昨年末から公開されている映画の「レ・ミゼラブル」。
このミュージカルが、とりわけ大好きなだけに、是非観に行きたいと思っていたが、なかなか都合がつかず今日となった。
 
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配役:
ジャン・バルジャン : ヒュー・ジャックマン
司教 : コルム・ウィルキンソン
ジャベール : ラッセル・クロウ
ファンティーヌ : アン・ハサウェイ
コゼット : アマンダ・サイフリッド
(幼少期 : イザベル・アレン)
マリウス・ポンメルシー : エディ・レッドメイン
テナルディエ : サシャ・バロン・コーエン
テナルディエ夫人 : ヘレナ・ボナム=カーター
エポニーヌ : サマンサ・バークス
(幼少期 : ナタリア・エンジェル・ウォレス)
アンジョルラス : アーロン・トヴェイト
 
レ・ミゼラブルのミュージカルは、ロンドンでの公演(85年か87年か記憶が定かでないのだが、85年だったら初演キャストを観ていたことになる)、日本での初演(鹿賀丈史、滝田栄、島田歌穂、岩崎宏美、斉藤由貴、野口五郎、斉藤晴彦、鳳蘭など)、NYでの公演はロングラン時と2007年の再演時に観ているので、映画は期待せず、あえてネットなどでの予備知識なしに行ったのだが、映画ならではのカメラアングル(顔のアップ、CG、空撮など)も加わり楽しめた。
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まず、新しい曲が1曲あったのに驚いた。
馬車の中でジャン・バルジャンの膝枕で安心して眠っているコゼットを撫でながら、彼が歌う曲。
今回の映画の為に追加された 「Suddenly」 は、よりジャン・バルジャンのコゼットへの気持ちを代弁する良い楽曲となっている。

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ヒュー・ジャックマンの多才ぶりを改めて実感させられた。
2004年にブロードウェイミュージカルの「ザ・ボーイ・フロム・オズ」でトニー賞のミュージカル主演男優賞を取っており、観に行った友人もイチオシと言っていたのに、行くチャンスを逃したのは悔やまれる。トニー賞やアカデミー賞の司会もつとめたこともある。
そう言えば、知人の男性がNYのスポーツジムの更衣室で偶然ヒュー・ジャックマンと一緒になり、筋肉隆々、とてもかっこ良かったので、(お互い半裸状態だったそうだが)握手してくれとお願いしたと言っていた。

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フォンテーヌ役のアン・ハサウェイ。
彼女のイメージは「プリティ・プリンセス」や「プラダを着た悪魔」。ちょっと変わったところでは「ブロークバック・マウンテン」を思い出したのだが、こんなに歌って演技も良い女優さんだったとは。髪を切り、3ヶ月で11キロもの減量をしての死の床で歌う「Come to me」 はカメラが彼女のアップをひたすらおさえなかなか良かったかと。

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ラッセル・クロウが歌えるとは知らなかったのだが、昔はバンドのボーカルをやっていたのだとか。
彼が法律の番人としてパリの町を見おろしながら屋上のへりを悠々と歩くシーンと、法律と正義とのジレンマから自らの命を絶つ時に同様にへりを歩くシーンが印象的だった。

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アマンダ・サイフリッドは、そう言えば映画「マンマ・ミーア」に出ていた。あまりにメリル・ストリープのはじけぶりに目を奪われ、彼女の歌唱力も何も記憶になかったが、こんなに高音が綺麗に出せる人だったとは。 

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配役としては、エポニーヌ役のサマンサ・バークスは、もともとロンドン公演でエポニーヌとして出演しており、2010年に行われた25周年記念コンサートにも出ていた人。
何でも、ヒュー・ジャックマンやアン・ハサウェイ、ラッセル・クロウが早々に決定されていたものの、エポニーヌ役には、リア・ミシェル、スカーレット・ヨハンソン、テイラー・スウィフトが候補にあがっていて、ハリウッド女優ではない彼女が選ばれた為か、映画では彼女の良さがもっと出ていても良かったような。。。それにしても細いウエスト! これで歌えるというのも凄い。

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マリウス役のエディ・レッドメイン(右)は純粋でいちずな青年役。アンジョルラス役はアーロン・トヴェイト(左)がしていたが、私としては、もう少し年上のリーダーを意識させるような、ブロードウェイでリバイバルの時に演じていたアーロン・レーザー Aaron Lazarのようなちょっと濃い目のキャラの方がより印象に残ったような気が。。。(アーロン・レーザーはこちら
 
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テナルディエ夫人のヘレナ・ボナム・カーターは、まるで映画「スイニー・トッド」のミセス・ラヴィットと見間違うようなイデタチで、同じように色々なもので挽肉を作っているシーンには笑ってしまった。彼女も若い頃は「眺めの良い部屋」などでの透明感のある女優さんだったはずだが、いつの間にやらガッツリ稀有な女優さんに。パートナーであるティム・バートン監督の影響かなぁ。
テナルディエ氏役のサシャ・バロン・コーエンはコメディアンなのだそう。
 
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ミュージカル版に出演していた人達も数名映画に出ていたと、後から知った。司教役のコルム・ウィルキンソンはジャン・バルジャンのオリジナルキャスト。10周年記念コンサート、25周年記念コンサートにも出ていた大御所だが、どうりで司教さん役でも歌がうまいわけだと納得。
 
オリジナルキャストのエポニーヌ役のフランシス・ラッフェルが売春婦役で出ていたとのこと。。。
ジャベールやマリウス役をやっていたハドリー・フレイザーが、映画では軍士官としてバリケードを破る大砲の号令をかける役どころとなっていた。
 
ブロードウェイでの再演のジャベール役はアフリカ系アメリカ人のノーム・ルイスで、25周年記念コンサートでも彼がジャベール役を務めていたが、今回映画では、アフリカ系の人は最初の囚人達のシーンでちらっと写った程度。
ミュージカル舞台では歌ありきとなるので、フィリピン系の女優さんがエポニーヌやフォンテーヌをやったりもしていたが、映画ではなるほどビジュアルも必須条件だなと。
それにしても、ジャン・バルジャンもジャベールも、オーストラリア人が演じているとは何だか意外。
アン・ハサウェイとアマンダ・サイフリッドはアメリカ人、サマンサ・バークス、ヘレナ・ボナム・カーターを始めほかの人達にはイギリス人が多い。
 
来年には、またまたブロードウェイで上演されるとか。どのような配役になるか、ちょっときになるところ。
 
今回の録音は音源をスタジオで別どりしてその歌声に合せて撮影するものではなく、実際に撮影現場で歌うことでより臨場感を出すという撮影方法。ヒュー・ジャックマンなどは毎日毎日何時間も歌い続けていた為、家では筆談するなど喉を休めていたとも聞く。
そこまでの拘りのある映画で素晴らしいと思ったのだが、「アメリカンアイドル」 から出たアダム・ランバートは、歌のプライオリティーが低くなってしまっているので、彼らの歌声はスタジオできっちり録音すべきだったとツイッターで言っていたりもする。
 
レディースデーに行ったこともあってか、あちこちからすすり泣きが聞こえ、シニアのオジサマもティッシュを取り出しておられた。
 
 
通常、映画観賞まで書かないのだが、今回は好きなレミゼということもあり、備忘録として。