南アの春である10月半ばから、夏を越えて4月半ばまで、ツバメが「渡り Migration」 をしてやって来る。
その数、300万羽~500万羽と言われており、我が家から車で20分もかからない場所に、クワズルナタール州で一番規模の大きな、ツバメがやって来る所があるので、行ってみた。
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ツバメ Barn Swallow  Hirundo rustica
体重約18グラム。
4月~8月に北半球で巣作りをして4~6個の卵を産む。15~19日ほどで孵化し、両親によって餌付けされた雛は、20~22日で飛べるようになる。寿命は2~13年。
我が家の界隈では、コズアカコシアカツバメ(Lesser Striped Swallow, Cecropis abyssinica)が良く飛んでいるが、それらは7~8月頃に南アに到着して巣作りを行う。
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35.5ヘクタールの Lake Victoria にある葦を寝床にしているのだが、葦の寿命が5年ほどなので、2010年には、近くにある23.3ヘクタールの Froggy Pond に全てのツバメが引っ越したこともある。
1970年代にはすでに渡って来ていたそうだが、地元の人にしか知られておらず、1990年代になってようやく知られるようになり、2006年から観測されるようになった。
皆思い思いに、折り畳み用椅子やピクニックシートを広げて、ワインや食べ物を持ち込んで、ツバメがやって来るのを今か今かと待っている。

日没15分前頃からやって来ると聞いていたが、ほんとにいきなりやって来た。
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一方向からやって来るのではなく、あっちからもこっちからもやって来て、鵜や鴨のような綺麗な編隊で飛ぶわけでもなく、皆がバラバラに飛ぶので、遠くのツバメ達はまるで小さな虫の群れが飛んでいるようにも見えるぐらい。
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夕焼けが広がる中、まるで時計を持っているのか、誰かが合図でも送っているかのように、日没後5分ほどすると、いきなり、本当にいきなり、このいっぱいのスズメが、さっと葦の方に下降して綺麗さっぱり1羽も残ることなくその姿を消す。全く驚かされたわずか20分ほどの出来事だった。

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このアニメーションは niiss (The National Institute of Invasive Species Science) より拝借したもので、1年間のツバメの渡りの動きを表している。

ツバメは、アフリカ大陸には1億羽ほどが渡って来る。この Lake Victoria には、10月20日前後からやって来る。11月~12月半ばに300万羽~500万羽が、1月~2月は150万羽程度に減るが、3月には再びその数が増え、そして12000キロも離れた北半球のヨーロッパへと渡りを始める。渡りを行う機関は4~12週間で、海の上やサハラ砂漠の上も関係なく、一日に400キロも移動することもある。
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3月にはその数がまた増えるそうなので、また機会があれば、観に行ってみたいものだ。