琵琶湖の湖西の海津の宿場で、200年以上されている鮒すし屋さんの「魚治」さんが経営されているお店へ。
現在は6代目がなさっていて、「魚治」さんの道向いの湖畔に位置し、作家の故遠藤周作氏が自身の「狐狸庵」という名前をもじって「湖里庵」と名付けたお店。

近江料理は5775円のコースから4種類あり、鮒寿司懐石は9240円、11550円、15015円とある。11550円の鮒寿司懐石を依頼。

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まずはお抹茶と和菓子でひといき入れる。


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すぐ近くにある明治10年創業の吉田酒造の大吟醸と共にいただく伴和え。
鮒寿司の鮒と飯の両方を和えて、少し味付けが施してあるとのこと。とにかく美味。

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左手前から時計周り:

鮒寿司の甘露漬け
甘露漬けは、一旦飯と漬け込んだ鮒寿司の飯をはずして再度酒粕で漬け込んだもので、よりまろやかになる。
サーモン、トコブシ、空豆。
奥にある黄色いものは、「鴨山吹」。奥で画像ではわかりにくいが、上には黄身、チーズ、鴨のミンチの3層になっている。
梅のシロップ漬け。
稚鮎の木の芽和え。




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茄子、雲丹、じゅんさい、針生姜
お椀の蓋を開けるとてっせんが
描かれていて季節感が感じられた。


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琵琶湖の固有種である天然の琵琶鱒のお造り
脂がほど良く乗っていて美味しい。


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鮒寿司とチーズ包み
乳酸菌発酵食品どうしがコラボして、
まろやかになって美味。



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鮒寿司の揚げもの
薄いパンに鮒寿司の鮒部分をはさんで揚げたものと、パンに鮒寿司の飯をはさんで揚げたもの。
揚げたてなので、運ばれて来た状態で、ぷ~んと良い香りが漂って来て、これも美味しい。
パンは薄いので、全く重たくない。


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鱧とキュウリの酢の物
鱧は一旦揚げてあり、ウドも入っていて、
上には黄身酢餡。




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鮒寿司のとうじむし
湯葉でくるまれた中には、普通のご飯と鮒寿司が入っている。
あんが優しいお味付。

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鮒寿司のお吸い物
鮒の頭部分を炙ったものがお吸い物に入っていて、ゼラチン状で香ばしく美味しい。

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鮎の塩焼き
琵琶湖の鮎は、相対的に小さい。
たで酢がついて来たが、関西だなぁと実感。今まで、関西や東京では鮎にたで酢はつきものと思っていたが、岐阜の鮎にはたで酢はめったとつかない。岐阜の鮎を食べだしてからは、その鮎のせっかくの香りをたで酢が消してしまうかと。




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鮒寿司のお茶漬け
とても良い香り。




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お漬物
画像の奥のものはたくあんかと
思いきや、筍の醤油煮。


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フルーツ
スイカと白桃



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ひざにかける屋号入りのナプキンも
持って帰らせてもらえる。

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海津大崎から彦根が望める。海津大崎の桜は日本100選にも選ばれていて、春はとても綺麗なのだそう。


おかみさんから、色々とこの地域のお話なども聞かせて頂き、美味しく、楽しい食事となった。以下はその受け売りの備忘録。
  • 海のものは若狭が近い、川は琵琶湖。
  • 鮎を専門に獲る「すくい」というおいさげ漁が行われている。 
  • 鮎を生きたまま獲る為に、湖岸を歩いてカラスの羽根で追って、たもで受けるという昔ながらの漁法もこの時期に行われるとのこと。
  • 天然の鰻も獲れる。1メートルぐらいの竹の筒をしかけてタモで獲っているとか。
  • まるこ船 : 湖上交通が発達した頃、北前船の荷物を敦賀から荷揚げし、海津まで運んでまるこ船で京阪神の方へ運んだ。
  • 津=港という意味で、海津は日本海に一番近い港と言う意味で、海津と名付けられた。大津は大きな港、滋賀県中のものが集積したことから。塩津は若狭の塩を京阪神に運んだということから。

父がお酒のあてにここ(魚治)の鮒寿司を食べていたのを、4~5歳の私は卵だけ先に取って食べていたりと、幼い頃からここの鮒寿司を食べていたので、私の中で鮒寿司と言えばこのお店の味。
納豆も嫌いで、背の青い魚も嫌いだった京女の祖母も、何故だかここの鮒寿司のお茶漬けは大好物だった。

懐かしい鮒寿司のさまざまな調理法で堪能でき、楽しい食事となった。
醍醐の鍋なる鮒寿司をスープにしたお鍋料理もあるとのこと。是非、また機会があればそれを今度は食べてみたい。


滋賀県高島市マキノ町海津2307
www.uoji.co.jp/korian/K1.htm
0740-28-1010