南アのお金は面白い。
お札には、ビッグ5 と言われる動物達とマンデラさんが描かれている(その様子は その1 で)。
なんと、偶然にもその時に写したコインの一枚が実はレア物で、額面価格より200倍もの価値がついていることが判明(その様子は その2 で)。
そしてそのレア物コインについて調べたところ、南アの公用語が11種類もあることから、毎年、順繰りに違う言語を各コインに表記しているとのこと。

11ある公用語のうち、北ソト語とソト語の 「南アフリカ」 という表現は同じだが、他は全部異なる、つまり10種類もの 「南アフリカ」 という表現がひとつの国にあることになる。
  • ツワナ語 (Setswana) Rephaboliki ya Aforika Borwa
  • 北ソト語/ソト語 (Sepedi/Sesotho) Rephaboliki ya Afrika-Borwa
  • アフリカーンス語 (Afrikaana) Republiek van Suid-Afrika
  • コサ語 (isiXhosa) IRiphabliki yaseMzantsi Afrika
  • ズールー語 (isiZuli) IRiphabliki yaseNingizimu Afrika
  • 南ンデベレ語 (isiNdebele) IRiphabliki yeSewula Afrika
  • ヴェンダ語 (Tshivenda) Riphabuḽiki ya Afurika Tshipembe
  • スワジ語 (siSwati) IRiphabhulikhi yeNingizimu Afrika
  • ツォンガ語 (Xitsonga) Riphabliki ra Afrika Dzonga
  • 英語 (English) Republic of South Africa
そこで、下記の表のように、10種類の言語を7種類のコインに表記する為、5ランド、2ランド、1ランドコインには左側と右側というように2種類を表記するようにして、毎年鋳造されるコインには、10種類の言語が必ずあるように工夫されている。

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例えば、Aとされている Tshivenda(ヴェンダ語)の南ア表記は 「Afurika Tshipembe」 で、表のAを見ると、2002年の5ランドの左側に、2003年には5ランドの右側に、2004年は2ランドの左側に、、、となっている。

手元にあったコインを写したので、コインの金額や発行年などは全くアトランダムで、単にどの言語が書かれているかだけのサンプルだが。
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左:ズールー語、右:コサ語

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左:ツォンガ語、右:スワジ語

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左:ツワナ語、右:英語

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左:ンデベレ語、右ズールー語

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左:英語、右アフリカーンス語(この国章は古いもの)

ランドの下のセントのコインには一枚にひとつの言葉となる。
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ヴェンダ語

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ズールー語
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ンデベレ語

尚、今回このように色々な「南アフリカ」の表記方法があることを教えてくれたのはこのコインとの出会いから。
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北ソト語とソト語は同じ表記の「Africa Borwa」

尚、通貨の 「ランド」 の語源はハウテン州を通る東西に広がった丘陵地帯、ウィットウォーターズランドに由来している。ウィットウォーターズランドの尾根にはヨハネスブルグが築かれ、またその一帯で南アフリカ最大の金鉱が発見されたことによる。なお通貨コードの ZAR は、南アフリカランドをオランダ語で表記した Zuid-Afrikaanse Rand から採用された。

因みに、古いコインには英語とアフリカンーンス。国章はいずれも古い版。
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古い1ランドにはアフリカーンス語

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古い10セントには英語

コインを見るだけでも、この国の歴史や、現在の状況が少しはわかったような気がする。