南アフリカでは、もともと一夫多妻の文化のある民族だけには、一夫多妻制度が今も認められている。南アで一番人口が多いとされるズールー族がそうで、4人まで奥さんを持つことが出来、ズールー族のズマ大統領には現在4人のファーストレディがいる。

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2012年、ズマ大統領の70歳の誕生日に勢ぞろい。
紙面にはクインテット Quintet と書かれていた。





左の女性から、2012年に結婚した Bongi Ngema-Zuma, 2008年に結婚したもと看護師の NompumeleloNtuli Zuma, 2010年に結婚したもと行政官で社交界にも出ていた Thobeka Madiba-Zuma, 1973年に最初に結婚した田舎出身の MaKhumalo Zuma。
ちなみに、ズマ大統領は6人の女性と結婚しており、1人は離婚して内相となり、もう1人は2000年に自殺している(他殺説もあるが)。

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2013年の新聞記事なのでやや写真は古いのだが、4人の夫人達の結婚当初、その後、今が比較され、ファッションチェックなどもされていてなかなか面白い。
(Sunday Tribune 2013年10月27日の記事)









そしてゴシップが大好きな Sunday Times、先日、2月22日付けの表紙がこれ。

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上記クインテットの左から2人目で、もと看護師の夫人が、ズマ大統領に毒をもったかも?疑惑。
表紙に使われている写真は、2008年に結婚した際のもので、ズールー族の結婚式では、花嫁に客人達がこの写真のように紙幣を貼り付けるのだとか。
良く良く見ると、その紙幣の裏側は全部マンデラ大統領が描かれているが、そちら側は見せないように貼られている。客人達も気を遣ったもよう・・・







イメージ 4ズマ大統領と彼女の、ズールー族の
伝統的な結婚式の時のもよう。

あくまでもゴシップなので、その信憑性は全くもって疑わしいが、彼女が大統領に毒をもったとして、大統領の私邸である Nkandla のお屋敷群を追われ、現在は Durban North で3人の子供と住んでいるとのこと。
昨年6月にズマ大統領が体調を崩して入院し、2カ月後に訪米した際に毒がもられたと診断されたがアメリカでの診断を信じずに、後日ロシアで診断を受けたが同様の結果となる。
実は、彼女は、他の3人の夫人達から、浮気をしたとのことで告発されたことがある。彼女とズマ大統領との出会いも諸説紛々なのだが、ズマ大統領が度々訪れるダーバンの高級ホテルの清掃員だったところを見染められた説、イベントで出会った説など。
2008年に結婚したが、その時点ですでにズマ大統領の子供を2人産んでおり、2009年に3人目の子供を妊娠したが、ボディーガードと浮気をして出来た子供と取沙汰され、そのボディーガードは自殺。その事情を知っていた人に、彼女から20万ランド(約200万円)の口止め料が支払われ、その事実をその人が告白したところ、恐喝容疑で、3カ月の懲役、もしくは1万ランドの罰金と判決を受けた。

先月半ばに大統領が電力事情などで声明を発表した際に、他の3人の夫人達は列席したが、彼女だけは出席せず。
因みに、ズマ大統領はズールー族だが、その前のムベキ大統領も、マンデラ大統領もコサ族で、コサ族は一夫一婦制。
ズマ大統領の2009年~2014年までの4人の夫人達の公的費用は5460万ランド(約5億4600万円)に登るが、前任のムベキ大統領の場合は2005年~2008年の間に710万ランド(約7100万円)。

一夫多妻制度でも、夫の下に大家族を形成することが多いアジアや北アフリカとは異なり、アフリカの一夫多妻婚では、妻たちは別々に暮らしていて、妻子の家を夫が順に訪れるという形態が一般的とのこと。

2010年の統計によれば、南ア国民の4分の3近くが、一夫多妻に反対だと回答しており、女性では反対の割合は83%となっている。
アフリカの男性にとって一夫多妻婚の最大の魅力は、経済的誘引(数人の妻の労働力、広い土地と農業生産物の収量の増大により、富と高い地位を得る可能性)によるものであり、各国人口保健調査より一夫多妻婚女性の特徴として、早婚、低学歴で農村居住であることが挙げられる。
ただ、現在の南アでは、学や富のある人ほど西洋教育を受けているので、たとえ裕福なズールー族であっても一夫一婦としている人が非常に多いのだとか。

南アだけが一夫多妻を認めているわけではない。
西アフリカ : ブルキナファソ、マリ、セネガル、ナイジェリア、コートジボワール、ガーナ、モーリタニア、
中央アフリカ : チャド
東アフリカ : タンザニア、ウガンダ、ケニア、ザンビア、マラウイ、エチオピア、ジンバブエ
北アフリカ : モロッコ

もともとアフリカは一夫多妻制だったところにキリスト教が一夫一婦制をしいたことで、一夫多妻制を認めるイスラム教がより浸透していったとも言われているが、イスラム地域であろうとキリスト教地域であろうと、はたまたアニミズム地域であろうと、アフリカには一夫多妻の文化があるということのよう。