マラウイ湖を後にして、少し南下した後で西に向かった。

そこはモザンビークとの国境線。

こんなマイルストーンのような物が道端のところどころあるのだが、それが国境を現している。

線が引かれているわけでも、国境警備員がいるわけでも、
何もなく、我々が走っている道路がマラウイ側、道路沿いの家々はモザンビーク側で、普通に歩いて何処でも行き来が出来る。
大型車両などは一応ちゃんとした国境の道があったが、一般の人達や乗用車程度では問題ない。
このような国境線が70キロも続く。
ただし、マラウイ人がモザンビークに行くと、モザンビークの警察がマラウイ人を止めてお金を要求してくるのだそう。この辺りには、モザンビーク人の難民が多い。

デッザと言う所でガソリンスタンドに寄った。
小さなお店も併設されている。



ガソリンの値段は、ディーゼルで1リットル当たり890.9クワチャ(=約145円)
こちらの物価にしたらお高いかと。

ホテルで用意してもらったランチボックスのお昼をビールと共に。

日曜だったので、教会帰りの人が多い。皆、きちんとジャケット着用。
ユネスコの世界遺産にもなっている、チョンゴニの岩絵を見に。
全部で127もあり、古いものは石器時代のトゥワ人(Ba Twa)で、後から描かれたチェワ族のものの二種類がある。

サイト#1
シマウマ等が描かれている。
赤い岩絵は、約1万年前にトゥワ人が描いたもので、岩を砕いたり動物の血などを混ぜて赤い色を作った。トゥワ人 (バトゥワ) は、サン人の流れをくみ、ピグミー、ブッシュマン、アカフラ (蜂蜜などを採る人達)、アマヌドゥラポティと同じで、小柄な狩猟民。高い所に描かれたものは、梯子や肩車をしたと考えられている。

サイト#5
長い首のキリンが描かれている。
「カイヤンソンガ」 と言う。
ションゴロロ
(南アにも居るイモムシ)
毒はなく、ヨハネスブルグの空港にある
キャセイパシフィック航空の
ラウンジの名前に付けられるぐらい、
マスコット的な存在ではある。

槍のようなものも。

この岩山の方にも、多数の岩絵があるとのこと。

サイト#8
エレファント
森などを象徴して描いている。
白い壁画は2000年前のチェワ族のもので、地元の果物のオカや石を砕いて描いた。

サイト#2
サイト#3には、ヘビやトカゲ
サイト#4は、スコットランド人の探検家のリビングストンが休んだと言われている場所。
赤い岩絵を描いていたトゥワ人は、チェワ族がやって来て戦ったり、逃げたりした為、今はここにはその子孫は居ない。
以前はもっと多くの木々に覆われていて、岩が直射日光を浴びることがなく岩絵が良く保存されていたが、近年になって人々が木を切るようになり、風雨や直射日光で傷んで来ているとのこと。
世界遺産にもなっているのに、屋根やガラスでカバーすることもなく、そのままなのには驚いた。


外国人が珍しいと見えて、近所の女の子達が寄ってきて、お尻ふりふりダンスを見せてくれた。

周りの家とは似ても似つかないぐらい
豪華な教会があった。


マーケットがたっていた。

大音量で音楽をかけていてコンサートかと思いきや、来年の大統領選挙や国会議員選挙に向けての政治集会とのこと。

首都リロングエに到着。
ジャカランダが綺麗だった。

そこにあるB&Bにチェックイン。
部屋には、我々の名前を葉っぱで
ウエルカムと共に書いてあった。





オーナーはイギリス人、管理しているのは
イタリア人女性と言うB&B。
ウエルカムドリンク


3コースのディナー。


到着した時にも、イタリア人女性のマネージャーさんに、何故マラウイに来たのか?何に興味があるのか?などと質問を受けたのだが、他の宿泊客に接してみて、何故そのような質問を受けたかがわかった。
観光客としてやって来る人がめったと居ないと言うこと!!
一緒にこの日ディナーをとったのは、英国人の女性2人と男性1人。
・オックスフォード出身の年輩女性は、マラウイの難民キャンプで健康管理などを担当し、3週間滞在。マラウイには30年前から定期的に来て手伝っていると。難民キャンプには、コンゴ、スーダン、エチオピア、ルワンダなどからの難民が多く、ほとんどの人達は南アに行きたがっているが叶っていない。難民キャンプで生まれ、奨学金を得てアメリカで学位を得る人も中には居るとのこと。
・もう一人の若い女性は、フィリピン系?インドネシア系?英国人で、同様に難民キャンプで1週間仕事をすると。
・残る男性一人は50歳代ぐらいだが、スコットランド人で、政府から灌漑のプロジェクトの為に派遣されている。
B&Bと言っても、観光客が多い国ではない為、もっぱらボランティアや政府からマラウイ援助の為に派遣された人達の定宿になっているようで、普段なかなか接することのない人達なので話していて面白かった。
マラウイ湖でその覇権を巡り、ドイツと英国が開戦するなどの歴史など、色々と英国とマラウイの歴史を教えてもらい、マラウイは非常に英国との繋がりが強いことも知った。
逆に面白い質問を受けた。「中国人に間違われて嫌じゃないか?」 と。常日頃から体験し、思っていることだが、いつも我々を間違うのは、黒人のみならず白人も同様だったので、そのような質問が白人からされるのは驚きもし面白かった。南アの白人が多く住むエリアのレストランに行った時、いきなり我々のテーブルにやって来た他のお客さんが、我々にハローとも挨拶もせず、 「何人だ?」 と聞いて来たので答えるとそのまま去って行ったり、近所のレストランやカフェでも、白人が 「何人?」 と聞いて来るので 「日本人だ」 と応えると、他の仲間に、「ほーら、僕の言った通りだろ、彼らは中国人じゃない」 と言うなど、、、
中国のアフリカへの進出ぶりには、アフリカ諸国を旅行して痛感しているが、B&Bに居た彼らも同様で、アフリカで受注した工事現場に中国本国から罪人をマンパワーとして連れれ来て、その人達用に中国から女性も連れて来て、そしてアフリカの資源を奪って行く・・・と、なかなか意見が闊達だった。
行きのヨハネスブルグからの飛行機はほとんどがマラウイ人かと思っていたのだが、白人が、しかも南アにも少ないアメリカ人が非常に多かった。しかしツアー客でも個人旅行者でもない様子。後から聞くと、マラウイに居るアメリカ人のほとんどがボランティア系や政府からの援助の人達とのこと。
この日教えてもらったことの備忘録
バイクは、一台が80万クワチャ(=約124700円)。スズキが多い。
警察官の月給は6~7万クワチャ(=約9353円~約10911円)。
フフと言う主食を作る為のメイズ (白とうもろこし) の粉は、50キロで3000クワチャ(約468円)
アカシアの樹々は、土地を豊かにしてくれとうもろこし栽培にも良いので、アカシアは切らない。
トウモロコシは水が少ない為に一毛作。
乾季には川は枯れてしまうが、地下の水脈を見つけて掘って水を取る。
電気は川による水力発電だが、よく停電する。
交通警察による検問が多いが、運転免許証、麻薬、乗り合いミニバスの過剰積載を主にチェックしている。
一般のドライバーに警官が賄賂を要求してくることはないが、乗り合いミニバスのライセンスや車の不具合を警察に見つけられると困るので、先にミニバスのドライバーは警察に賄賂を渡して見逃してもらっている。
以前はミニバスの事故が非常に多かったのだが、政府が長距離運航のミニバスを禁止し、事故が減った。
南アの古いスピードカメラを使って、スピード違反を取り締まっていたが、そのカメラが壊れてしまい、今はスピードカメラによる取り締まりはない。
マラウイの北部では違法だがマリファナを栽培している。いわゆる dagga と言われるもの。(南アでは先日合法となったが💦)
燃料とする炭は、政府が森林を守る為に、大きな袋5袋だと量が多く販売目的になるので売買は禁止し、少量を買う個人消費のみ許可をしている。
モザンビーク側で作った果物をマラウイ側に持って来て売っているが、支払いはマラウイのクワチャで行われる。
アフリカ諸国の何処も同様だが、祈祷師がおり、マラウイではシンガンガと呼ぶ。(南アではサンゴマ)
この時期は、焼畑や野火のせいで、空気が澄んでいない。
国内では、ゲリラや、部族間の軋轢などはない。
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