
新演出のレ・ミゼラブルを観に行った。
このミュージカルは、NYで2度、ロンドンで1度、そして映画を観ているが、日本では日本初演の時以来。
因みに、初演時には、鹿賀丈志さん、滝田栄さん、島田夏帆さん、岩崎宏美さん、斎藤由紀さん、野口五郎さん、鳳蘭さん、斉藤晴彦さんなどが出演された。
今回、日本でも新演出バージョンを上演されるに当たり、東京での公演は本当に色々なことがあった。
山口祐一郎氏の降板、ジャン・バルジャンやジャベール役の福井晶一氏が怪我、そしてジャン・バルジャン役のキム・ジュンヒョン氏も怪我するなどで、2度も公演自身がキャンセルになったり、アンサンブルの赤座浩彦氏が事件で降板したり。
名古屋での公演では、問題がなさそうで良かったが。
新演出ということだったが、細かい部分は色々と変わっているが、大きく変わったなと思ったのは背後のスクリーンに映し出される最初の船のシーンと、逃げる時の地下水路。映像でより雰囲気が良く伝わっているかと。
また、残された喪服の女性達が舞台上に蝋燭を置き、それを亡くなった男性達が取って吹き消すシーンも印象的だった。
全体が非常に暗いとライティングについては聞いていたが、確かに。それほど苦にはならなかったが、それぐらい暗くして逆光やスポットでのライティングに拘るのなら、客席足元の非常灯を消す演出にもしてほしかった。

最初に捕まったり窃盗をする時と、亡くなる時とでは表情も全く別人のようだった。


タカラヅカ出身のかた。
NYでのリバイバル公演では、RENTのオリジナルメンバーである Daphine Rubin-Vega が
全くイメージ外でがっかりさせられたのだが、やっぱりフォンテーヌ役はこう来なくっちゃと
思わせてくれた。

声優としても活躍されている。とても上手だった。



アンジョルラス役
野島直人

非常に良く頑張っておられるのだが、未だ実年齢がお若いと感じられ、声質などももう少しおじさん声の方が、らしくて良いような・・・
ロンドンの10周年公演でも、若くてもおじさん風の人が演じていたし、日本の初演の斎藤晴彦氏のイメージがあり過ぎるのかなぁ。

結構披露宴に押しかけて勝手に色々食べるシーンでは本当に口に食べ物を入れるのだが、入れすぎて音に乗せたセリフが言いきれず、笑いを誘っていた。以前のテナルディエ夫人は鳳蘭さんだったので、やはりこれぐらいコミカルなのは面白い。
そう言えば、最初のフォンティーヌが働く工場のシーンの女工さん役として、多くの女性アンサンブルキャストの中に森久美子さんが混じっていたのには驚かされた。

舞台を回転させてバリケードのこちら側と向こう側とをうまく表現した前回の演出を踏襲したくなかったせいだろうが、加藤清史郎君扮するカブローシュがバリケードの向こう側で敵に撃たれて果てる名場面が、バリケードの向こう側から彼の声や銃声がするだけとなっていて、最後に彼がバリケードをよじのぼって仲間側にやってきて亡くなるという風になっていた。やはり前の演出が好きなだけに、ちょっと残念。
そのバリケードでは、最後にバリケードの敵側でアンジョルラスが頭を下に足を上にして果てるシーンも表現できないので、後から荷車に乗せられた死体として頭が下に下がっており、そこに加藤清史郎君扮するガブローシュも乗せられるという風になっていた。どちらが印象的なのだろうか。

平日お昼間だったが、満席。
メッセージボードは、すでに
いっぱい。
劇場内はあらかじめ携帯などが鳴らないようにスクランブルがかけてあったが、インターミッション中には、紙袋やビニール袋で音をたてるな、前かがみになると後ろの席の人が見えなくなるので前傾姿勢はとるな、などと放送がかかっていたのには、さすが日本だなぁと。
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