ハマル族の青年がお嫁さんをもらう資格を得る為の儀式、ブルジャンプ Bull Jumping なるものがちょうど開催されるとのことだったので、観に行った。場所や時間は口コミの為、現地ガイドさんの情報網が頼り。

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適齢期を迎えた青年の居る家の近くで行われるので、道路から延々と何時間も歩かないとたどり着けない場合もあるそうだが、この日は道路から割とすぐの所で行われるので、非常にラッキー。

車を降りて、関係者のハマル族の人達と共に浅い川をジャブジャブと越え・・・



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この日の主役である青年。
ダモ君と言うこの青年が、ブルジャンプに挑戦する。
ハマル族では、誕生日もわからなければ、年齢も
わからないので、何歳かは不明。
顔はおっさん臭い?が、ガイドさん曰く、14~15歳
だろうとのこと。



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と、いきなり、川や岸辺などあちこちで男性が女性を鞭打ち始めた!



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鞭を持った男性に、女性達が笛を吹くなどして近寄って行き、鞭打たれた後は、仲良く走って行く。



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あまりに衝撃的な光景に驚いた。
女性達の背中には、数多くのみみずばれの跡や、血がにじんでいる。

しかし、女性達は嫌がるどころか、進んで鞭打たれている。
鞭打たれる女性達は、今回儀式を行う青年の父方の親戚の女性達で、背中の傷が多い女性ほど、勇気があり、その青年など家族への愛が深いことの証明になるのだそう。
例えば、また別の親戚のブルジャンプが翌日行われるとすれば、翌日も鞭打たれなければならない。
一家に5人の息子がいたとしたら、父方の女性の親戚はその息子達の儀式の度に、つまり少なくとも5回は鞭打たれなければならない。
しかし、未婚の女性などは、鞭打った男性と後日会うなどした時に、その鞭打ちのことをきっかけに話が出来るなど、婚活?にも一役かっているのだと言うが・・・

あまりに痛そうなので、儀式の前にアルコールや薬でも接種しているのかと思ったのだが、全くそのようなことはないのだそう。


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男性達は、互いにフェイスペインティングをしていた。









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こちらは、青年の母方の女性達。
この日は鞭打たれはしないが、それでもかつての背中の傷を見せるべくTシャツなどをたくし上げている。






準備が出来ると、また皆でぞろぞろと、多くの牛が連れて来られている広場へ移動。

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青年の一家が所有している牛達。中には耳をカットしてオシャレ?をしている牛もいるが、牛の数が多いので、この一家は裕福な一家とのこと。

皆、一緒に住んでいるわけではなく、この儀式の為に集っている。

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牛の周りをまわっては、円陣を組んで一斉に跳びあがる。
こちらは父方の女性達。
手前の赤いシャツの女性が青年のお父さんの第二夫人とのこと。








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こちらは母方の女性達。
腰に付けているベルトが違うので、それで見分けられる。





それぞれ足に大きな鈴をつけ、笛を吹きながら動くので、なかなか賑やか。




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まるで牛を鼓舞するかのように牛の群れの中を笛を吹いている女性。

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女性は皆、重そうなチョーカーをいくつも身に着けているが、寝ている時も取り外しは出来ない。ご主人が亡くなるまでそのチョーカーは外せず、はめてもらった時と同様、専門の職人の所に行って外してもらわねばならない。もしご主人が亡くなり、ご主人の弟などがいれば、その人と再婚出来る。また、ご主人は、第一夫人、第二夫人とも亡くした場合、他の一家から奥さんを選べる。結婚は一年を通じていつでも行えるが、結納として、例えば30頭の山羊などが必要となる。

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先ほどのダモ君が、ブルジャンプ用の恰好になって登場。
ジャンプする為に使う牛を群れから7~8頭選ぶ。


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お父さんなど男性陣が見守る。
この日は、第一夫人はこの後行われるパーティーの食事の用意の為に来てはいない。




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選んだ牛を捕まえ、











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頭と尻尾を抑え込んで
並ばせ、







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ブルジャンプ!!









7~8頭の牛の背を、踏みながら超えて行くのを4回~6回(2往復~3往復)するのだが、彼は最初失敗し、次で成功した。上手くいかなかった場合は、翌年まで待たなければならない。



無事成功の後は、また女性達が喜びの歌と踊り?ジャンプ?を。


この後、皆は食事の準備されている家へと向かうのだそう。

非常に珍しい儀式を見ることが出来て、非常にラッキーだった。年末年始の時期で数多くの観光客が来ており、親戚など関係者よりも観光客が多いぐらい。カメラを向けても誰も嫌そうなそぶりを見せないのにも驚いたのだが、我々は旅行会社にしてもらっていたので詳しいことはわからないが、観光客一人当たり結構な金額がお祝い金として一家に支払われているとのこと。


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ホテルに戻ってビュッフェの夕食を。


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初めてレバー料理にお目にかかった。
スパゲティは、まるで名古屋の鉄板ナポリタン。