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今年1月に日本で 「サファリ」 なるドキュメンタリー映画が公開されたとのコラムを読んだ。ハンティングについてのオーストリアのドキュメンタリー映画 「サファリ」 は、それ自体は2016年に公開されていたものだが、日本では初公開。予告編しかネットでは見られなかったが、それだけでも驚きの映像ばかりを坦々と伝えていた。日本語訳付きの予告編は こちら
それでアフリカにおけるハンティング問題を想起させてくれた。

南アなどのアフリカのサファリで珍重されているビッグ5と呼ばれる動物達は、ライオン、バッファロー、レパード、サイ、ゾウ。しかし、もともとハンティングする際に狩るのが大変な5種類としただけで、危険度でいけばカバが入るのだが夜行性でハンティングの対象にならなかった為、カバは選ばれなかった。
サファリをする場所をゲームリザーブ Game Reserve、その場所の中を車に乗って動物を見ることをゲームドライブ Game Drive、野生動物のお肉のことをゲームミート Game Meat と言うが、もともとゲームは13世紀頃から使われ出した中世の狩猟のこと。英語の古語で、喜び、娯楽、スポーツ、歓楽などを意味する gamen と言う言葉からなのだそう。

特にこのようなハンティングを 「トロフィー・ハンティング」 と呼ぶ。角や皮、頭部の剥製などの狩猟記念品のトロフィーを目的とした狩猟で、食べる為の糧を得るものではなく、単に楽しみのために行なわれている。
現在、サハラ砂漠以南のアフリカ24か国で、野生動物の狩猟が許可されていて、年間1万8500人のハンターがアフリカにやって来ており、アフリカ諸国がこのトロフィー・ハンティングで得る利益は年間約217億円で貴重な観光収入源であったりする現実。

南アに2013年11月末から住みだした私は、年末年始の休暇に動物を観に行きたかったのだが、何処も既に予約がいっぱいで取れず、辛うじて泊まったロッジが、そのまさにハンティングを推奨しているロッジだった!
チェックイン時にも勿論何も説明がなく、部屋に動物達の写真の冊子が置かれていると思いきや何故だか動物達と共にライフルを掲げた人達が写っていて、よくよく見ると、その動物達は死んでいる・・・ 
ロッジの人曰く、生態系を維持する為に多くなった動物の頭数制限の為や、老いて繁殖能力のない動物をハンティングする。ハンティングのライセンス取得には莫大なお金がかかり、また、ハンティングした場合、殺した動物1頭に対し、同じ動物を2頭買ってそこに補充しなければならないと。
そのロッジの様子やその時に聞いた話は こちら

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そう言えば、2015年7月に、アメリカ人歯科医師がジンバブエで研究対象として保護されていた14歳のライオンの セシル をハンティングし、その写真をSNSにアップしたことで、大きな社会問題となった。
日本語の解説は こちら
より詳しい英語の解説は こちら 

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因みに、この歯科医師は相当なお金持ちだったようで、さまざまな動物のトロフィーハンティングをしていた。(画像はネットから)
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セシル問題が起こった時は、アメリカで反対デモが起こったり、色々な風刺画が新聞を賑わした。

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そして、アムシュランガのビーチでも、砂で作ったサンドアートのテーマとしてセシルが登場。

台所事情の悪いアフリカ諸国においては貴重な収入源であり、密漁撲滅とは全く違う流れなので、このままトロフィーハンティングは続くのかも知れないが・・・


追記 11月’19
米国のトランプ大統領の息子達も、ジンバブエでハンティング三昧。。。
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