り:オリガ・ベリク、カレン・イオアンニシアン
マズルカ:リリア・リシュク、ユーリア・ステパノワ、マリーヤ・シャヴィコワ、イリーナ・プロコフィエワ、ドミトリー・シャラポフ、セルゲイ・コノネンコ、ソスラン・クラーエフ、イワン・シートニコフ
花嫁たち:ヴィクトリア・ブリリョーワ、ダリア・ヴァスネツォーワ、アリサ・ソドレワ、エカテリーナ・ボンダレンコ、ヴィクトリア・クラスノクツカヤ、ユリアナ・シェレシケヴィチ
指揮:アレクセイ・レプニコフ
オデット/オディール:ディアナ・ヴィシニョーワ
ジークフリート王子:イーゴリ・コールプ
王妃 (王子の母):エレーナ・バジェーノワ
王子の家庭教師:ソスラン・クラーエフ
道化:グリゴーリー・ポポフ
悪魔ロットバルト:コンスタンチン・ズヴェレフ
王子の友人たち:エカテリーナ・イワンニコワ、アナスタシア・ニキーチナ、アレクセイ・ティモフェーエフ
小さな白鳥:エレーナ・チミリ、スヴェトラーナ・イワーノワ、アンナ・ラヴリネンコ、エレーナ・フィルソーワ
大きな白鳥:アレクサンドラ・イオシフィディ、ヴィクトリア・ブリリョーワ、ダリア・ヴァスネツォーワ、アナスタシア・ペトゥシコーワ
2羽の白鳥:マリーヤ・シリンキナ、アナスタシア・ニキーチナ
スペインの踊り:アレクサンドラ・イオシフィディ、アナスタシア・ペトゥシコーワ、イスロム・バイムラードフ カミル・ヤングラゾフ
ナポリの踊り:アンナ・ラヴリネンコ、ワシーリ-・トカチェンコ
ハンガリーの踊り:オリガ・ベリク、カレン・イオアンニシアン
マズルカ:リリア・リシュク、ユーリア・ステパノワ、マリーヤ・シャヴィコワ、イリーナ・プロコフィエワ、ドミトリー・シャラポフ、セルゲイ・コノネンコ、ソスラン・クラーエフ、イワン・シートニコフ
花嫁たち:ヴィクトリア・ブリリョーワ、ダリア・ヴァスネツォーワ、アリサ・ソドレワ、エカテリーナ・ボンダレンコ、ヴィクトリア・クラスノクツカヤ、ユリアナ・シェレシケヴィチ
以前名古屋にマリインスキーが来た時のオーケストラがザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団で、音が非常に不安定だったのに対し、やはり自前のマリインスキー劇場管弦楽団は安心して聴いていられたのが良かった。
1幕目の王子の友人達として、男性1人、女性2人で踊るところが、男性役のアレクセイ・ティモフェーエフのテンポが遅れていて、ジャンプもいまひとつ。2回転を3度行う時には、一度もばちっと着地が出来ておらず。
偶然、終演後に外で見かけたら、案外細くてすらっとしたイケメン君だったが。

群舞がとても綺麗だった。
今まで、「白鳥の湖」というと、ABTで4回、キエフ、サンクトペテルブルグ、グルジア国立を観たが、特にABTなどでは全然そろっていない状態ばかりだったので、高く上げた手先の角度やアラベスクにした時の足の高さなど、さすがと言う印象だった。
最初のほうで一度、群舞の舞台向かって右側の列の後方のひとりがバランスを崩してステップアウトしていたが。
(この画像は2008年のガラパーティの時)

2幕目の黒鳥のヴィシニョーワは、がぜん白鳥よりも似合っていたかと。定番の32回転グランフェッテを当たり前のように期待していたところ、なんとなんと、やったのが高速のピケターンによるマネージュ。
勿論、グランフェッテをしないバージョンもあるのだそうだが、やはりグランフェッテと言えば、この黒鳥か、ドンキホーテのキトリが代名詞になっているかと思っていたので、とにかくビックリ。
ただし、ヴィシニョーワのピケターンのマネージュは、今までこんなに綺麗で速いものは観たことがないと言ったぐらいで、これはこれで良かった。その後で、コールプもマネージュをするのだが、何だか色あせて観えるぐらいだった。
フェッテ:素早く脚を前方もしくは後方へ振り上げたり、素早く脚を回す回転技巧。
ピケ:膝を伸ばしたままポアントで立つこと。
マネージュ:舞台上で跳躍や回転技を連続して行いながら、円の軌跡を描くこと。
前夜は東京で公演し、名古屋に入って公演後にふたたび東京に戻るというハードなスケジュールだったようだが、1幕目の最後にカーテンコールがされている最中にもハープ奏者が練習しているのは初めてだったかも。
ヴィシニョーワの瀕死の白鳥を観た時も、ロパートキナなどの消え入りそうな瀕死状態の表現ではなく、最後にばたっと倒れるような表現をしていたが、やはり彼女はアスリート系白鳥。その素晴らしい身体能力をいかんなく発揮した技巧は素晴らしいが、両手を左右に広げて手を波のように動かしながら舞台右手に消えていく時は、筋骨隆々な腕ではやはりニーナ・アナニアシヴィリのような腕の動きにはなれず。
総じて、レベルの高い公演になっていた印象で良かったかと。
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