近年、南アでは人種問題が勃発している。

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10日(火曜)の午後、青いライトをつけた警察車両に守られて、黒人男性が、近所の道をデモ行進していた。信号待ちの時に撮ったので、ちょっと彼の挙げているプラカードがわかりづらいが、ちょうど同じ彼の様子が新聞に出ていた。
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黒人男性が掲げているのは「女性への虐待反対、レイプを止めろ、暴力反対」
とてもまともな事を言っているなと見ていただけだったのだが、これには意味があった。

昨年初頭に起きた、南ア黒人が外国からやって来た黒人を差別するゼノフォビア問題 Xenophobia (外国人排他)に始まり(その様子は その1その2その3その4その5その6で)、今年早々には白人女性が黒人達をお猿よばわりして大騒ぎ(その様子は こちら)、そしてまた問題勃発。
5月10日のAFPの日本語報道によると:
高等裁判所のマーベル・ジャンセン (Mabel Jansen) 判事はフェイスブック上で、「彼ら (黒人男性) の文化の中では、女性は快楽をもたらすためにいる」 「それは絶対的な権利とみなされており、 女性の同意は必要とされない」 「12歳くらいまでにレイプされた経験のない黒人の少女に私は会ったことがない。大真面目の話だ」 などとコメントした。
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この発言を受けて、各誌が反応。PRETORIA NEWS 5月10日付

PRETORIA NEWS 5月11日付
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Daily News 5月9日付
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Daily News 5月10日付
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THE MERCURY 5月10日付
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The Star 5月10日付
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CAPE TIMES 5月10日付
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判事の娘として生まれ、現在61歳の経験豊かな女性。かつて彼女の下した判決も、人種差別に基づいていなかったか検証が必要と言われている始末。

以下はあくまでも私の印象なのだが、
この白人女性判事が言った事実は、確かにその通り。私の知っている30歳代黒人女性は、レイプがいかに多いか、また付き合っている男性や夫から、いかに女性が暴力を受けているかを語っていた。女性側が反旗を翻したら?と私が言ったのだが、それは出来ないと。。。
上記フェイスブックの内容を、男性判事が発言していたのなら、完全な人種差別だと思ったのだが、女性判事が言っているので、私は、人種に関係なく彼女がひとりの女性として、黒人女性の窮状を訴えたくて書き込んだと感じた。前述のお猿よばわりをした白人女性などとは違って博識な判事なので、自分がフェイスブックに書き込むことによる社会に与える影響も類推でき、あえて一石を投じようとしたのではないか?と。
しかし報道は、女性差別問題ではなく、白人 vs 黒人 となっている。

その点について、南ア人白人女性(50歳代)に聞いてみたが、彼女は私の言いたいことは理解してくれたが私の意見に非常に驚いていて賛同は得られず、あまりそういうことを南アで皆に言うものじゃない、とまでアドバイスをされてしまった。そして、やはりこの判事はレイシストであり、アパルトヘイトは撤廃されたとは言え、素地は残っていると。

在南ア歴の10年の白人イギリス人女性(40歳代)とも話したところ、この女性判事が人種に関係なく弱い黒人女性の立場を慮って発言したとしても、彼女の真意は社会には伝わらず、南アと言う国はことごとく人種問題化してしまう。
白人が黒人に対して何かを言えば必ずレイシストとして問題視され、一方黒人が白人に対して何かを言っても何もレイシズムとして取り上げられない、と。確かにそう・・・

そう思うと、やはり私の考えは甘かったのかなと。。。