ガラスと陶器の博物館であるアーブギーネ博物館を見学後、絨毯博物館 へ行った。
イラン各地の絨毯が展示されている。


インディゴ、ザクロ、コチニール、ミョウバン(alum)など、さまざまな物でウール、コットン、シルクを染めて使う。

100年以上古い絨毯が多い。
1センチにいくつの結び目を作って編んであるか(ノットカウント)でその価値が変わって来る。
Radjと言う単位で表し、ウールでも羊の喉の部分の柔らかく細い毛であれば100Radjぐらいまで、シルクは160Radjぐらいまで結べるのだそう。
その為、シルクを編む人は視力が良くないと編めない。
デザインも、左右がシンメトリーであればデザインはその片側分、つまり絨毯1枚の半分だけであり、左右上下がシンメトリーであれば、絨毯1枚の4分の1のデザインということになるので、シンメトリーなどでないほどデザイン性が上がることになる。
大きい絨毯ともなると、4人が一列になり、読み手がデザインを読み上げる中、編むのだそう。ただし、複数で編む場合、力の入れ具合で横幅が異なってきてベコベコとした物となってしまう。
因みに、ウールの絨毯は踏まないとダメになっていくのだそう。
カージャール時代の絨毯。良く良く見ると、色々な
似顔絵になっていてその横に番号がふってある。

テヘラン絨毯
コットン、シルク、ウール
50Radj

お祈り用の絨毯には、人の顔や動物などはダメ。
そのような絨毯であれば、上に布を敷けば
お祈り用として使える。

タブリーズ絨毯
1805年のもの。
非常に大きいので、天井からさげていても下の部分は巻き込まれているまま。
ウールとコットンで、60Radj

イスファハン絨毯
天国の門をイメージして19世紀に編まれたもの。
シルクとウール 70Radj

ペーズリー柄は、イラン語ではボテと言い、
イランが発祥の地

カージャール時代の女性の服装や容姿を
絨毯を通しても知ることが出来る。
女性も眉毛がつながっている。
まるでメキシコのフリーダカルロのよう?

立体的に編まれているものも。

カシャーン絨毯 16世紀後半のもの。40Radj

ケルマン絨毯
1905年。
コットンとウール。50Radj
世界各国の王様や賢者をデザインしてあり、リンカーン、ジョージ・ワシントンなども描かれている。
日本の天皇陛下もいるのだが、どう見ても日本人には見えない・・・


バクティアリ(Bakhtiyari)絨毯
1816年。ウールとコットン 55Radj
リバーシブルとなっており、
反対側からも見ることが出来る。

博物館全体も、機織りをイメージした
建築物となっている。
ワールドカップサッカーのFIFAの為に制作している絨毯があり、参加する全ての国を入れたデザインとなるが、上位3か国を描く場所はギリギリまで空けておくのだそう。4年かけて作られ、費用は1億6千万円相当なのだとか。
近年、カージャール朝の子孫から50枚もの絨毯が寄付されたのだそう。
絨毯と言っても、色々なデザインがあり、なかなか面白く、さすがはペルシャ絨毯の最高峰の博物館だった。
続いて、宝石博物館 へ。その様子は追って。
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