今年は、3年ぶりにサーディンラン Sardine Run がやって来た。
我々の住むクワズルナタール州東沿岸のインド洋沖合に、南極界隈から30日以上をかけて北上して来るイワシの大群のことで、地球最大の魚群 the Greatest Shoal on Earth と言われる。

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6月18日の記事
10億匹ものイワシが北上する理由は不明だが、5月頃から東沿岸を流れる暖流を目指して来る。そしてそのイワシの大群を追って、イルカやクジラ、サメ、アシカ、カツオドリなどの海鳥が後を追って来るが、4大捕食者は、ホオジロザメ(Great White Shark)、クロヘリメジロザメ(Copper Shark)、ハセイルカ、ケープシロカツオドリ。そんなイワシの大群が作り出すサーディンランの大きさは、長さ15キロ、幅4キロ、深さ40メートルにもなる。
我々も2015年以来なので、是非にと、サウスコーストに繰り出した。

6月23日(土)
この日は、驚いたことに、メジャーなラジオ局の East Coast Radio の朝の9時のニュース、そして10時のニュースの第一声でも、政府のトピックを抑えて、サーディンランについて。Socttsburgh から Port Shepstone 界隈で見られるだろうとの報道。

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Peninngton Beach で。
イワシを獲るべく、多くの業者達が繰り出す。セスナやドローンなどでイワシの魚群の影を探す業者も居るのだそうだが、この辺りと思うと、イワシの群れを引き網で岸に誘導するべく、ゴムボートが行きかう。
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そのボートとの連携で、引き網漁を行うネッターさん達が海岸を行ったり来たり。

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勿論、その様子を見ようと、ギャラリーも大勢集まっている。

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しばらくして、インド系の仲買業者が保冷のトラックで集まって来た。
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Umzumbe のビーチでもネッターさん達やギャラリーが大勢集結。しかし、漁にはなっていない模様。
あいにく、この日は Pumula のビーチで獲れただけとのことで、皆さん空振り状態。
6月24日(日)
Pumulaビーチの Stiebel 界隈。 昔は、イワシの群れが海岸まで勝手にあがって来て、海岸に居るだけでイワシを手掴み出来たのだそうだが、今はボートを出して網で引き寄せている。 
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その名もサーディン通り。

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網をしかけに行くゴムボートを多くのギャラリーが見送る。

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2隻が網をしかけ、もう一隻がその網の端を岸に届けるべく戻って来た。

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ネッターさん達、と言っても、10代の若い男の子が殆どなのだが、ボスのようなインド系の男性の指示に従い、一斉に網を引く。
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しかしこの時は残念なことに網が沖の岩か何かにひっかかってしまい、網を破らないように軽くする為イワシをリリースして、空の網を引くことに。
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漁夫の利を求めて大勢のギャラリーがバケツなどを抱えて来ていたのだが、がっかり肩を落として…

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しかし皆さん、へこたれない。ギャラリーはこのビーチのすぐ隣のビーチに一斉に向かう。

普段はガラガラの一般道なのに、この日ばかりは両側が駐車場と化し、大勢の人達がやって来ていた。
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こちらでは、ネッターさん達が、何台ものトラックにイワシを満載にしていた。
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ご近所の子供だろうか。投網をして遊んでいた。
3年前以来のサーディンラン。12匹で30ランドだったのだが、今年は40ランドに値上がっていたが、数分前まで大海を泳いでいたピチピチのイワシ達を買って帰らないわけはない。
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いかんせん身が柔らかいので、綺麗なお刺し身にならなかった部分は、フェンネル等と合わせたカルパッチョサラダにしてみた。

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フライ、かば焼き、そしてうまく3枚におろせず背骨にいっぱい付いた身が勿体なかったのでつみれ汁に。ネギを買っておくのを忘れてしまったので、乾燥ふりかけネギで妥協してしまったが。。。
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サメ避けのネットの管理をするシャークスボードによると、毎年約2万頭のイルカがイワシを追うのだそう。イワシの群れが海岸線沿いに来る場合、それを追ってイルカもサメもやって来るので、普段クワズルナタール州の38ものビーチにシャークスボードがサメ避けネットを設置しているが、イワシがやって来そうな所はネットを外すことになり、遊泳禁止にもなる。この週末にも、Peninngton ビーチの海外線ギリギリにサメがやって来たのだが、2メートルを超すサメだったとのこと。そのサメは一旦捕まえられたが、後にリリースされたようだが。(画像はFBより)

2015年の時に話には聞いていたものの、ボートでまずイワシの群れを探して網を引くと言う作業は見ていなかったので、今回はしっかりその工程も楽しませてもらった。
資源保護も考えられおり、ライセンスを持った業者が、そして引き網の許可がされているエリアも限られている。闇雲に獲ってしまったが為に今は枯渇した、かつての北海道のニシン漁の二の舞にはならなさそうなのは良かったなと。

いざ、イワシの群れはここだと思ったスポットにボートを出し、網を引く多くの若い男性陣を連れて行ったとしても、すぐに漁が出来るわけでもなく、はたまた網がうまく引けないなど、案外漁も大変なんだなと実感。