友人が、そろそろ野焼きのシーズンだから、夜になるととても綺麗よと教えてくれたのは、野焼きは野焼きでも、サトウキビ畑の野焼き。
クワズルナタール州には、とてもサトウキビ畑が多く、実際に我々の住むアムシュランガ地区もかつてはサトウキビ畑だった所を開発したのだとか。

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初めて見た野焼きは、夕陽も演出効果をしてくれ、とても綺麗だった。

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日本でも奈良は若草山の山焼き、阿蘇や別府などなど有名な所があって観光の対象にもなっているようだが、温室効果ガス問題が挙げられてもいる。
では、南アのサトウキビ畑の野焼きは?と少し調べてみることに。

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クワズルナタール州では、そのうちの391キロ平方メートルがサトウキビ畑で、毎年約79憶6176万ランド(=約796憶1760万円)もの収入を得ている。
どおりで、サトウキビ畑が多いわけだ。




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そして、サトウキビ畑からくすねてきた?
サトウキビが、高速道路沿いで売られている。





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クワズルナタール州

薄い緑のエリアは灌漑による作物
黄緑のエリアは雨水による作物
赤いマークがサトウキビ工場のある場所







通常、野焼きの目的は、何年も収穫し続ける為の土壌を保つ目的や、ヘビや有害な虫や成長を妨げる雑草などを駆除する為でもあるが、サトウキビ畑の野焼きは、その収穫前に行われる。
サトウキビ畑の約9割が野焼きされ、残る1割だけがそのまま収穫されている。

野焼きの場合は、
・温室効果ガスの放出
・電線や電線の鉄塔などを傷める
・煙が道路の視界が悪くなるなどを引き起こす
・大気汚染が健康被害を生み、喘息などを引き起こす可能性もある
野焼きを原因とするさまざまな弊害を鑑みれば、そのまま収穫する方がずっと良いように思えるのだが、さまざまな意見がある。

野焼きを行わずに収穫をすると、
・そのまま収穫する際に、葉や不必要な部分を取り除かねばならず、取り除いたものはゴミとなり、その処理の手間とコストがかかる。
・ゴミをそのまま放置しておいては作業効率が悪く、より湿けてしまい、寒い地方では、そのゴミにより土地を冷やしたままとなり、水はけを悪化させ、霜の被害を生むという意見に対し、そのゴミはバイオ油、バイオガス、炭に利用できるので、より有益という意見。。。
・より多くの人出や耕作機械が必要という意見に対し、農家は人手や耕作機械に支払う費用と同じレートでそのゴミを売ることが出来るので、より費用がかさむことはないという意見。。。などなど。


勿論、南アの農業省は、温室効果ガスの排出量を減らす為には、野焼きは奨励していないが、現状は:
現在、サトウキビ畑の野焼きは合法化されていて、地区で管理されている。
山火事や草原の火事を防ぐ為に、農家はあらかじめ行政に、場所、目的、日程と時間、天候による日程変更の予備日などを明記して申請料と共に申請し、行政からの許可を得る。また、土地所有者は農地から150メートル以内の人達に、7日以内に健康上の問題も含め野焼きの時には退避してもらうよう知らせなければならないと定めているが、この申請が、野焼きの軽減にはつながっていないのも事実。

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しかし、しかし、この日の野焼きは、夕暮れから夜になるにつれ、川に炎が映り込み、とてもとても綺麗だったので、野焼きの功罪はともかくとして、その美しさに見入ってしまったことをご理解いただきたい。