アメリカ人の友人が、「日本と言えば、お猿さんが温泉に入るって聞いたけど本当?」 といきなり尋ねてきてビックリしたことがある。その写真などは観たことがあったが、一体どこなのかも知らなかった。
・・・ということで、3連休となったこの週末、是非とも温泉に入るお猿さんを観に行ってみようかと、長野の地獄谷温泉に行き、2日目は諏訪にある毒沢鉱泉と、これまたおどろおどろしい名称の所に行くことにした。
 
幸いにお天気が良かったので、安曇野界隈からは、常念岳~白馬までの北アルプスがとても綺麗に望めた。
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長野市内にはお昼に到着したので、山とも庵 でお蕎麦を。

地獄谷温泉

地獄谷温泉に行くには、冬季は、上林温泉の駐車場に車を停めて、このような雪道を片道25~30分ほど行かねばならない。そこに唯一ある宿の 「後楽館」 に泊まることにしていたので、荷物はコンパクトにリュックにして向かう。
地獄谷とは凄いネーミングだが、98度もの噴泉の影響からか、昔から地獄の地とされていたのだそう。
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やれやれお宿に到着。
 
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1864年から営業されているお宿。
現在の館主は竹節家の7代目にあたられるが、もともと竹節家は庄屋さんをつとめるお家だったが、3代目の方が財産を使い過ぎでしまい、この地に湯治宿を建てられたのだそう。
現在は、国立公園内の鳥獣保護区になっていて、このお宿のすぐ目の前にある 「野猿公苑」 に集まるお猿さんが、ここのお宿の露天風呂にもやってくるとのこと。
宿は斜面に建っているので、結構階段が多くて複雑な造り。
 
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名物温泉ちまき。糯米をクマザサで包んで温泉で茹で上げたシンプルなちまきを、黄な粉をつけていただく。
 
チェックインをして荷物を置いた後、今回の目的である宿からすぐの所にある 「野猿公苑」 へ。
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温泉の周りには凄い観光客の数。特に外国人、しかも西洋系の人達がとても多いのにはビックリ。温泉に入る猿達がスノーモンキーとして海外に紹介されてからと言うもの、東京などから外国人専用のツアーバスなどで来るのだそう。
 
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現在約160頭の猿達がやって来ているとのこと。
もともとは、猿が食料にしていた木々の林が人間の手によって切り倒されてしまい、すみかを追われ餌がなくなり、猿が地獄谷付近まで下りて来るようになった。しかし、猿の数に対して、地獄谷界隈の木々では食べる量が足りない為、リンゴ農家のリンゴを食べてしまうようになる。
林野庁に猿を駆除する許可願いを出したことから、政府は有害動物と認めて50頭を射殺して良いと許可を出した。初代の苑長となられた方が、それに反対。猿を殺さずにリンゴ畑の被害を減らす為、上流の決まった場所に猿を集めて餌付けをすれば、食べ物が足りれば畑を荒らさないとの発想から、活動を開始。猿達に、人間は危害を加えるものではないと覚えてもらうまでが大変で、200メートルから100メートルまで近づくのに1年、100メートルから50メートルにするのに更に1年、50メートルから20メートルにするのに3年かかり、ようやく1964年に餌付けに成功。
そのうち、小猿の一匹が温泉に興味を持って入るようになってから、母親なども入るようになった。温泉の中に入るのは、主にメスと子供達。オスは現在未だ一頭だけなのだそう。
 
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兄弟?姉妹?と思える若い猿がお互いの毛づくろいをしていたり。
  
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可愛い小猿は、温泉が通るパイプの上にべたっとお腹をつけてくつろいでいたり。
 
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母子のスキンシップは見ていてほほえましい。
  
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大勢の観光客が取り囲んで見ている中でも、気持ちよさそうに寝ている。
 
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赤ちゃんにおっぱいをあげながら、うつらうつらしているお母さん。とてお良い表情をしていた。 
 
 
猿は湯冷めをしないのかなと思うのだが、、、(野猿公苑の HP より)
ヒトは、皮膚の汗腺から汗を出し、その気化熱で体温を調節しているため、湯上りに必要以上に熱を放出してしまうと、体温が急激に下がりすぎて湯冷めをします。サルのように全身を毛に覆われた動物は汗腺が少なく、汗をあまりかかないために、急激な体温変化は起こりにくいのです。更に、寒冷地適応で体の末端の毛細血管が収縮し体温を奪われない機能が発達しています。そのため、サルはヒトと比べると湯冷めをしにくいと言えます。雪の上で裸足で暮らしていても霜焼けにならないのもそのためです。
野猿公苑を楽しんだ後、我々も宿に戻って温泉へ。その様子は追って。