地獄谷温泉の野猿公苑 を2日続けて訪れた後(その様子は こちら や こちら)、

小布施 へ。
小布施には、以前に 仙仁温泉 に行った時に寄ったが、それほどゆっくりいなかったので、今回は散策することに。

小布施(おぶせ)は、北信濃の千曲川東岸に位置し、千曲川の舟運が発達した江戸時代には、交通と経済の要所として栄えた。当時は定期的な市「六斎市」がたち、人、物、情報が集まったことから、「逢う瀬」が現在の地名の由来と言われている。観光用に造られた町ではないそうだが、あちこちに昔からの蔵や土塀が続き、風情がある。
松葉屋本店



江戸時代創業の造り酒屋さん。
昭和9年(1934年)に造られた煉瓦の煙突の高さは22メートル。普通の煉瓦の煙突の耐久性は約60年なのだそうだが、ここのものは中に鉄柱が挟んであるので今でも現役。煙突に誘われて入ったのだが、丁寧に蔵までご案内してくださった。
松代藩の献上酒の蔵元で、昔ながらの和釜で醸している。奥に積まれて湯気をあげているのは、ダミー米。ご飯を炊く時でも釜の周囲や上の部分は中とご飯の質が異なるように、この釜でも同じことが起こる為、ダミー米なるお米を周りに敷き詰めるのだそう。

蔵の扉は防火の為にも非常に分厚い。

今もこの江戸時代からの蔵でお酒造りが行われている。


色々と試飲をさせてもらえる。
「本吉乃川」という銘柄があるのだが、新潟や福島にもあり、昔は日本酒の銘柄は県ごとの特許製で競合もなかった。その「本吉乃川」を伝承しつつ十数年前に「北信流」を造られた。
因みに、北信流とは、北信地方で昔から結婚式や宴会の席で行われるお祝いの儀式のことなのだとか。
同じ「生酒」でも、今季のものと昨年のものとでは、全く味が違っていたり、大吟醸でもレストラン用は割とさらっとお料理に合わせやすいもの、もっとしっかりした大吟醸は塩辛などといただきたい濃厚なものなどと、比較させてもらった。純米生原酒、大吟醸、純米大吟醸の生酒、酒粕、添加物を一切入れておられないお味噌なども購入。
桝一市村酒造
栗菓子で有名な小布施堂も経営している、創業宝暦5年(1755年)の酒蔵。すでに松葉屋本店で買ったので、ここは店内を見させてもらっただけ。


町並修景地区 を散策。



渋い建物があちこちにある。



小布施の栗の歴史は、今からおよそ600年前の室町時代に始まると言われている。当時、この地方の領主だった荻野常倫が故郷の丹波国から栗をとりよせて植えたのが始まりと伝えられており、小布施の土壌が栗の育成に適していた為、江戸時代にはすでにうっそうとした栗林が広がっていたとのこと。松代藩が毎年秋に栗を将軍家に献上する習わしとなっていたぐらい。
町並修景地区はそれほど広くはないが、小布施堂本店開業後、桜井甘精堂や栗庵風味堂など他の和菓子店も町並修景地区に隣接して店舗を構えているので廻りやすい。
何でも、小布施町内には9つの和菓子店があり、特にそれぞれ栗菓子を扱っているとのこと。
無類の栗好きな我々としては、小布施栗のスイーツの梯子をすることに。
長野電鉄

小布施を後にし、この日の宿泊先である 下諏訪 の 毒沢鉱泉 へ。下諏訪に向かう途中、長野と群馬の県境にある浅間山がとても綺麗に見えた。下諏訪の様子は追って。
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