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パリ・オペラ座バレエ団が来日、 「天井桟敷の人々」 が名古屋で2公演、東京で4公演、行われる。
名古屋での初日は、芸術監督であるブリジット・ルエーブルさんの講演を聞きに行き(その様子は こちら)、翌日、公演を観に行った。(演出のネタバレ多々あり)
 
音楽 : マルク=オリヴィエ・デュパン Marc-Olivier Dupin
振付 : ジョゼ・マルティネス Jose Martinez
指揮 : ジャンフランソワ・ヴェルディエ
管弦楽: 名古屋フィルハーモニー管弦楽団
 
ガランス : アニエス・ルテステュ Agnes Letestu
バチスト : ステファン・ビュリオン Stephane Bullion
フレデリック・ルメートル : カール・パケット Karl Paquette
ラスネール : Audric Bezard
ナタリー : Melanie Hurel
エルミーヌ夫人 : Ghyslaine Reichert
モントレー伯爵 : Yann Saiz
 
ステファン・ビュリオン (バチスト役)
TVのインタビューでも、マイムの部分が難しいと言っていたが、彼の役であるバチストは実在の人物で、ピエロは初めて彼が作り出したのだとか。
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アニエス・ルテステュ (ガランス役)
彼女の雰囲気なのだろうが、柔和なイメージがしてバチストを悩ませる魔性の女性?と言った印象は
あまりしなかったかも。今回の衣装は彼女が全部担当しているのだそう。
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カール・パケット (フレデリック・ルメートル役)
ある意味、一番出番が多い美味しい役どころかも。1幕目では、女たらしの俳優ルメートルを、幕間には、その俳優が演じる劇中劇の「オテロ」役を、そして2幕目冒頭のバレエシーンでは主役の役を。
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 1幕目が終わると、天井から何枚かのチラシが落ちて来るという演出。そして、劇場の廊下には、1幕目で黒子の役で登場していた白いマスクに黒装束の男性が、チラシを配っている。
「大階段劇場 今夜初日 フレドリック・ルメートルの『オテロ』 」 という内容で、1幕目で登場した俳優ルメートルの劇中劇が、大ホール外の吹き抜けの部分で行われるので、観客は一旦再入場券をもらうなどして外に出る。
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昔の映画にある 「すけたけ、すけきよ」 を思い出してしまったのは私だけだろうか・・・
 
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劇場外に出ると、1幕目で舞台上で演奏していたヴァイオリニストの方が、今度は燕尾服に着替えてすでにスタンバイ。女性のダンサーもこの姿勢でスタンバイ。
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 パリ・オペラ座バレエ団の本拠地であるガルニエ宮では、大階段があり、そこの階段で女性が横たわっているところから始まるのだが、ここは数段しか階段がなく、植え込みがあってみたりすることから、それに合せた動きとなっていた。  
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オテロが、デズデモーナが浮気をしていると誤解し、彼女を絞殺してしまう・・・というシーンを演じてくれた。振付は同じくジョゼ・マルティネスによる。
 
(※動画は削除させて頂きましたので、ご了承ください。 5月29日’13)
 
2幕目の最初のスタートも面白い。1度しかないインターミッションでの劇中劇を楽しんで席に戻るとすでに幕があがっていて、舞台上では、まるで普段の稽古場のような簡易なウエアにチュチュをつけた格好で、今回のバレエの振付家であるジョゼ・マルティネス氏がダンサー達に注意を与えたりしている。また仮面を付けた黒子が、舞台や上階に現れるなどのにくい演出。一体これは未だなの?もう始まってるの?と思っているうちに徐々に照明が落ちて勝手に始まっており、オーケストラピットに指揮者が現れて拍手~!みたいな始まり方ではない。
 
2幕目最初は劇中劇のバレエダンスのシーンで、エルミーヌ婦人達は舞台袖付近に置かれた席で観劇。カーテンコールでは、舞台に現れてダンサーに花束をエルミーヌ婦人が渡すなどちゃめっけたっぷり。
ただ、気になったのは、バレエシーンの群舞。ロシア系のばっちり揃ったものとは異なり、揃っていないからこそ、個での動きの多い振付になったのかなぁと余計なことを思ってみたり。。。
 
ガランスがバチストの舞台を観に来ているシーンでは、実際にガランスが2階バルコニー席にいたり、はたまた舞台からオーケストラピットに担がれ、そのまま観客席まで担がれた後、通路を去って行く・・・
 
他のバレエ団の公演時には、オーケストラのとんでもない演奏に興ざめになったこともあったが、名古屋フィルの安定した演奏に加え、舞台上でアコーディオン、バイオリン、ピアノ、コントラバスなどが使われるのも面白い。
文字通り、盛りだくさんな演出で楽しめた。